小学館の漫画アプリ「マンガワン」が、2日間限定で掲載作品を全話無料で公開(※)する「マンガワン祭り2024」を、10月10(木)0時〜11日(金)23時59分まで開催します(外部リンク)。
毎年開催される恒例の企画では今回、180作品以上が対象。これだけ数が多いと、どの作品を読めば良いのか目移りする人も多いはず。
というわけで、この記事では『日本三國』『その炎の名は性癖』『雷雷雷』など、個人的なオススメ作品をなんとか10作品まで絞って紹介(本当はもっといっぱいあります)。参考にしていただければ嬉しいです。
(※)最新話など特定のエピソードは除く
目次
武蔵野創『灼熱カバディ』
7月に完結したばかりの『灼熱カバディ』を紹介しないわけにはいきません。マイナースポーツ・カバディを題材に、ライバルとの激闘、先輩後輩の絆……熱すぎる王道の展開を描き切りました。
全293話と長丁場ですが、2日あればかなり読めるはず。全話無料の太っ腹企画ですので、どうせなら大作を一気読みしたいという人、熱いスポーツ漫画が読みたい人にオススメします。
ディビ『その炎の名は性癖』
ひたすらエロく愛に溢れたSM漫画を手がけるディビさんが、マンガワンに降臨したのが9月。作者名を二度見しました。
舞台は性欲をエネルギーに変換する技術によって産業革命が起き、アダルトコンテンツがかつてないほど盛況になった世界。禁忌される“NTR(寝取られ)”に懸けた漫画家と義体の身体を持つ強化人間が、のちに世界を震撼させる物語です。
設定資料を見るとSFとしても練られてい模様。ディビさんの新境地を味わえます。
松木いっか『日本三國』
現代文明が崩壊し、3つの国に分かれた近未来の日本で、三国統一を目指す奇才軍師が辣腕を振るう『日本三國』。緻密な設定と大胆な発想で描かれる戦記漫画です。
他国との戦いの裏で国内の勢力争いも勃発。主人公は内憂外患に揺れる国の中で、智謀をめぐらせて存在感を発揮していきます。物語もキャラクターも特濃。未読の人はとりあえず読みましょう!
ヨシアキ『雷雷雷』
ガール・ミーツ・エイリアン!
ある日突然エイリアンと接触してやばい怪物と一心同体に。危険人物に指定され、民間の軍事企業に攫われ実験動物扱い。序盤から不憫な少女が主人公のSFアクション『雷雷雷』。
バトルシーンの描写がキレッキレ。突如としてはじまる麻雀バトル編など、作者・ヨシアキさんの前作『殺し屋は今日もBBAを殺せない。』で爆笑させてくれたコメディ要素もキレッキレです。
薄場圭『スーパースターを唄って。』
元売人のラッパーがトラックメイカーの親友と音楽で再起をかける『スーパースターを唄って。』。薬物に半グレと、生半可な内容ではないだけに、気軽に読める漫画ではありません。しかし、頭をぶっ叩かれたような衝撃を覚えるライブシーンは必見です。
国内最大のヒップホップフェス「THE HOPE」に向けて、Awichさんや¥ellow Bucksさんら出演アーティストの描き下ろしビジュアルを提供し話題になった作者・薄場圭さんの絵、本当にいかしてます!
鍋倉夫『路傍のフジイ』
同僚には陰口を叩かれ、社内で重宝されるような特技もない40代の派遣会社員・藤井守。いかにも冴えない彼ですが、人目がどうしたって気になる現代で、何者にも左右されない強さを持っていました。
彼のブレない生き方に勇気をもらった人々の群像劇が『路傍のフジイ』です。理想的とされる生き方や風潮を一度見つめてみる。そんな時間を与えてくれる漫画になっています。
竹屋まり子『あくたの死に際』
大手企業の会社員として上手くやってきた時間、結婚も視野に入っていた彼女との日々、安定した生活、その他諸々……すべてを投げ売って、31歳にして小説を書くため一念発起する主人公を描いた『あくたの死に際』。
変人だらけの小説業界に飛び込んで、人生を懸けただけの何かを掴み取れるのか。魅力的な小説を自分の中に探して、暗中模索する焦燥感の描写が真に迫っています。創作の泥臭い面に向き合った漫画です。
たみふる『付き合ってあげてもいいかな』
なんとなくノリで付き合ってみた女子大生2人の甘すぎない関係性を描く『付き合ってあげてもいいかな』。大きな喧嘩や笑い泣くほど楽しいひと時、何気ない毎日の描写が本当に丁寧に描かれています。
現在本編は、物語としての大きな波を幾度か乗り越えた先で、新しい転機を迎えている段階。いわゆる新章の入口付近にいるので、全話無料公開で一気に最新話まで追いつくにはタイミングばっちりです。
カレー沢薫『なおりはしないが、ましになる』
発達障害(不注意型ADHD、ASDの傾向ありと診断)の当事者である漫画家・カレー沢薫さんが、診察を受けた流れから結婚相手との生活まで、自身の経験を赤裸々に明かしたエッセイ漫画です。
重めのテーマとなりますが、それを緩和するユーモアが炸裂しているので読み心地は幾分軽やか。生きにくさをテーマとするエッセイにおいて、登場する心強いパートナーの存在を揶揄する“理解のある彼くん”問題にも果敢に踏み込んでいます。
笠原真樹『夢なし先生の進路指導』
未来ある高校生たちに、「夢は無慈悲で残酷です」と話す元コンサルタントの高校教師が主人公。彼の警告を振り切り夢を追った教え子が直面する厳しい現実と、一筋の希望を感じさせる各エピソードの幕切れの余韻が素晴らしいです。
アイドルや将棋の棋士など、なれるかもわからず不安定な職業だけでなく、運転士や保育士といった様々な職業が題材になりなるのも面白いポイント。中学や高校の図書館に置いてほしい漫画筆頭です。
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