「カバディ」と連呼して走るアホくさいスポーツだろ?
『灼熱カバディ』1話の冒頭で、主人公・宵越竜哉が発したこのセリフが、世間一般のカバディに対するイメージかもしれません。 いや、イメージがあればまだ良い方で、そもそも知らない人も多い気がします。あるいは名前を聞いたことがあっても見たことはない。
そんなマイナースポーツのカバディで、『スラムダンク』や『ハイキュー!!』のような王道のスポーツ青春・成長の群像劇を描いているのが、武蔵野創さんによる漫画『灼熱カバディ』です。
2015年から現在まで連載中で既刊18巻。2017年に「WEBマンガ総選挙」に、2020年に「第66回小学館漫画賞」少年向け部門にノミネートされています。TVアニメ「灼熱カバディ」アニメ本PV
つい先日アニメの最終話が放送・配信されたばかりでもある『灼熱カバディ』の溢れる魅力を、今回は以下3点に(無理やり)まとめる形で紹介していこうと思います。
ざっくり言えば「コート内に分かれた2チームが互いの陣地に侵入し、攻守交代制でタッチ数を競う合う」のがカバディです。
得点によってコート内のメンバー数が増減するため、イメージは狭い範囲で行う鬼ごっこ×ドッジボール。 鬼ごっこと違うのは、失点を防ぐために相手を倒すことが許されていること(グーパンとかはダメ)。作中では“走る格闘技”と表現されています。
ちなみに攻撃側が「カバディ」と言えている(息が続く)間のみ攻撃が可能。これが試合中に選手が「カバディ」と言い続けている理由です。 攻撃側はいかに相手にタッチして自陣へ逃げ切るか、そして守備側はそれを許さないか。
この攻防がずっと続くため、試合中は常に緊張状態。一瞬でも気を抜けば大量失点を喫してしまう怖さもあります。
『灼熱カバディ』ではこのスポーツ的な特徴が最大限に活かされており、読む側も緊張を強いられる場面が多々あるのですが、故にビッグプレーが決まった際にキャラクターが見せる感情の爆発がカタルシスを感じさせてくれます。
まず主人公・宵越がスポーツ嫌いで元中学サッカー界のスターというプロフィールがユニーク。
彼を擁する能京高校にはほかにも、体格的なハンデを不断の努力で克服し、押しも押されぬエースにのし上がった王城正人や、天賦の才を持つ同世代に置いていかれても絶対に諦めず、チームの力を最大限に活かすことで勝利を目指す井浦慶がいます。 ほかにも怪我で打ち込んでいた野球を諦めくすぶっていた伊達真司、カバディをはじめるまでは打ち込むものがなく喧嘩に明け暮れる不良だった水澄京平、僻地にいたためスポーツ的な競争とは無縁だった畦道相馬など、それぞれのキャラクターの造形が深く豊かです。
誰も彼も応援したくなるキャラクターで、読者の感情移入の先として確立されています。 これが能京高校だけでなく、他校のライバルチームまでみんな魅力的なので、どの対戦カードも文字通り灼熱のような熱さで展開されるわけです。
良いスポーツ漫画はライバルチームが主人公チームと同じぐらい魅力的なのが常ですが、これは『灼熱カバディ』にもがっつり当てはまります。
また最初は頼りなかったキャラクターが大きな成長を遂げる瞬間や、勝敗によって生まれる喜怒哀楽が見せ場になるのはスポーツ漫画の王道です。
しかし王道だからこそ半端な描写では読者がしらけてしまいます。
これを原作者の武蔵野創さんが毎回見事に伏線をはさみつつ描いてくれるので、読んでいて鳥肌が止まらなくなることがしばしば。ふいに涙腺をぶっ壊しに来るので「その演出はずるいわ……」ってなります。 個人的にはバスケ漫画における『スラムダンク』のように、カバディ漫画の金字塔になり得る物語だと考えています。偉大な先達もたどってきた、そのスポーツ漫画ジャンルにおける先陣を切り開く作品になると。
そんな『灼熱カバディ』が行く道は、まさに前人未踏です。 というわけで以上、ネタと揶揄されるスポーツで描く王道の成長物語『灼熱カバディ』の紹介でした。
現在は負ければ最後の関東大会が進行中。話が進むごとに熱量が増しており、毎試合クライマックス感があるので、速攻で全巻全話読破して追いつきましょう。
『灼熱カバディ』1話の冒頭で、主人公・宵越竜哉が発したこのセリフが、世間一般のカバディに対するイメージかもしれません。 いや、イメージがあればまだ良い方で、そもそも知らない人も多い気がします。あるいは名前を聞いたことがあっても見たことはない。
そんなマイナースポーツのカバディで、『スラムダンク』や『ハイキュー!!』のような王道のスポーツ青春・成長の群像劇を描いているのが、武蔵野創さんによる漫画『灼熱カバディ』です。
