大英博物館「マンガ展」 日本漫画の読み方からコミケ、コスプレまで

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大英博物館「マンガ展」 日本漫画の読み方からコミケ、コスプレまで
大英博物館「マンガ展」 日本漫画の読み方からコミケ、コスプレまで

尾田栄一郎『ONE PIECE』(c)Eiichiro Oda/SHUEISHA

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POPなポイントを3行で

  • 大英博物館で国外最大規模の日本の漫画展
  • 日本の漫画家や関連企業30社が全面協力
  • キービジュアルには『ゴールデンカムイ』
イギリス・ロンドンの大英博物館で5月23日(木)開催される「The Citi exhibition Manga」展覧会(マンガ展)。

日本の漫画家や出版社、プロダクション、アニメ・ゲーム関連会社など約30社が全面協力で臨む「マンガ展」は、国外で開催される漫画の展覧会としては史上最大規模

人気作品のイラストの陳列にとどまらず、漫画について理解と関心を深め、好みの作品との新たな出会いを導くような内容で展開される。

キービジュアルに野田サトル『ゴールデンカムイ』

野田サトル『ゴールデンカムイ』(c)Satoru Noda / SHUEISHA

マンガ展のキービジュアルには、「マンガ大賞2016」「第22回手塚治虫文化賞マンガ大賞」など数々のアワードを受賞した野田サトルさんの『ゴールデンカムイ』に選出された。

明治後期の北海道を舞台に、日露戦争帰還兵や脱獄囚らによる死闘を描くサバイバルストーリーとなる本作。 アクション、歴史、ラブストーリー、ギャグ、グルメなど多種多様なテーマを網羅していること、アイヌの生活や文化を丁寧に描きダイバーシティを体現する点が評価された。

2018年12月に大英博物館のTwitterに『ゴールデンカムイ』のキャラクター・アシリパが登場。日本でも「世界のアシリパ」と反響を呼んだ。

読み方、つくり方からコミケやコスプレまで言及

星野之宣『アリス』(c)Yukinobu Hoshino/Shogakukan Inc.

展示ゾーンは、導入を含めて7つのゾーンに分かれている。導入ではイギリス発の物語「不思議の国のアリス」が、いかに日本で柔軟かつ独特にアレンジされたかを示す。

展覧会会場の案内役をつとめるのは、同作にちなんだウサギのキャラクター・みみちゃん。漫画家・こうの史代さんが描き下ろした。

東村アキコ『海月姫』(c) Akiko Higashimura / Kodansha Ltd.

続くゾーン1では「マンガという芸術」と題して、その読み方や描き方、出版などを紹介。執筆風景や編集部などの映像も流れる。

その後「過去から学ぶ」「すべての人にマンガがある」「マンガのちから」「マンガとキャラクター」「マンガ-制限のない世界」をテーマに各ゾーンが展開。

多くの作品が登場するのはもちろん、コミケやコスプレなど二次創作といったファンとの関わり方にまで言及される。

大英博物館『The Citi exhibition Manga」展示作品一覧

日本の漫画界の偉大なる先達

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イベント情報

The Citi exhibition Manga マンガ

会場
大英博物館 セインズベリー・エキシビションズ・ギャラリー
Great Russell St, Bloomsbury, London WC1B 3DG, UK
会期
2019年5月23日(木)〜8月26日(月) 会期中無休
開場時間
10:00〜17:30(最終入場 16:10) 金曜 10:00〜20:30(最終入場 19:10)
チケット
大人/£19.50 16~18 歳/£16.00 16 歳以下/無料※要付き添い
※大英博物館会員は無料
主催
大英博物館
共催
国立新美術館、一般社団法人マンガ・アニメ展示促進機構
協賛
シティグループ
運輸協賛
IAGカーゴ(英国航空)、大日本印刷株式会社
ウェブサイト

【展示ゾーン詳細】

[導 入:不思議の国のアリス――イギリスと日本]
ルイス・キャロル本人の手による“アリス”複製イラストと、アリスをモチーフにしたマンガを展示、イギリス発の世界的物語が、いかに柔軟に独特にアレンジされたかを示す。そ こから観客は“ウサギの穴”を通って展覧会会場へ。
また、アリスをなぞって、案内役を務めるのは、ウサギのキャラクター“みみちゃん”。こうの史代氏の描き下ろしで、各ゾーンを象徴するイラストが配され、案内役を務める。

■展示:アリス/星野之宣、不思議の国のアリス/大友克洋、不思議の国の美幸ちゃん/CLAMP ※すべて複製パネル・ギャラリー外での展示 ほか


[ゾーン1:マンガという芸術 The Art of Manga]
マンガの読み方、描き方、出版などを紹介。こうの史代『ギガタウン 漫符図譜』を通じて特有の表現記号などを学び、執筆風景やマンガ編集部、関係者談話のビデオが見られる。

