時事とリンクするタイトルを新作・旧作問わず取り上げ、“今読むべき漫画”や“今改めて読むと面白い漫画”を紹介していく本連載「漫画百景」。
四景目は、『ゴールデンカムイ』です!
1月19日から実写映画が全国の劇場で公開されており、これに合わせて漫画アプリ・ヤンジャン!とピッコマでは、なんと全314話が無料で読めるキャンペーンを実施中。
そんなわけで、今読むべき漫画として『ゴールデンカムイ』を紹介します。
明治末期の北海道を舞台に、アイヌが隠し持っていた金塊(現代の価値で8億円相当)を奪い合うサバイバルが描かれています。 主人公は、大怪我をしても翌日には戦線復帰していたエピソードから“不死身の杉元”とあだ名される日露戦争の帰還兵・杉元佐一と、“新しい時代のアイヌの女”を自負する少女・アシリパの2人。
杉本は亡き戦友との約束を守るため、アシリパは金塊を巡る騒動で殺害された父の敵を討つために金塊争奪戦に参加。広大な北海道を回る旅に出ます。
そんな『ゴールデンカムイ』の魅力を、①終始一貫した弱肉強食の論理、②敵味方が入れ替わり立ち変わる波乱だらけの展開、③殺伐とした世界観に爆笑をもたらすコメディパート、この3つにわけて見ていきます。
1話において、ヒグマの脅威に少なからず動揺した杉本へアシリパが言い放った「弱い奴は食われる」というセリフは印象的です。
この論理は絶対のものとして徹頭徹尾貫かれており、物語における根底を成していました。 そしてこの論理が苛烈に効いてくるのが、本筋となる金塊を巡るサバイバルです。
本作には金塊が隠された場所を示す暗号として、北海道に散らばった脱獄囚たちに彫られた刺青が登場します。
この刺青、全員揃った時に一つの解を示すよう彫られているのですが、その解を知るには囚人を殺して皮を剥ぎ取る必要があるのです……えげつない!
必然、金塊を求める者たちは囚人を見つけしだい殺害あるいは拘束しようと試みるため、命がけの戦いが発生。戦いに破れた弱い者は強い者の支配下に置かれることになります。
また、敵は人間だけとは限りません。北海道の雄大な大自然とそこに生きる数多の動物も時に牙を向きます。作中たびたび大活躍するヒグマはその筆頭。『ゴールデンカムイ』を読んで、ヒグマにだけはぜっっったいに遭遇したくないと震えた読者は多いはず。
どの勢力のキャラクターも味付けが濃く、もし変人オリンピックがあれば全員日本代表になれるレベル。誰もが自分の欲望に忠実で行動原理がわかりやすいため、見ていて気持ちが良い。 そんなキャラクターたちが命を張って駆け引きし、騙し合い、敵味方がぐるぐると入れ替わる。予想のつかない展開で飽きさせません。
物語が進むとアシリパの出生に関わる謎も浮上し、金塊争奪戦の裏に隠された秘密と絡み合うストーリー構成も読者の興味を引き続けます。
それは愛嬌があってコミカルな挙動で笑わせてくれるキャラクターたちの存在や、時に差し込まれる振り切ったコメディパートによるものです。
特に有名なのが、筋骨隆々の男どもが性欲を持て余す様子が爆笑を誘う「ラッコ鍋編(115話〜116話)」でしょう。 煮ている時の香りが欲情を刺激すると言われるラッコの鍋を囲んだ5人の男が、狭い小屋の中で悶々としていて、どうしようもなく面白い。
このようなコメディのほかにも、アイヌの衣食住や思想を描く文化的要素、アイヌ料理やジビエによるグルメ漫画としての側面、道内各地の伝説や逸話を引用した歴史ロマンなど、盛り込まれたジャンルが雑多なのも本作の魅力です。
そんな「相棒、未来、誇り、同胞、家族、祝福、弔い、武士道。冒険・歴史・文化・狩猟グルメホラー・GAG&LOVE! 全て生かした感情闇鍋ウエスタン」(公式のキャッチコピー)が、今なら漫画アプリ・ヤンジャン!やピッコマで全話無料で読める!
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四景目は、『ゴールデンカムイ』です!
