『ぼっち・ざ・ろっく!』に『ガールズバンドクライ』、そして8月30日(金)から公開の映画『きみの色』──最近のアニメや漫画におけるブームはバンドもの!
そう言っても過言ではないほど、話題作が相次いでいます。
そんなジャンルにおいて、次を担うであろう作品の一つが、今回取り上げる漫画。福田宏さんによる『ロックは淑女の嗜みでして』です。
お嬢様にバンドという定番同士の組み合わせたに、異端の要素、ボーカル不在の“インストバンド”を混ぜ合わせ、独自色を出しています。
というわけで、年間数百タイトルの漫画を読む筆者による連載「漫画百景」第五十一景目は、アニメ化が決定し、ますます注目を集めそうな“ロックレディ”こと『ロックは淑女の嗜みでして』の魅力を解説します。
TVアニメ化決定! 福田宏のバンド漫画『ロックは淑女の嗜みでして』
『ロックは淑女(レディ)の嗜みでして』は、2022年10月から白泉社のコミック誌『ヤングアニマル』で連載中のバンド漫画です。
お嬢様学校に通う学生たちが織りなす青春バンド物語で、記事公開時点の既刊は5巻。作者は、『常住戦陣!!ムシブギョー』『5分後の世界』(共に小学館)などを手がけてきた福田宏さんです。
2024年7月にTVアニメ化が発表。放送は2025年を予定しています。
お嬢様に成り上がった元庶民の主人公が、隠れてロックバンドに打ち込む
『ロックは淑女の嗜みでして』の主人公は、名門お嬢様学校に通う高校生の鈴ノ宮(すずのみや)りりさ。可憐な容姿と気品のある所作で、同級生たちの羨望の的になっています。
しかし、生まれは庶民の家の子で、母親が不動産王と再婚したことで上流階級に転身した身の上。血のにじむ努力でテーブルマナーや身分に見合った所作を身に着けた努力家です。
いわゆる成り上がりのため、鈴ノ宮家の親族等から圧力をかけられている母を守るために、りりさは学校に最も貢献した者に与えられる名誉の称号・“高潔な乙女(ノーブル・メイデン)”を目指して努力しています。
庶民の音楽として下に見られているロックミュージック、大好きなギターへの情熱を必死で抑え込み、母のために生きています。
鈴ノ宮りりさと黒鉄音羽、ギタリスト&ドラマーが学校にバレずにフジロック出場を目指す
そんなりりさの前に現れたのが、政界の重鎮の娘・黒鉄音羽(くろがねおとは)。容姿端麗で品行方正。見る者を一瞬で魅了する生粋のお嬢様です。
反面、普段の麗しい姿に似つかわしくない情熱的なドラマーでもあり、人気のない旧校舎の一室で一心不乱にドラムを叩く彼女とりりさは邂逅。
りりさは音羽の挑発に乗ってセッションすることになり、ギターへの情熱が再燃。音羽とバンドを結成します(その後2人が加入、バンド名はロックレディ)。
母はもちろん、学校関係者にも絶対にバレてはいけないバンドのこと。本作はりりさが秘密を抱えながら、目標である野外フェス「フジロック」出場と、ノーブル・メイデン獲得のために奮闘する物語です。
それでは、以下からネタバレありで『ロックは淑女の嗜みでして』の内容触れていきます。未読の方はご留意ください。
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連載
テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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