東京ビッグサイトで8月16日・17日に開催され、2日間合計で25万人が参加した同人誌即売会「コミックマーケット106」(C106)。
同人誌と言いつつも、参加するサークルが頒布するものは本だけではありません。人形や工芸品、アクセサリーなど、様々な二次創作が披露されるのも見どころです。
そんな夏コミの出展サークルの一つ「きつつき巣箱」では、ホロライブ所属のVTuber・白上フブキさんの関連キャラクターをモチーフにした二次創作を頒布。
「すこん部」「ミテイル」「フブラ」「おるやんけ」といったキャラクターを、木彫りのミニ置物という工芸品で表現。一際注目を集めていました。
白上フブキさん関連キャラクターの木彫りのミニ置物
どれも木の温もりがあって、めちゃくちゃキュート……! なんと制作したのは美術工芸作家。気になりすぎるので本人を直撃しました。
【画像】全部可愛い! 白上フブキのミニ置物美術工芸作家が作った、一点モノの木彫りミニ置物
どれも可愛らしい木彫りミニ置物をつくったサークル「きつつき巣箱」のピヨ/磁佑さんは美術工芸作家。
普段は「磁佑」という名義で、主に「根付」と呼ばれる美術品を制作しつつ、3Dプリントによるガレージキットを販売。
白上フブキ「ミテイル」木彫りミニ置物
SNSでは昔から用いているハンドルネーム「ピヨ」も合わせて使用し、自作品や二次創作の発表を行っています。
ピヨ/磁佑さんがコミケにサークル参加したのは、今回の「コミックマーケット106」が初。ちなみに木彫りミニ置物は全て一点モノ。一品あたり3日間をかけて制作され、現地で抽選形式で頒布されました。
白上フブキ「フブラ」木彫りミニ置物
「作家という人間をもっと身近に感じてほしい」コミケ初参加の理由
──今回、コミックマーケットに初参加した理由を教えてください。
ピヨ/磁佑 2024年に知人に勧められて「ホロクル」というオンリーイベントに参加した際、たくさんの方が来てくださいました。二次創作においては、普段ネット上での活動がメインだった私にとって、リアル会場で実際に顔をあわせる機会の重要性を再認識するきっかけとなりました。
元々自身のアーティスト活動とオタク活動を同じアカウントで行う目的として、「作家という人間をもっと身近に感じてほしい」「そして美術や工芸に興味を持つきっかけにしてほしい」という狙いがあったので、その狙いによくマッチしていると感じています。
そして、前回の「ホロクル」参加から次は何に参加しようか考えた際、準備期間が十分用意できるタイミングであることや、オンリーイベントにはない広い範囲にリーチできる場として、今回の夏コミへの参加を決めました。そのため二次創作でのイベント参加は2度目です。
白上フブキ「おるやんけ」木彫りミニ置物
──木彫りのミニ置物4種類はどのように決められたのでしょうか?
ピヨ/磁佑 私が活動を応援している白上フブキさんは、ご自身でマスコットキャラクターのデザインを行うこともあり、たくさんのキャラクターが存在します。その中でも、活動において登場頻度の高い4キャラクターを選びました。
──白上フブキさんを木彫り作品で表現しようと思った理由を教えてください。
ピヨ/磁佑 私がまだX(当時はTwitterでした)のフォロワーが数百人程度だった2020年頃、はじめて挑戦したファンアート「木彫りのおるやんけ根付」を白上フブキさんご本人が引用RTしてくださいました。それをきっかけにSNSが伸びはじめ、今の活動スタイルができました。
そのような経験があるため白上フブキさんには恩を感じており、ずっとファンアートをつくり続けています。
いろいろな工芸技法でファンアートを制作している中、今回木彫りを選んだ理由として、七宝や鍛金のような一般の方にとっては未知の技法よりも、木彫りは皆ある程度どんなものかを知っているために、その良さを伝えやすい工芸品だからです。
木彫り特有の親しみやすさも特徴の一つ
特製の木箱も付属
──制作する際、特にこだわった部分を教えてください。
ピヨ/磁佑 普段はイラストで表現されることの多いキャラクターたちは色数が多くデザインされています。そのため木彫りで制作する際も着色をするのですが、木材の持つ木目などの質感を活かすため、作品の多くの面積を無着色で仕上げ、着色は最低限の面積で済ませています。
デザインとしてどうしても広い面積を着色する場合は、絵具ではなく染めで色をつけることで、木目を残す仕上げになるようにすることで素材の質感を残しています。
ピヨ/磁佑さんの名刺
──今回は一点ものでしたが、次回以降、また制作してコミケに参加される予定はありますか?
ピヨ/磁佑 もちろんです。木彫り以外の工芸技法で制作した作品も出してみたいですね。
「カニタマ」「タマクラゲ」などVRChatアバターアクセサリーも制作
ちなみにピヨ/磁佑さんは2025年から、ソーシャルVR・VRChat向けアバターアクセサリーの制作や販売も行っています。
現在販売されているのは、「カニタマ」と「タマクラゲ」の2種類。どちらも人気を集めているため、VRChatユーザーの中には知っているという人も多いはず。
「カニタマ」は球体変形メカ。カニのようによちよちとプレイヤーについてきて、一定の距離を取ると球体で転がって移動するペットギミックです。
VRChat向けアバターアクセサリー「カニタマ」/画像はBOOTHショップ「自由工芸舎」より引用
一方の「タマクラゲ」はアクセサリーに変形するクラゲ。ペンダント、イヤリング、ヘイロー、指輪のいずれかの形態からクラゲに変形し、周囲をふわふわと移動します。
VRChat向けアバターアクセサリー「タマクラゲ」/画像はBOOTHショップ「自由工芸舎」より引用
また、ピヨ/磁佑さんのオリジナル作品は東京・根津のギャラリー「Gallery花影抄(はなかげしょう)」で取り扱い中。ぬくもりを感じる白上フブキキャラクターズに見惚れた方は、ぜひチェックしてみてください。
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連載
2025年8月16日(土)・17(日)の2日間にわたって、東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される“夏コミ”こと「コミックマーケット106」(C106)を特集。
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