読者投票によって、ブレイクが期待される漫画を表彰するKADOKAWAグループの漫画賞「次にくるマンガ大賞2024」。
その結果が8月28日(水)の19時からニコニコ生放送で行われる発表会で明らかになります。
今回のエントリー総数は、コミックス部門とWebマンガ部門を合わせて8212作品! その中から受賞候補としてコミックス部門40作品とWebマンガ部門60作品が選出されており、約52万もの投票のもと受賞作品が決定します。
『【推しの子】』『僕の心のヤバイやつ』『SPY×FAMILY』『僕のヒーローアカデミア』など、錚々たる作品が1位を勝ち取ってきたこの漫画賞で、栄えあるトップとなるのはどの作品なのか?
当たるも八卦当たらぬも八卦ということで、年間数百タイトルの漫画を読む筆者が予想してみます。
本命の作品以外に、上位に食い込みそうな注目作も紹介しているのでぜひ読んでみてください!
筆者の予想
【コミックス部門】
本命:カグラバチ
対抗:ねずみの初恋
【Webマンガ部門】
本命:ふつうの軽音部
対抗:ケントゥリア、ニセモノの錬金術師
目次
コミックス部門の本命は外薗健の『カグラバチ』
コミックス部門の個人的本命は、外薗健さんによる連載デビュー作『カグラバチ』です。
かつて起こった戦争で日本の勝利に大きく貢献した“妖刀”。これをこしらえた救国の英雄で刀匠の父に憧れる少年・六平千鉱(ろくひらちひろ)が主人公の物語になっています。
主人公の父は、妖刀を奪いにきた何者かによって殺害。さらに、封印されていた6本の妖刀が行方不明になります。主人公が父の仇を討つために新しい妖刀をつくり上げ、復讐に動き出す……というあらすじ。
現代的な日本で前時代的な刀による剣戟、摩訶不思議な妖術が飛び交う作風は和風のダークファンタジーとして秀逸。単純に読んでいてワクワクします。初連載とは思えぬほど完成された作画も見所です。
奇しくも掲載誌『週刊少年ジャンプ』では、バトル漫画として長年同誌を牽引してきた『僕のヒーローアカデミア』の連載が終了し、『呪術廻戦』も残り数話で完結することが発表。
さらには『ONE PIECE』も、そう遠くないうちに完結することが示唆されている昨今、新たな看板漫画が求められています。
この時勢の後押しもあり、今後のジャンプを背負っていけるだけのポテンシャルを秘めた『カグラバチ』が、「次にくるマンガ大賞2024」のコミックス部門で1位となるのではないでしょうか。
ヤンマガで最も売れている作品と喧伝された『ねずみの初恋』
忘れちゃいけないのが、大瀬戸陸さんが手がける漫画『ねずみの初恋』です。
殺し屋として幼い頃から殺しの技術を叩き込まれた少女・ねずみと、彼女に一目惚れしてしまった一般人の少年・碧(あお)による、血なまぐさい恋物語になっています。
ねずみはヤクザお抱えの殺し屋であり、いつ何が起こってもおかしくない立場にいます。例えば仕事に失敗して消されるなんてことがあっても不思議じゃありません。
決して表舞台では生きることができないねずみと、彼女に惹かれるあまり裏稼業の世界にずぶずぶと落ちていく碧。どう考えても先行きの暗い2人が幸せになれる未来はくるのか、続きが気になってしょうがない……!
良い意味で仔細を省くダイナミックな展開に加えて、迫力のある見開きや大胆な構図の描画も本作の魅力です。
掲載誌の『週刊ヤングマガジン』で今最も売れている作品と喧伝されるほどの話題性があり、勢いそのまま「次にくるマンガ大賞2024」を獲ってもおかしくありません。
以前本作がヤンマガで最も売れるほど反響を呼んだ理由を考えたレビューを公開しています。
より詳細に本作の面白さを解説しているので、こちらもぜひチェックしてみてください。
上位には『だんドーン』『ドッグスレッド』『路傍のフジイ』もくると予想
『カグラバチ』『ねずみの初恋』の他にも上位に入ってくるであろう作品は複数あります。
例えば『カグラバチ』と共に次代のジャンプを担うであろう『鵺の陰陽師』や、『ねずみの初恋』と同じ『週刊ヤングマガジン』で連載中の『ヤニねこ』がそうです。
特に後者は公式Xでも公開中で、投稿が毎回反響を集めているため、ユーザー投票による「次にくるマンガ大賞」では票数に直結します。前回の12位を超えられるか。
また、すでに代表作がある漫画家たちの新作も多数ノミネートされています。『ハコヅメ ~交番女子の逆襲~』が大ヒットした泰三子さんの歴史もの『だんドーン』。
『ゴールデンカムイ』で一世を風靡した野田サトルさんによる『ドッグスレッド』は確実に上位にくるはずです。
他には『べるぜバブ』で知られる田村隆平さんによる『COSMOS』、『モブサイコ100』『ワンパンマン』のONEさんが原作をつとめる『バーサス』、『シドニアの騎士』などの弐瓶勉さんによる『タワーダンジョン』などもノミネート。
また、TVアニメ化が決定した『まったく最近の探偵ときたら』の五十嵐正邦さんによる『真夜中ハートチューン』などもノミネートされており、まさに群雄割拠です。
個人的には、前作『リボーンの棋士』に続いて胸に響く人間ドラマを描いた、鍋倉夫さんの『路傍のフジイ』がイチオシ。レビューも書いているので、よければチェックしてみてください。
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