1月19日から実写映画が全国の劇場で公開されており、これに合わせて漫画アプリ・ヤンジャン!とピッコマでは、なんと全314話が無料で読めるキャンペーンを実施中。
そんなわけで、今読むべき漫画として『ゴールデンカムイ』を紹介します。
野田サトルによる傑作『ゴールデンカムイ』
『ゴールデンカムイ』は、野田サトルさんが『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2014年〜2022年まで連載していた漫画作品。シリーズ累計2700万部突破の大ヒット作です。明治末期の北海道を舞台に、アイヌが隠し持っていた金塊(現代の価値で8億円相当)を奪い合うサバイバルが描かれています。 主人公は、大怪我をしても翌日には戦線復帰していたエピソードから“不死身の杉元”とあだ名される日露戦争の帰還兵・杉元佐一と、“新しい時代のアイヌの女”を自負する少女・アシリパの2人。
杉本は亡き戦友との約束を守るため、アシリパは金塊を巡る騒動で殺害された父の敵を討つために金塊争奪戦に参加。広大な北海道を回る旅に出ます。
そんな『ゴールデンカムイ』の魅力を、①終始一貫した弱肉強食の論理、②敵味方が入れ替わり立ち変わる波乱だらけの展開、③殺伐とした世界観に爆笑をもたらすコメディパート、この3つにわけて見ていきます。
「弱い奴は食われる」弱肉強食の論理
『ゴールデンカムイ』の世界には、最初期から一貫して弱肉強食の論理が働いています。1話において、ヒグマの脅威に少なからず動揺した杉本へアシリパが言い放った「弱い奴は食われる」というセリフは印象的です。
この論理は絶対のものとして徹頭徹尾貫かれており、物語における根底を成していました。 そしてこの論理が苛烈に効いてくるのが、本筋となる金塊を巡るサバイバルです。
本作には金塊が隠された場所を示す暗号として、北海道に散らばった脱獄囚たちに彫られた刺青が登場します。
この刺青、全員揃った時に一つの解を示すよう彫られているのですが、その解を知るには囚人を殺して皮を剥ぎ取る必要があるのです……えげつない!
必然、金塊を求める者たちは囚人を見つけしだい殺害あるいは拘束しようと試みるため、命がけの戦いが発生。戦いに破れた弱い者は強い者の支配下に置かれることになります。
また、敵は人間だけとは限りません。北海道の雄大な大自然とそこに生きる数多の動物も時に牙を向きます。作中たびたび大活躍するヒグマはその筆頭。『ゴールデンカムイ』を読んで、ヒグマにだけはぜっっったいに遭遇したくないと震えた読者は多いはず。
敵か味方か? 波乱だらけの金塊争奪戦
杉本とアシリパの主人公コンビ、刺青を彫られた囚人たち、金塊を奪われたアイヌ、野望を秘めた大日本帝国陸軍・第七師団……様々な勢力による三つ巴、四つ巴にも渡るサバイバルが『ゴールデンカムイ』では描かれます。どの勢力のキャラクターも味付けが濃く、もし変人オリンピックがあれば全員日本代表になれるレベル。誰もが自分の欲望に忠実で行動原理がわかりやすいため、見ていて気持ちが良い。 そんなキャラクターたちが命を張って駆け引きし、騙し合い、敵味方がぐるぐると入れ替わる。予想のつかない展開で飽きさせません。
物語が進むとアシリパの出生に関わる謎も浮上し、金塊争奪戦の裏に隠された秘密と絡み合うストーリー構成も読者の興味を引き続けます。
殺伐とした世界観に爆笑をもたらすコメディパート
ここまで見てきたように、『ゴールデンカムイ』の世界観は殺伐としていますが、読んでみるとむしろ作風は明るくポップ。それは愛嬌があってコミカルな挙動で笑わせてくれるキャラクターたちの存在や、時に差し込まれる振り切ったコメディパートによるものです。
特に有名なのが、筋骨隆々の男どもが性欲を持て余す様子が爆笑を誘う「ラッコ鍋編(115話〜116話)」でしょう。 煮ている時の香りが欲情を刺激すると言われるラッコの鍋を囲んだ5人の男が、狭い小屋の中で悶々としていて、どうしようもなく面白い。
このようなコメディのほかにも、アイヌの衣食住や思想を描く文化的要素、アイヌ料理やジビエによるグルメ漫画としての側面、道内各地の伝説や逸話を引用した歴史ロマンなど、盛り込まれたジャンルが雑多なのも本作の魅力です。
そんな「相棒、未来、誇り、同胞、家族、祝福、弔い、武士道。冒険・歴史・文化・狩猟グルメホラー・GAG&LOVE! 全て生かした感情闇鍋ウエスタン」(公式のキャッチコピー)が、今なら漫画アプリ・ヤンジャン!やピッコマで全話無料で読める!
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テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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