■展示:運慶/さいとう・たかを、ギャグほどステキな商売はない/赤塚不二夫、海月姫/東村アキコ ほか


[ゾーン2:過去から学ぶ Drawing on the Past]
視覚で物語を伝えるマンガの力、歴史的ルーツや現在のさまざまなマンガの形態を検証する。
このゾーンにはまた、アナログ、デジタル混在の書店を模した読書スペースがあり、マンガ雑誌、コミックス、電子書籍などを実際に手にとって読むことができる。一部無料ダウンロードも可。大英博物館が舞台の『宗像教授異考録 大英博物館の大冒険』(星野之 宣・著、小学館)をフィーチャーした展示、東京・神保町のマンガ専門書店「コミック高岡」(今年3月閉店)店内写真パネルによる復元も。

■展示:アトム大使、鉄腕アトム/手塚治虫(アニメ含む)、ウナギイヌの最期/赤塚不二夫、斉藤大八郎(下絵)/月岡芳年、チーズスイートホーム/こなみかなた、DRAGON BALL/鳥山明(アニメ含む)、美少女戦士セーラームーン/武内直子(複製原画・アニメ)、百物語より こはだ小平二/葛飾北斎、ポーの一族/萩尾望都 ほか


[ゾーン3:すべての人にマンガがある A Manga for Everyone]
マンガの読み方を習得し、歴史を学んだ来場者に、続いてマンガのジャンルを探究し、自分だけのお気に入りを見つけていただくためのゾーン。「目に見える」ジャンルとして、スポーツ、冒険、SF、変身もの、ラブストーリー等、「目に見えない」ジャンルとして、生き方、スピリチュアル、ホラー等をテーマにした作品を紹介。

■展示:あしたのジョー/高森朝雄原作・ちばてつや画、うずまき/伊藤潤二、弟の夫/田亀源五郎(デジタル制作)、オリンピア・キュクロス/ヤマザキマリ(デジタル制作)、海帝/星野之宣、キャプテン翼/高橋陽一、銀河鉄道999/松本零士、ゴルゴ13/さいとう・たかを、サイボーグ009/石ノ森章太郎、進撃の巨人/諫山創、聖☆お兄さん/中村光、地球へ.../竹宮惠子、NARUTO-ナルト-/岸本斉史、BLUE GIANT SUPREME/石塚真一、柳の木/萩尾望都、リアル/井上雄彦、ONE PIECE/尾田栄一郎 ほか


[ゾーン4:マンガのちから Power of Manga]
マンガのファンや社会とのかかわりがテーマ。コミケやコスプレといった二次創作にも 光を当てる一方、啓発やマナーのポスター等社会的・教育上の使用、美術館などでの展覧会への展開など、21世紀のマンガの発展を見ていく。また、京都精華大学国際マンガ研究センターが取組む「原画ダッシュプロジェクト」についても紹介し、作品6点展示。

■展示:あの日からのマンガ/しりあがり寿、いちえふ 福島第一原子力発電所労働記/竜田一人、岸辺露伴ルーヴルへ行く/荒木飛呂彦、名探偵コナン/青山剛昌 ほか


[ゾーン5:マンガとキャラクター Power of Line]
会場のアウトライン部分、70mの壁をいっぱいに使って、作家たちの直筆原画と数mの高さに引き延ばしたアイコニックなキャラクターの画像を展示。また全長17mに及ぶ、河鍋暁斎「新富座妖怪引幕」現物(1880年/早稲田大学坪内博士記念演劇博物館所蔵)が 展覧会のハイライトを飾るが、本作は海外への貸し出しはこれが最後となる予定。

■展示:海神記/諸星大二郎、ゴールデンカムイ/野田サトル(デジタル制作)、ジョジョの奇妙な冒険/荒木飛呂彦、天才バカボン/赤塚不二夫、ねじ式/つげ義春 ※原画と複製スタンドパネルの展示 ほか


[ゾーン6:マンガ-制限のない世界 Manga: no limits]
最後に展望するのは、制限を突き破ったマンガの世界。前衛的な作品、デジタルでの表現、彫刻、陶器、インスタレーションなどマンガに題材をとったアート、ゲームやアニメなど メディア化、国際的な影響等について展示する。

■展示:イギリス発うまいもの天国/セブンシスター(磁器)/細野仁美、家訓(ディテール)※インスタレーション/赤塚りえ子、コミックブックス 17-S(陶器)/三島喜美代、鉄コン筋クリート/松本大洋、ポケットモンスター(ゲーム、カードゲーム、アニメ)、ワンパンマン/ONE 原作・村田雄介画 ほか

[出口]
出口部分には、スマートフォンで撮った写真をマンガ風に加工できるフォトスポットを用意。また、実は出口部分にもサプライズが。さる有名作家がこの展覧会のために、3点の巨大原画を描き下ろし!ここでしか見られない大迫力の筆致です。

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