漫画『ドラゴン養ってください』レビュー　辰年はポンコツかわいいドラゴンを愛でよ

時事に合わせた漫画を新作・旧作問わず取り上げて、“いま読むべき漫画”や“いま改めて読むと面白い漫画”を紹介していく連載「漫画百景」がスタートしました。

一景目は、『ドラゴン養ってください』です！

本作は、ポンコツなドラゴン・イルセラと、ドラゴンの擬人化を断固拒否する男子大学生・村上の同居生活を描いたコメディ。一匹と一人のゆるい夫婦漫才のような掛け合いがクスッと笑える漫画です。

個人的にはドラゴン漫画のシーン（なんだそれとか言わない）で今一番ポップな漫画。新年の辰年にはじまる連載1発目ということで、ドラゴンにまつわる本作を今回紹介させていただきます。 ※8話までのネタバレを含みます

小学館の漫画アプリ・マンガワンで連載中の『ドラゴン養ってください』

『ドラゴン養ってください』は、小学館の漫画アプリ・マンガワンで2023年10月に連載が開始された漫画です。

『スティアの魔女』も手掛ける牧瀬初雲さんが原作、『魔もりびと』で知られる東裏友希さんが作画を担当しています。

一部のドラゴン好き、またはゆるい日常系漫画を好む層に知られはじめており、ばっちりストライクゾーンだった筆者もハマりました。

異世界から来たドラゴンを養う話
（1/8） pic.twitter.com/tChAfnR2wp

— 牧瀬初雲@『スティアの魔女』『ドラゴン養ってください(原作)』 (@makkyisu1) October 10, 2023

ポンコツかわいいドラゴン・イルセラの魅力

本作の魅力はクスッと笑ってしまうボケとツッコミのワードセンス。そしてずばり、ポンコツなドラゴン・イルセラにあります。

異世界から修行のために人間界へ送られたイルセラは、高潔な種族・ドラゴンであることを誇りに思っている節があり、威風堂々とした佇まいをしています。傍目には見目麗しい存在です。 しかし実際にはポンのコツ。素手の女の子に取り押さえられるほどひ弱で、ドラゴンなのに高いところが苦手。見栄っ張り。偉そうな言動と中身が一致していません。

こうして文字にすると反感を買いそうな性格なのですが、炎のブレスを使って焼きおにぎりをつくったり、トイレでイヤホンを挿しながら本を読んだりと、どこか愛嬌があり親しみやすい。いわばポンコツかわいいのです。

これは原作担当・牧瀬初雲さんによるキャラクター造形の上手さや、作画担当・東裏友希さんのポップでかわいい絵柄の賜物でしょう。

このポンコツかわいいドラゴンを愛でよ。

残念なドラゴン、第二の刺客も登場

『ドラゴン養ってください』を愛すべきポンコツ・イルセラを愛でる漫画だと認識していた筆者ですが、7話で新たな残念なドラゴンが登場しました。イルセラと村上が住む町に昔から伝わる竜神です。

祀られていた社の像が壊れたことで（？）顕現。数十メートルはある巨体と天候を操るほどのパワーを持っており、イルセラとは比べ物にならないほど威厳があります。

しかし、と言うべきか、やはり残念キャラ。被害妄想が激しく、勝手にネガっては強大なパワーで周囲を振り回します。めんどくさいタイプの竜。図体の大きな駄々っ子です。

ドラゴン養ってください、マンガワンにて7話公開されました！お祭に迫る不穏な竜の影…？よろしくね pic.twitter.com/THKEKctiFW

— 東裏友希 (@yukihigashiura) January 2, 2024

こちらは登場からすぐに人型の姿（かわいい）も披露されているので、今後は竜神であることを隠しながら町の人と触れ合うのかな？ ヒロイン的なキャラクター・犬飼とコンビになるのかな？ と予想しています。

なんにせよ第二の刺客あらわる。これからもゆるかわドラゴンの日常系漫画として人気を集めそう。

なお、第1巻は3月19日（火）刊行とのこと。待ち遠しいです！