今、漫画界で最も弁が立つ男が主人公!
年数百の漫画を読む筆者が、時事に沿った漫画を新作・旧作問わず取り上げる本連載「漫画百景」。第二十三景目は『日本三國』です。
文明が崩壊し三国に分裂した近未来の日本の戦国時代を、緻密な設定と大胆な発想で描く戦記漫画となります。
10ヶ月の休載を経て、3月27日に待望の連載再開。新章が始動した本作を、今読むべき漫画として紹介します。
松木いっか原作、マンガワンで連載中の『日本三國』
『日本三國』は松木いっかさんによる漫画。小学館の漫画アプリ・マンガワンで2021年11月24日に連載開始。現在4巻まで刊行されています。
本作は令和末期に衰退の一途を辿っていた日本が、世界核大戦の影響や相次ぐ震災によって社会不安の極限に到達。堕落する政治家らへの不満が爆発した民衆の大規模蜂起によって、ついに国家としての形を維持できず、事実上の滅亡を迎えます。
その後、軍閥が割拠する戦乱の世を経て──西国の大和、東国の武凰、北国の聖夷──三国に分かれた旧日本国が舞台です。
もともと隔週連載でしたが、2023年1月に作者・松木いっかさんの健康上の事情を理由に、連載形態を変更を発表。章毎の集中連載を採用しています。
そして前述の通り3月27日から新章「平家追討編」が開幕。担当編集者・千代田修平さんのXの投稿によると、週刊連載とのこと。毎週水曜に最新話が更新中です(水曜日がめちゃくちゃ楽しいです。ありがとうございます)。
三国時代を終わらせ、日本の再統一を目指す
『日本三國』の主人公は、東国・大和の田舎で農業に従事する15歳の少年・三角青輝(みすみあおてる)。幼い頃から日本の文化や兵法書まで、広く雑多に知識をため込んできた頭でっかちの理屈屋で変わり者。地図をつくるのが趣味で、ものの判断基準は合理的かどうか。
彼は自分とは正反対の、激情家で感情を優先する東町小紀(ひがしまちさき)と夫婦であり、彼女との平穏な生活を守ることを第一に考えています。小紀はそんな彼を愛おしく思いつつ、農業ではなく戦場でこそ蓄えた知識を活かせると考えており、青輝が日本を再統一し、泰平の世を築くこともできると語りかけるのです。
妻の根拠のない大言に呆れる青輝ですが、彼は後に日本再統一と泰平の世を目指して動き出すことになります。経緯は1話にまるっとまとまって描かれているので、未読の方は今から速攻でマンガワンを立ち上げて読んでみてください。ぶち上がるはずです。
では、以下からネタバレ全開でお送りします。
繰り返しになりますが、未読の方はマンガワンへどうぞ。1話の秀逸なプロローグっぷりを味わってほしいです。
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連載
テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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