独断と偏愛による「漫画大賞2022」年に数百冊読む筆者が選ぶヤバかった漫画

この記事は、年間数百冊の漫画を読む筆者の独断と偏愛による漫画大賞2022です。

2022年に完結した作品、年内に1巻が発売された新作、今年の個人的偏愛漫画／Webtoon。

以上のテーマ別にオススメの漫画をピックアップしてみました。

なお、2022年の「このマンガがすごい！」「マンガ大賞」「次にくるマンガ大賞」のTOP10に入った作品は外しました。

泣く泣く外した『これ描いて死ね』『天幕のジャードゥーガル』『メダリスト』も激推しです。ぜひチェックしてみてください！

目次

• 1. ベスト完結作品『ひめちゃんは重い女』
• 2. ベスト新作『日本三國』
• 3. 個人的偏愛漫画『好きな子がめがねを忘れた』
• 4. 個人的偏愛漫画『アルテ』
• 5. 個人的偏愛Webtoon『氷の城壁』

ベスト完結作品『ひめちゃんは重い女』

女が好きな女・ひめちゃんこと姫乃と、その彼女・夜の日常を描いた『ひめちゃんは重い女』。

姫乃の“愛の重さ”を自虐的に描いたコメディ色強めの前半と、セクシュアリティのあり方に問いを投げかける後半のコントラストが強烈です。

単なる日常系ラブコメディではないので、そういう作風を求める方にはオススメできませんが、人と人とがわかり合うことの難しさやその尊さに向き合った、非常に挑戦的な終わり方になっていました。

人それぞれの価値観と愛の形を考える恋愛漫画として、2022年で最も深く突き刺さった作品として、ベスト完結作品に挙げさせていただきます。

ベスト新作『日本三國』

民衆による武力革命で三つの国に分かれた近未来の日本を舞台に、三国の統一を志す青年・三角青輝の立身出世を描いた『日本三國』。

三カ国の一角・大和で農業に従事していた三角が、なぜ“日本統一”の壮大な野望を抱くことになるのか。プロローグとなる第1話の出来が秀逸なので一気にハマります（外部リンク）。

その後、大和の辺境を管轄する将軍への仕官からはじまり、各国の思惑が渦巻く戦国時代らしい骨太のストーリーが開幕。

腐敗した内政の戦いも同時に進行するなど、息をつく暇もない展開で読ませます。本作が連載されているアプリ「マンガワン」では常に1話が無料で読めるので、まずは一読を。

個人的偏愛漫画『好きな子がめがねを忘れた』

初々しい中学生の男女が織りなす致死量超えの尊さがヤバい。そんな漫画『好きな子がめがねを忘れた』を、2022年に個人的偏愛作品に挙げたいと思います！

思春期真っ盛りの男の子・小村くんと、いっつも眼鏡を忘れちゃう女の子・三重さん。

学校で隣の席に座る2人が、おっかなびっくり関係を深めていくピュアな恋物語なのですが、2022年は2人の関係がどんどん深まる展開が続きました。

「もうたまらんですわ。降参です、どうにでもしてください」ってなりました。尊死。読後の脳内があまりに幸せいっぱいなので、「もはや万病に効くのでは？」と筆者のなかで噂されています。

卒業が近づきつつあり、完結もそろそろ……？ な雰囲気。というわけなので、ぜひぜひ読んでほしい！ 好き！

個人的偏愛漫画『アルテ』

もう一つの個人的偏愛漫画『アルテ』も紹介させてください。甲乙つけがたく、2作選ばせていただきました。

本作は、貴族の出でありながら画家を志し、茨の道を行く少女・アルテの波乱万丈を描いた漫画です

舞台は16世紀のイタリア・フィレンツェ。女性が1人で生きていくことが今では考えられないほど難しかった時代です。

にも関わらず、母の反対を振り切り家を飛び出したアルテは、紆余曲折を経てレオという最良の師に出会い、彼のもとで着実に力を付けていきます。

2022年の連載分では、レオとアルテの師弟愛とも恋愛ともまた違う、2人だけの特別な関係が丁寧に描写されるエピソードが続きました。クライマックスも近そうで、盛り上がりも最高潮。こちらもぜひ。

個人的偏愛Webtoon『氷の城壁』

最後は『正反対な君と僕』でも知られる阿賀沢紅茶さんのWebtoon『氷の城壁』です。

中学時代の苦い経験から高校では1人で過ごしている小雪。誰にでも気さくだけれど心の奥の矛盾に気づいていないミナト。

周囲に、とある思いを隠し続けている学校の人気者・美姫。穏やかで誰もが認めるいいヤツだけど闇を抱える陽太。

この4人を中心にしたお話なのですが、10代特有の不安定な心を描くのが上手すぎる。巧みの極み。ここまで等身大の青春物語はなかなかお目にかかれません。

フルカラーで描かれるポップなキャラクターもさることながら、デフォルメのセンスも最高です。

タイミングの良いことに、「めちゃコミック」で新年1月4日（水）10時まで1話〜48話が無料公開されています。読むしかないが？