YouTubeが12月17日(現地時間)、米・Billboardが発表する音楽チャートに対し、再生データの提供を終了すると発表した。
公式ブログによると、2026年1月16日(金)以降、YouTubeにアップロードされているMV等の再生回数は米国のBillboardチャート算出に使用されなくなる。
この決定は、Billboard側のチャート算出方法、特に広告付きストリーミング(無料視聴)の扱いをめぐる見解の相違が背景にあるという。
YouTube、Billboardのチャートへの重み付けを問題視
YouTubeの音楽部門責任者であるLyor Cohenさんは公式ブログでBillboardの現行ルールについて「時代遅れの計算式を採用している」として批判(外部リンク)。
有料サブスクリプションのストリーミングを無料/広告付きストリーミングより重視し、無料視聴は相対的に低く評価されていると説明した。
その上で「すべてのストリーミングが公平かつ平等にカウントされること」を求めたものの合意に至らなかったと内実を明かしている。
Billboard側もYouTubeに対して反論
一方、Billboard側も自社メディアを通じて、算出基準の正当性を強調(外部リンク)。
12月16日に、有料ストリーミングと広告付きストリーミングの重み付けの比率を、従来の1:3から1:2.5に縮小したことについて「消費者行動の変化とストリーミング業界における収益増加をより適切に反映するため」と説明。
消費者のアクセスや収益分析、データ検証、業界ガイドラインなど、様々な要素をバランスよく考慮しながら、ファンの行動を適切に評価するよう努めていると、算出基準への理解を求めた。
重要な指標として利用されてきたYouTubeの再生データ
YouTubeの再生データは、2013年以降、Billboardチャートの重要な指標として利用されてきた。
以降、特にMVの再生回数がアーティストの人気を可視化し、チャート上の順位を大きく左右してきた。
YouTubeは、独自の「YouTube Charts」をすでに展開しており、今後はBillboardとは異なった視点からの人気の可視化が進む可能性もある。
なお、YouTubeの声明では米国のBillboardチャートのみに言及しており、Billboard JAPANへのデータ提供がストップされるのかは現時点では明らかとなっていない。
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