武蔵野創による熱すぎるスポーツ漫画『灼熱カバディ』
『マンガワン』『裏サンデー』で連載中の『灼熱カバディ』は、部活動でカバディに打ち込む高校生たちを描いた作品です。2015年から現在まで連載中で既刊18巻。2017年に「WEBマンガ総選挙」に、2020年に「第66回小学館漫画賞」少年向け部門にノミネートされています。
『灼熱カバディ』の熱い魅力
➀未知のスポーツ・カバディの面白さを真正面から描いたこと
➁各チームとキャラクターを立たせる作者の創作力
➂魅力的なキャラクターたちが織りなす人間模様
カバディというスポーツの熱い魅力
まずカバディについて。この競技自体が魅力的だということを伝えたいので、最低限説明させてください。ざっくり言えば「コート内に分かれた2チームが互いの陣地に侵入し、攻守交代制でタッチ数を競う合う」のがカバディです。
得点によってコート内のメンバー数が増減するため、イメージは狭い範囲で行う鬼ごっこ×ドッジボール。 鬼ごっこと違うのは、失点を防ぐために相手を倒すことが許されていること(グーパンとかはダメ)。作中では“走る格闘技”と表現されています。
ちなみに攻撃側が「カバディ」と言えている(息が続く)間のみ攻撃が可能。これが試合中に選手が「カバディ」と言い続けている理由です。 攻撃側はいかに相手にタッチして自陣へ逃げ切るか、そして守備側はそれを許さないか。
この攻防がずっと続くため、試合中は常に緊張状態。一瞬でも気を抜けば大量失点を喫してしまう怖さもあります。
『灼熱カバディ』ではこのスポーツ的な特徴が最大限に活かされており、読む側も緊張を強いられる場面が多々あるのですが、故にビッグプレーが決まった際にキャラクターが見せる感情の爆発がカタルシスを感じさせてくれます。
宵越、王城、井浦...みんな魅力的な『灼熱カバディ』
スポーツ漫画に限らず、応援したくなるキャラクターがいる作品は強いですよね。『灼熱カバディ』はその点でもめちゃくちゃ魅力的です。まず主人公・宵越がスポーツ嫌いで元中学サッカー界のスターというプロフィールがユニーク。
彼を擁する能京高校にはほかにも、体格的なハンデを不断の努力で克服し、押しも押されぬエースにのし上がった王城正人や、天賦の才を持つ同世代に置いていかれても絶対に諦めず、チームの力を最大限に活かすことで勝利を目指す井浦慶がいます。 ほかにも怪我で打ち込んでいた野球を諦めくすぶっていた伊達真司、カバディをはじめるまでは打ち込むものがなく喧嘩に明け暮れる不良だった水澄京平、僻地にいたためスポーツ的な競争とは無縁だった畦道相馬など、それぞれのキャラクターの造形が深く豊かです。
誰も彼も応援したくなるキャラクターで、読者の感情移入の先として確立されています。 これが能京高校だけでなく、他校のライバルチームまでみんな魅力的なので、どの対戦カードも文字通り灼熱のような熱さで展開されるわけです。
良いスポーツ漫画はライバルチームが主人公チームと同じぐらい魅力的なのが常ですが、これは『灼熱カバディ』にもがっつり当てはまります。
スポーツ漫画の王道展開を描き切る武蔵野創の創作力
この魅力的なキャラクターたちが織りなす人間模様が、この作品最大の魅力かもしれません。火花を散らすライバル関係、激しいポジション争い、引退する先輩と後を託される後輩など、目が離せない展開が続きます。また最初は頼りなかったキャラクターが大きな成長を遂げる瞬間や、勝敗によって生まれる喜怒哀楽が見せ場になるのはスポーツ漫画の王道です。
しかし王道だからこそ半端な描写では読者がしらけてしまいます。
これを原作者の武蔵野創さんが毎回見事に伏線をはさみつつ描いてくれるので、読んでいて鳥肌が止まらなくなることがしばしば。ふいに涙腺をぶっ壊しに来るので「その演出はずるいわ……」ってなります。 個人的にはバスケ漫画における『スラムダンク』のように、カバディ漫画の金字塔になり得る物語だと考えています。偉大な先達もたどってきた、そのスポーツ漫画ジャンルにおける先陣を切り開く作品になると。
そんな『灼熱カバディ』が行く道は、まさに前人未踏です。 というわけで以上、ネタと揶揄されるスポーツで描く王道の成長物語『灼熱カバディ』の紹介でした。
現在は負ければ最後の関東大会が進行中。話が進むごとに熱量が増しており、毎試合クライマックス感があるので、速攻で全巻全話読破して追いつきましょう。
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