小学館の名作漫画セールがKindleストアで開催中。対象作品は最大で51%ポイントが還元されるため、実質半額です! 期間は11月21日(木)まで。
今回は、説明不要の傑作『からくりサーカス』をはじめ、TVアニメ化も話題の『チ。―地球の運動について―』『葬送のフリーレン』『薬屋のひとりごと』など8作品をピックアップ。
名作から最近名前を聞く機会が多い旬な作品まで、今回のセールで読みはじめると得した気分になれる作品を紹介。読書の秋……をすっ飛ばして冬の寒さがやってきそうな今日この頃。
新たな読書体験のスタートの参考に活用してください。
目次
藤田和日郎『からくりサーカス』
『うしおととら』で知られる藤田和日郎さんの代表作『からくりサーカス』。
莫大な遺産を相続し親族から狙われる少年・才賀勝が主人公。勝と、彼を守るため戦う拳法家・加藤鳴海、人形遣いの女性・しろがねが織りなす物語が描かれます。
過去と現在をつなぐ演出や伏線の張り方が卓越しており、緻密かつ大胆な構成に唸ること間違いなし。少年漫画史に残る傑作と言って間違いないでしょう。未読の方はこの機会にぜひ一気読みを!
魚豊『チ。―地球の運動について―』
NHKでTVアニメが放送中の『チ。―地球の運動について―』は、次々と話題作を手がける魚豊さんの代表作。天動説が常識として広まる15世紀のヨーロッパ某国を舞台に、作中で異端とされる地動説の証明に命を懸けた有志たちの姿が描かれました。
季節によって見え方が様々に変わる天体の様子さながら、様々な立場で天動説のために奔走する人々。見方によっては狂信的ですらある信念の強さに痺れます。
何かに熱狂する人間を描かせたら随一──魚豊さんの真骨頂が味わえます。
山田鐘人/アベツカサ『葬送のフリーレン』
魔王を討伐するのではなく、倒した後の世界を舞台とする後日譚ファンタジー『葬送のフリーレン』。英雄たる勇者一行の中でも長命なエルフの魔法使い・フリーレンが、老いていく仲間の姿に感化されて、知ろうとしていなかった“人間を知るための旅”に出ます。
新たな仲間と出会い交流していく旅の果てで、フリーレンが何を思い至りどこにたどり着くのか。そして、TVアニメ第2期はいつから放送されるのか? 発表が待ち遠しいです。
日向夏/倉田三ノ路/しのとうこ『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』
同名小説のコミカライズとして人気を博す『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』。
もともと花街で薬師として働いていた少女・猫猫(マオマオ)が、人さらいにあい中華風帝国の後宮で下働きすることに。しかし猫猫は人生一変の大事件にもうろたえず、むしろ興味津々で宮中を楽しむ余裕を見せる頼もしい主人公です
やがて、薬学の知識を持ち修羅場でも物怖じしない性格を買われたマオマオ。その洞察力や推理力で謎を解決しながら、陰謀だらけの宮中であらゆる事件に巻き込まれていくミステリーが展開します。
コトヤマ『よふかしのうた』
『よふかしのうた』は、なんとなく学校に行くのが面倒になった不登校少年・夜守コウが、吸血鬼の七草ナズナと出会い広い世界を知っていく物語です。
ナズナと夜な夜な町へ繰り出すコウは、教師が学校の外では意外とフランクなことを知ったり、仕事に疲れ果てた会社員など様々な大人と知り合ったりします。
彼らと話すことで、学校というレールから外れて見た世界は存外適当で自由だった──。この開放感を描く秀逸な序盤と、恋物語としても開花していく中盤〜後半の読み味、どれもが最高。個人的にも大好きな漫画なので全力でオススメ。今すぐ読んで!
松木いっか『日本三國』
社会不安やパンデミックが重なり国家として崩壊、文明レベルが明治時代ほどにまで後退した近未来の日本を舞台とする『日本三國』。3つの勢力に分断された日本を再び統一するために、主人公の青年・三角青輝(みすみ あおてる)が立ち上がります。
もとは農業に携わる一介の公務員に過ぎなかった青輝が、後に奇才軍師と呼ばれる未来へ繋がる序章の1話がとにかく完璧。ここだけでも読んでほしい。
続く物語も決めゴマはバッチバチにカッコいいし、キャラクターも全員もれなく魅力的。めちゃくちゃ面白い。いま一番面白いまである。
波切敦『レッドブルー』
12月17日(火)より実写ドラマが放送開始となる『レッドブルー』は、総合格闘技(MMA)を題材にした漫画です。
次代の主役と目される同級生のスターに、一方的に執念を燃やす陰気な少年を主人公に据える一風変わった設定が持ち味。素人かつ体格にも恵まれない主人公・鈴木青葉が、執念をもとに励みファイターとして頭角を現します。
試合に勝つため非情とも言える選択を取れる青葉は見た目も性根も全く爽やかではなく、少年漫画の主人公としても異端ですがそれが良い。1人の格闘家として実に真っ当な姿勢が魅力的に描写されます。
鍋倉夫『路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜』
もはやあちらこちらで紹介され、読んだことないけど目にしたことはあるという人、多いのではないでしょうか? 冴えないおじさんの主人公・フジイが、読み進めるごとにかっこよく見えてくる漫画『路傍のフジイ』です。
40代で未婚、非正規社員で優れた技能を持っているわけでもない。社会的に評価される何かを持っていないフジイは、一方で何事も楽しむ好奇心を持ち、自分の良いものを良いと言える快い人物です。
何より本人が全く捻くれていない。泰然自若を体現するかのごとく、ありのままで生きている。その姿に励まされる。ちょっと人生に迷ったり疲れたりしているという人に、これ以上ない処方箋になる漫画かもしれません。
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