連載 | #3 KAI-YOU COMIC REVIEW

女子高が舞台の『女の園の星』が面白い くだらなくも愛しい日常

女子高が舞台の『女の園の星』が面白い くだらなくも愛しい日常
女子高が舞台の『女の園の星』が面白い くだらなくも愛しい日常

画像は和山やまTwitterから

POPなポイントを3行で

  • 和山やま『女の園の星』が面白い
  • 発売1週間で2度の重版
  • 作者は賞を総ナメにした気鋭の新人
無数の媒体に無数の漫画が連載される群雄割拠の今、7月8日(水)に1巻が発売されるや否や、一週間で既に3刷がかかった漫画がある。

和山やまさんの『女の園の星』だ。

和山やまさんは、2019年夏にビームコミックスより短編集『夢中さ、きみに。』が発売されるとすぐに話題になり、第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞や、第24回手塚治虫文化賞短編賞など数々の賞を受賞した気鋭の作家。

和山さんにとっての初連載となった『女の園の星』は、1巻が発売されると各書店で大々的に扱われ、Kindleの女性漫画カテゴリでは1位を獲得した。

人に話したくなる、くだらなくも愛しいシュールな日常

和山やまさんのTwitterでは、第1話が丸々掲載されている。 『女の園の星』で描かれるのは、夜家族で食卓を囲みながら「そういえば今日さ~」としゃべりたくなるような、女子高を舞台にしたちょっとおかしな日常だ。

「タピオカになった…」というリアクションがどこかおかしい/画像は『女の園の星』特設サイトのスクリーンショット

なんといっても素晴らしいのはその表情。

心情をリアルタイムで反映した豊かな表情が素晴らしい/画像は和山やまTwitterから

このページでは、学級日誌で始まった絵しりとりで、何が書かれているのか気になって仕方ない星先生。最後には仕事をしなければと思いなおすという流れが描かれている。

虚空を見つめて真面目な顔をする星先生がシュールで微笑ましい。

考え事をしててついつい脱線してしまう等身大の日常/画像は和山やまTwitterから

整った顔の星先生がコロコロと表情を変えるのも、妙なおかしさがある。その後、結局答えが出ず翌日の日誌までまって、星先生は推理を続ける。

大の大人が長時間しょうもないことに悩んでいるのはマンガとしてはシュールだが、同時にこの感覚は等身大で共感もできる。

「布袋」をひらめいた瞬間星先生の目に光が宿る/画像は和山やまTwitterから

絶対にこの絵しりとりの回答は、星先生が苦心の末にひねり出した「布袋」ではないが、考えに考えて迷走した結果、斜め上の回答をはじき出してしまうのはあるあるだ。 脇を堅めるのは、『女の園の星』の人気キャラ、ポロシャツの小林先生

Google検索のサジェストで2位に来る小林先生/画像はGoogleのスクリーンショット

小林先生、ちょっと押しが強くて、担当編集さんにも「小林先生って生徒から夢とか進路の相談されなそうですね」と言われる始末だが、普通にいい人でみんなに愛されているよう。 そんな等身大のキャラクターたちのしょうもない日常を描いた『女の園の星』は、祥伝社の雑誌『フィール・ヤング』にて連載中。

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