8月28日に発表された「次にくるマンガ大賞2024」で、見事1位を勝ち取った話題作!
そして、『週刊少年ジャンプ』(集英社)の次期看板作品の一つと目されている作品『カグラバチ』をご存知でしょうか。
ジャンプ伝統のバトル漫画として同誌を牽引してきた『僕のヒーローアカデミア』と『呪術廻戦』が、立て続けに連載終了。大黒柱として君臨する『ONE PIECE』も最終章にあり、転換点を迎えるジャンプで次代を担うと期待を集めている漫画でもあります。
というわけで、年間数百タイトルの漫画を読む筆者による連載「漫画百景」。第五十二景目は、外薗健さんによる『カグラバチ』です。今回は、海外のファンからも熱い視線を浴びる本作の魅力を解説します。
海外でも大反響 外薗健の連載デビュー作『カグラバチ』
『カグラバチ』は、作者・外薗健さんの連載デビュー作として、2023年9月から『週刊少年ジャンプ』で連載中の日本刀バトルアクション漫画です。
強大な力を宿した妖刀を生み出せる刀匠の父を殺害された主人公・六平千鉱(チヒロ/ろくひらちひろ)が、復讐のために戦う物語です。
「少年ジャンプ+」編集部が運営する海外向けの漫画アプリ「MANGA Plus by SHUEISHA」で第1話が公開されると、並み居る作品を押しのけて、1週間後には世界閲覧数1位を記録。作品全体では1億PVを超える反響を集めました。
前述した通り、ユーザー投票で順位を決定する「次にくるマンガ大賞2024」のコミックス部門では見事1位に。2位以下を大きく突き放す10万1836ポイントを獲得した背景には、海外からの投票も多かったのかもしれません(2位は3万3033ポイント)。
剣戟アクションが冴えわたる! 漫画『カグラバチ』のあらすじ
『カグラバチ』の舞台は、自衛の手段として帯刀が許された日本。ただし、刀は治安を悪化させる要因でもあり、作中ではヤクザが武力によって大衆を支配する光景がたびたび描かれます。
この社会で当のヤクザや大企業の上役が、より強力な自衛の手段を求めて雇うのが妖術師と呼ばれる能力者。様々な異能を持つ妖術師は、かつては表舞台に立つことがない幻の存在として囁かれる程度でした。
しかし、斉廷戦争と呼ばれる大戦で活躍したことで状況は一変。一般人の知るところとなります。
この斉廷戦争では、主人公・チヒロの父親・六平国重(ろくひらくにしげ)がつくりだした6本の妖刀が絶大な力を発揮。国重は戦争を終わらせた英雄として称えられました。一方で、戦時では貴重な軍事力の妖刀も、平時では社会を脅かす驚異と成り得ます。
妖刀の存在は国重本人と共に秘匿されました……が、なぜか国重と妖刀の所在が妖術師の組織・毘灼(ひしゃく)に漏れ、国重は殺害されます。妖刀はすべて強奪。一人残されたチヒロは毘灼への復讐を誓い、父の遺作で7本目の妖刀・淵天(えんてん)を携えて動き出します。
と、ここまでが『カグラバチ』のいわば序章。『週刊少年ジャンプ』の次期看板作品と目される本作について、最新3巻までのネタバレありで紹介していきます。未読の方はご留意ください。
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連載
テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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