毎年夏冬に開催される大型同人誌即売会「コミックマーケット」。夏はお盆期間の風物詩となっており、近年は期間中約30万人が来場しています。
1975年の初開催から50周年という節目を迎えたコミケは、8月16日(土)〜17日(日)にかけて「コミックマーケット106」(C106)が開催中。初日は炎天下の東京ビッグサイトへ12万人が訪れました。
コミケにおける花形の一つといえば会場を彩るコスプレイヤーの皆さん。初日には、グラビアアイドル/ストリーマーとしても活躍する伊織もえさんが登場しました。
雑誌の表紙で見かけない日はない、と言っても過言ではない人気コスプレイヤー。例年多くの人が殺到するだけに、KAI-YOU編集部も撮影できるのか不安に駆られながら、わずかな希望にかけて現地撮影に挑戦しました。
【写真】カメラが捉えた伊織もえさんの姿コミケ取材中に届いた、伊織もえのAniのコスプレ降臨の知らせ
初開催から半世紀、節目となるアニバーサリーいやーに開催中の「コミックマーケット106」。KAI-YOU編集部としても、「後から振り返ってこんな年だったと思い出せるような記事を出したい」と話していました。
たとえばコミケのコスプレは、アニメやゲームのキャラクターだけでなく、例年話題になった出来事や事象を象徴する存在に扮したコスプレイヤーさんも登場。
そういった時事性という意味で名前が挙がったのが、生成AIチャットボット・Grok(グロック)の新機能「コンパニオン」に搭載され話題を集めたキャラクター・“Aniちゃん”ことAni。
Grokのコンパニオンとして登場した「Ani」。コミュニケーションを取ると好感度が上がり服装が変わる
「Grokのアイコンに扮した人と一緒に撮れたら話題になりそう」など、文字通り取らぬ狸の皮算用に興じていると、突如「伊織もえさんがAniのコスプレをするらしい!」との吉報が。
会場を取材していた筆者・コバヤシは、伊織もえさんが現れるという西ホール外のコスプレエリアである屋上展示場に急行しました。
「伊織もえさんがいない」と思った矢先、視界の端で捉えた壁という名の群衆
屋上展示場に到着すると、そこには思い思いのコスプレを披露するコスプレイヤーさんとカメラマンたちの姿が。
しかし、屋上を歩き回っても伊織もえさんが一向に見つからない……! チャンスを逃してしまったのかと意気消沈していると、視界の端に異変を察知。人で溢れかえっているのに、異様に静かな空間を捉えました。
「みんな暑さで疲れて休んでるのかな?」と思ったのも束の間、群衆の奥から「伊織もえさんの囲み、あと30秒で〜す」との声が聞こえてくるではありませんか。
謎の空間の正体は、シャッターチャンスを逃すまいと無言でカメラを構え続ける人々がつくり出した、“伊織もえさんの囲み撮影の壁”でした。
一瞬のチャンスも逃すまいとカメラを構える来場者たち
ついに訪れたその瞬間「コミケ会場に伊織もえさんはいました!」
こうしてはいられないと壁に近づくも、一分の隙も無く撮影者が密集していて全く伊織もえさんが捉えられない! あまりに伊織もえさんが見えないので、「本当にいるのか?」と疑いたくなるほどでした。
なんとかして伊織もえさんを撮影しようとスマホを掲げるカメラマンの皆さん
そうこうしているうちに前列の人たちが囲みを外れ、ようやく筆者の前にシャッターチャンスがこんにちは。なんとか腕を上に伸ばして撮影しようとするも、逆光でカメラのモニターが全然見えない。
果たして、筆者が必死に撮影しようとしていた存在は、本当に伊織もえさんだったのでしょうか……?
あ、あの奥に見えるのはもしかして……?
いた!
伊織もえさんだ!!
伊織もえさんがいました!!!!
伊織もえさん、いました!
伊織もえさんという壁と対峙──感じたコミケとコスプレの歴史
かろうじてその姿は撮影できたものの、人の多さもあり、どうしても上手くは撮れませんでした。とはいえ、こうした経験もコミケならではと言えるのかもしれません。
コバヤシが撮影できた精一杯の伊織もえさん
実は筆者・コバヤシは、新型コロナウイルスが猛威を奮っていた2021年の入社。コロナ禍以降、東京臨海広域防災公園でのコスプレが実施されなくなったため、コミケで今回のような規模の囲み撮影に遭遇したのは今回がはじめて。
コロナ禍前のコミケでは、同じくコスプレイヤーのえなこさん(を撮影しようとする人たち)が生み出す「えなこりんぐ」が風物詩だったようですが、「かつてはそういうのがあったらしい」程度の認識でした。
屋上展示場の一角であっても分厚い壁を形成した伊織もえさん。もし今も防災公園がコスプレエリアだったら、一体どれだけの領域を展開していたのか。
コミケの歴史を感じると共に、なんとしてでも良い写真を撮るという覚悟の足りなさを痛感。次回、丸50年を迎える冬コミ「コミックマーケット107」(C107)でのリベンジを誓いました。

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連載
2025年8月16日(土)・17(日)の2日間にわたって、東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される“夏コミ”こと「コミックマーケット106」(C106)を特集。
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