VRゲーム開発会社のMyDearest株式会社が2025年6月2日(月)、約3.3億円を調達したことを発表した。本資金調達により同社の累計資金調達額は28億円超となる。
今回の資金調達には、株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ、アイザック株式会社、株式会社朝日新聞社、阿波銀キャピタル株式会社および他1社が参加。さらに、株式会社朝日新聞社との資本業務提携を締結し、協業を進めていくことが明らかになった。
資金調達および朝日新聞社との資本業務提携を発表/画像はMyDearestプレスリリース画像より
「8番出口VR」「アルトデウス: BC」など話題作を手がける
MyDearestは、オリジナルIPのVRゲームを中心に開発を行うゲーム開発会社。2016年に設立以来「VR発のIPカンパニー」をビジョンに掲げ、オリジナルVRゲームの開発、パブリッシング、さらにはVTuberやゲーム開発者に向けたモーションキャプチャースタジオの貸出、VRChatワールドの制作など幅広い事業を行っている。
VRミステリーアドベンチャーゲーム「クロノスユニバース」シリーズの1作『ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス:BC)』は、国内最大級のユーザー投票型ゲームアワード「ファミ通・電撃ゲームアワード2020」にて、VRゲームとしては初となるアドベンチャー部門を受賞。
最近では、インディーズホラーゲーム「8番出口」のVR版ソフトおよびVRChatワールド「8番出口VR」を公開したことでも話題を呼んだ。
北米のα世代向けVRゲームを軸にIP展開を強化
今回の資金調達の目的について、同社はプレスリリースにて「北米のα世代向けのVRゲームを軸としたIP展開の強化」および「企業向けVR/MRソリューション提供・コンテンツ制作の事業拡大」を挙げた。
α世代とは、2010年代序盤から2020年代中盤にかけて生まれた世代を指すマーケティング用語。VRデバイス「Meta Quest」シリーズの主なユーザー層は、北米のα世代とされている。実際に、同社が直近にリリースした3タイトルにおいて、全世界累計プレイヤーのうち約7割が米国のユーザーであったとのことだ。
同社は、今回の資金調達により、米国のα世代に届けるためのコンテンツパイプラインをより強化し、2025年内に10本以上のタイトルをリリースするという。
また、VRChatワールドの構築をワンストップで手かげる「VRあそび事業部」(外部リンク)の事業拡大を図るほか、企業や自治体向けのVRコンテンツ作成、ソリューション提供にも力を入れていく。
朝日新聞社との資本業務提携
今回の資金調達には、朝日新聞社との資本業務提携も含まれる。朝日新聞社は過去に、2017年時点で日本の全国紙に先駆けてVRを使用した報道「NewsVR」をリリースしたり、「朝日VRアワード」を開催したり、最近では認知症フレンドリープロジェクトの一環として「VRでわかる認知症基礎講座」を全国で展開するなど、VR/MRに関する取り組みを積極的に行ってきた。
朝日新聞社が手がけるニュース配信アプリ「NewsVR」/画像は公式ページより
MyDearestは今後、朝日新聞社と様々な取り組みを行なっていく。
朝日新聞社グループが保有するIPを活用したVR/MRコンテンツや製品の共同研究・開発や、教育・観光・文化などに関する共同研究・開発、さらに、将来的な報道事業におけるXR技術の活用を見据えた研究・開発などの取り組みを実施していくとしている。

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