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「ロッキン」中止から考えるコロナとライブ産業 音楽フェスが復活するには?

「ロッキン」中止から考えるコロナとライブ産業 音楽フェスが復活するには?

Photo by Abigail Lynn on Unsplash

POPなポイントを3行で

  • 東京都、4度目の緊急事態宣言発令
  • オフラインイベントの開催が再び危ぶまれる
  • どうすれば“祝祭の空間”がある日常に戻れるのか?
東京都へ4回目の緊急事態宣言が出された。

期間は7月12日(月)から8月22日(日)まで。東京・沖縄は緊急事態宣言、埼玉・千葉・神奈川・大阪はまん延防止等重点措置が延長される。

7月23日(金)からはじまる東京オリンピックは、緊急事態宣言下での開催となる。

それに対して、音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021」(通称・ロッキン)は、開催まで1ヶ月に迫る七夕、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を理由に中止が発表された。 ゴールデンウィーク、感染症対策が講じられ開催された「JAPAN JAM 2021」の成功を受け、音楽フェスが復活しようとする中での出来事だった。

Twitterでは「ロッキン中止」がトレンド入りし、出演予定だったアーティストからも怒りの声が上がっている。 “音楽を止めるな、フェスを止めるな”と、ファン、アーティスト、運営スタッフたちが夢見た“祝祭の空間”は、再び失われてしまった。

宣言期間には、他にも「FUJI ROCK FESTIVAL '21」をはじめ、多くの夏フェスが控えているが、それらの開催も危ぶまれている。

実際、7月10日(土)、11日(日)に予定されていた音楽フェス「京都大作戦」の2週目は開催が断念された。

私たちがいま、考えなければならないのは、どうすればあの“祝祭の空間”がある日常に戻れるのか?ということである。

コロナ“終息”なくして音楽フェスの復活は成し得ない

医療の逼迫が叫ばれる中、さらなる死者や重症者を生まないためにも、大型イベントの延期や中止が要請されるのは残念なことに至極真っ当だ。

それならば、少なくとも日本におけるコロナ禍の終息なくして、“祝祭の空間”の復活は成し得ない。

収束ではなく終息──たとえ緊急事態宣言が解除されたとしても、感染症拡大のたびにまた中止や延期になるのであれば、文化に携わるすべての人たちが疲弊するだけだ。

これまでのような文化的・経済的損失が繰り返された末には、かつての日常には二度と戻れないかもしれない。

オンラインライブは最後の希望か?

オフラインでの“祝祭の空間”が存亡の機に瀕しているのに対し、オンラインの文化は凄まじい成長を遂げている。それは音楽においても例外ではない。

博報堂コンテンツビジネスラボ「コンテンツファン消費行動調査2021」のデータでは、ライブやフェスを含む「リアルイベント市場」の規模は減少しているが、オンラインライブを含む「デジタルコンテンツ市場」は一気に増加している(外部リンク)。

例えば、サザンオールスターズBTS——2020年話題を呼んだオンライン公演の売上は、オフラインだった場合の数倍とも試算されている。
サザンオールスターズ 特別ライブ2020「Keep Smilin’ ~皆さん、ありがとうございます!!~」いよいよ目前!!
"ARAFES 2020 at NATIONAL STADIUM" Digest Movie
大スターたちだけではない。YOASOBI花譜をはじめとする新世代のアーティストたちも、インターネットを通し、物理的な距離を越えて、人々の心を掴み、コロナ禍の中で大躍進を遂げた。

オンラインライブは"ライブ"に決して代わりえない

2020年はオンライン・無観客ライブの黎明期だった。

アンダーグラウンドからメジャーまで、様々なアーティスト・クリエイターたちが失敗と成功を繰り返した。その中には、AR/VR風の映像演出や、マルチアングル機能など、画面を通してるからこそ可能な体験も登場している。 しかし、オンラインライブはオフラインライブに決して代わりえない。それはアーティスト本人たちが強く実感することだろう。少なくとも現在の科学技術では難しい。

その体験は、“祝祭の空間”で得られるものとは異なる。どうしても、五感を通じ他人と同じ空間を体験するという臨場感に欠けてしまう。 臨場感と欲望、臨場感と関係性は表裏一体だ。コロナ禍でも楽しめることは十二分にあるにも関わらず、なお人々が“祝祭の空間”を求めるのには、臨場感、それによって生まれる欲望・関係性への渇望がある

当然、臨場感がなければ成立しない欲望や関係性は虚しいという批判もある。文化的な活動が不要不急とされてしまいがちな裏には、それもあるのかもしれない。

しかし、その虚構に人々が救われてきたのもまた事実である。あの“祝祭の空間”での一瞬には、きっと永遠よりも価値があった。だからこそ音楽、ひいては文化に携わる人たちは今もなお戦い続けている。

もう一度“祝祭の空間”で会えるその日まで

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