「4月からの新作アニメーション!?」とも思ったのですが、日本工学院八王子専門学校の卒業制作でつくられた個人制作のアニメーション作品でした。
「エールフォーユー OP映像」はアニメーターの本田舞波(ほんだ3)さんが個人で制作した映像作品。
オープニング風の1分30秒ほどの構成の中に、生き生きとしたアニメーションや、ラフ画やドット絵風のカットなど実験的な試みも盛りだくさんに取り入れられています。
17歳から商業アニメ制作に携わるアニメーター・本田舞波(ほんだ3)
本田舞波(ほんだ3)さんは、SNSをきっかけに17歳からTVアニメやMVの制作に携わるアニメーター。
2021年放送のTVアニメ『ワンダーエッグ・プライオリティ』ではLO/原画と第2原画を担当。2024年の映画『トラペジウム』では作画監督をつとめ、版権イラストの制作にも携わっています。
以降も『呪術廻戦』『ぼっち・ざ・ろっく!』『逃げ上手の若君』の原画に参加。日本工学院八王子専門学校の卒業後はフリーランスのアニメーターとして、アニメ制作スタジオ・CloverWorksの作品をメインに参加する予定です。
卒業展で展示もおこなったというほんだ3に、今回の卒業制作アニメーションで意識したこだわりをうかがいました。
アニメの枠を越えた表現に挑んだ卒業制作は「初挑戦の嵐」
──今回の卒業制作アニメで意識した点はどこになりますか?
本田舞波(ほんだ3) アニメの「オープニング映像」っぽさにこだわりました。
ストーリーを見せる予告のような映像よりも、楽しいイメージを伝える方が得意なので、今回オープニング風の映像をつくることを意識しました。
よくあるサビ前の盛り上がりや、ラスサビでのちょっとボスっぽい雰囲気とかが描いていて楽しかったです。
アニメのオープニングを意識させるカットの数々/画像はYouTubeのスクリーンショット
──卒業制作のアニメーションでは、ドット絵調のカットやラフ画のようなカットなど様々な演出が登場します。こうした表現はどのように思いつかれましたか?
本田舞波(ほんだ3)『 新世紀エヴァンゲリオン』でアナログ原画をメタ的に表現するような、アニメの枠を越えた表現が好きなので、初挑戦の嵐でしたが色々と入れてみました。
見ていて飽きない、楽しい映像にできたらと思い、大ラフの段階からいろいろと考えていました。
ほんだ3の卒業制作アニメーションに登場するラフ画のようなカット/画像はYouTubeのスクリーンショット
──ほんだ3が影響を受けたアニメ、尊敬するアニメーターはどなたでしょうか?
本田舞波(ほんだ3)『 モブサイコ100』や『SSSS.GRIDMAN』『プロメア』が大好きで、とても影響を受けました。
尊敬しているアニメーターはすしおさん、亀田祥倫さん。金田パース(※)表現に加えて柔らかい動きが魅力的で、とても尊敬しています。
※アニメーターの金田伊功さんが編み出した「あえてパースを歪ませ誇張する事でダイナミックさを表現する」手法のこと。
ほんだ3の卒業制作アニメーションの一場面/画像はYouTubeのスクリーンショット
卒業展では自作のタペストリーやシナリオブックなども展示
──卒業展で展示もされたようですが、来場者からの反応はいかがでしたか?
本田舞波(ほんだ3) 「これを1人でつくったんですか?」という質問を多くいただけたことが嬉しかったです。
卒業展では、映像以外にも自作のBlu-rayパッケージやタペストリー、Webサイトやシナリオブックなども展示しました。手を動かし続けてきて良かったなと思いました。それと「YouTube見ました」というお客様も結構いたことが嬉しかったです。
──卒業展での展示ブースは、どこにこだわりましたか?
本田舞波(ほんだ3) 世界観に没入してもらえるような展示方法にこだわりました。
初期構想では横幅2メートル程度の展示想定でしたが、大きくキービジュアルを見せたり、真ん中に映像を持ってきたりすることで、立ち止まって見て貰おうと考えて、教員方と相談を重ねて5メートルの大きなブースを確保して展示させていただきました。
本田舞波(ほんだ3) 自作のWebサイトやシナリオブックは実際に手にとって見て貰えるような展示にしたため、たくさんのお客様を集めることができて良かったです!

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