豆判の世界
さらに階段を下りた第1展示室に展示されているのが、縦9センチ、横13センチ弱の版型「
豆判」の作品。豆判は、膨大な数が制作されたことでも知られ、研究もほぼ手つかずと言われている作品群。展示されている作品はすべて
今回が初公開となり、貴重な作品の数々が並んでいます。
入ってすぐの中央部にそびえる柱には、色鮮やかに描かれた豆判作品が展示。現代でいう「
ポケットサイズ」の版画となっており、大判の錦絵作品を縮小したものも含まれています。
そのまま展示室の中を進むと、本展の締めくくりともいえるエピローグのコーナーへ。ここでは、展示の最後に、会場である永青文庫が所蔵する桃山時代の肉筆画巻と、江戸時代後期(天保6年)頃の判本が展示され、春画が長い日本の歴史の中で人々とともにあったことがわかる構成になっています。
春画が描かれたポップなグッズも登場!
入り口を出て向かい側にある第2会場では、春画をモチーフにしたグッズも販売。
過激な描写部分が胸のポケットで隠されたTシャツや、表は控えめな男女の触れ合いを描き、中には大胆な交合図が入ったトートバックや男性用トランクスなど、粋なデザインのグッズが数多く展開されていました。
Tシャツやトートバックは、会期中に異なるデザインのものが順次展開されていく予定とのことなので、行く度に違ったデザインが楽しめそうです。
そして、販売所で一際存在感を放っていたのが、本展の作品はもちろん、春画の歴史や情報を事細かに紹介した
展覧会図録。中身の充実度はもちろんですが、展示用につくられたというポップな包み紙にも注目してほしいところです。
今後は、10月10日(土)には「
江戸文化と春画」をテーマにした講演会、11月28日(土)には「
春画展開催記念シンポジウム」が行われるほか、11月7日(土)と12月5日(土)には着物を着て来場すると男女問わず入場料が800円になる「
着物DAY」も開催されるなど、より春画を身近に感じられるイベントも予定されています。
作品は、前期・後期と作品を順次入れ替えながら展示されていく予定。日本の文化である「春画」に日本で触れる貴重な機会となっています。
執筆者:きくちみずほ
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