毎年夏と冬に開催される同人誌即売会「コミックマーケット」が東京ビッグサイトで開幕した。8月11日(日・祝)〜12日(月・振替休日)にわたり、1日あたり十数万人の来場を見込んでいる。
104回目となる夏コミでは、およそ2万4000のサークルが参加。アニメ、漫画、ゲームなど様々なジャンルの同人誌や作品を展示・頒布する。
例年の酷暑に加え、台風5号の接近(上陸は東北の見込み)や南海トラフ地震の可能性と、直前になって自然災害のリスクが浮上。
参加者から「地震のリスクは少し気がかり」との声も聞かれる中で、コロナ禍での試行錯誤を経て新たなスタンダードを構築した「コミックマーケット104」(C104)の幕が上がった。
コミケ入場にはチケット/リストバンド型参加証が必要
コロナ禍では、1975年の初開催から50年近い歴史の中で、初の中止を経験した「コミックマーケット」。今回は、そうした厳しい環境下での様々な試行錯誤を経た、前年の「C102」「C103」の開催形態を継続する。
会場内の安全確保の観点から、入場には有料のチケット/リストバンド型参加証を用いて来場者数を制御。アーリー入場、午前入場、午後と、複数の入場チケットが用意されている。
一方で、来場者数の上限は設けず、午後も入場を継続。ただし、コロナ禍前に存在したチケットなしで入場可能な「フリー入場」はない。入場するにはチケット/リストバンド型参加証の購入が必要となる。
なお、チケットは当日も会場外の販売所でも販売されている。
南海トラフ地震を巡ってSNSでは参加辞退の表明も
開催直前に浮上した台風や南海トラフ地震のリスク。特に後者を巡っては、SNS上で、地震発生の可能性を受けて参加辞退を表明する参加者も。
ただし、会場である東京ビッグサイトがある東京都江東区は、南海トラフ地震臨時情報に対して注意が必要なエリア(南海トラフ地震防災対策推進地域)に含まれていない(外部リンク)。
台風については、「コミックマーケット」はこれまで何度も経験している。2022年8月に開催された「コミックマーケット100」も、コロナ禍に加えて台風接近という状況下で、無事記念すべき100回目を終えた(関連記事)。
「コミックマーケット」を運営するコミックマーケット準備会が公開している諸注意(冊子版カタログにも掲載)には、防災に関する項目がある。「コミックマーケット104」の参加にあたっては、地震発生時の対応について、念のため改めて確認しておきたい。
台風と地震とコロナ……参加者「いろいろ備えつつ臨めれば」
今回サークル参加する男性(20代)は、「台風に関しては、もはや“夏コミあるある”と化しているので、ことさら不安に感じることはありません」とコメント。
一方で、「南海トラフ地震のリスクだけは少し気がかりです。ただでさえ埋立地。液状化のリスクも高いので……。コロナも少し心配なのでいろいろ備えつつ、夏コミに臨めればなと思っています」と、巨大地震の可能性に対しては若干の不安を口にした。
コスプレイヤーの女性(30代)は、「酷暑や台風、地震など、不安もありますが、年に2回のお祭りなので、安全や体調に気をつけながら楽しみたいと思います!」と意気込んだ。
2025年に迎える50周年が近づいてきた「コミックマーケット」。半世紀という節目を前に、今後の開催に影響を及ぼしかねない事故等は、多くの参加者にとっても避けたいところ。
東京の最高気温は37度と猛烈な暑さになる見込み。いつも以上に、安全に気を配りながら臨みたい。
追記:夏コミ「C104」1日目の来場者数は13万人!
追記:「C104」2日目は13万人が来場、合計26万人!
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連載
2024年8月11日(日)・12日(月)の2日間にわたって、東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される「コミックマーケット104」(C104)を特集。
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