一般的に「コミケ」と聞くと、アニメやゲームなどの同人誌をイメージする人が多いかもしれない。実際はオリジナルのアクセサリーや人形など、3万を超えるサークルが様々なジャンルの作品を展示・頒布している。
数年前にバラエティー番組のコミケ特集で紹介された創作人形サークル「夢二屋」も、自らの「好き」を軸に多様な表現が集まるコミケならではの参加者と言えるかもしれない。コミケ関連で話題にのぼっております多分コミケ最高齢、和紙の歴史人形屋「夢二屋」ですが、実は仕事場のボス、真崎春望の叔父様ご夫婦です。(以前は真崎のお母様も参加)冬コミの申し込みも本日完了致しましたのでお知らせいたしますね(о´∀`о)受かれば3日目です。#コミケ #夢二屋
— ツジイマコト (@makoto_tsujii) August 21, 2017
サークル主は柏木嚴太さん87歳と千代子さん83歳の夫婦だ。コミケへのサークル参加は今回で21回目。1964年の東京オリンピックを経験している2人が、2020年の影響でイレギュラー開催となったC96に参加するのに縁を感じて、少しだけ話を聞かせてもらった。
米屋をたたんだあとに人形づくりへ
それまで2人は自営業で、お米屋さんを営んでいたという。「立ち退かなきゃいけなくなって、それでついでに(お店を)辞めちゃおうかって。それから1年ほど家にいたんですけど、父がこういう人形をつくっていて、自分も手伝ってたので」と嚴太さんは語る。
実は2人のサークル参加の手続きも真崎春望さんが手伝ってくれているようで、嚴太さんは「私たちはつくってここ(コミケの会場)に来るだけ」と笑う(外部リンク)。
「コミケという輪の一員になれるのはありがたい」
「米屋をやっていたから、人様とのお付き合いは多かったのでその点はよかったんですけど、やっぱり最初はきょろきょろと落ち着かなくて。姪が参加したときには見にきてたんですけど、自分たちが出るとなるとね」(嚴太さん)
実際「夢二屋」には、開幕から途切れることなく人が訪れ、次々と人形を購入していく。これは余談だけど、実は前回も取材を試みていて、そのときは13時の段階で商品が完売していたので、あえなく次回ということになった。
「みなさん、いろいろつくられていて参加するたびに感心しています。私たちのようなサークルも受け止めてくれるし」と嚴太さんが話せば、千代子さんも「会場全体が1つの輪になっているみたい。その中に入れてもらえるのってありがたいですよね」とコミケの魅力を口にした。
1日1体つくるのも難しい創作人形
人形1体あたりどのくらいの日数で完成するのか。はっきりした数字として答えるのは難しそうだったけど、「まず台座からつくり始めて、それを20個。そのあと人形も20個つくって、ぼんぼりも……」と聞くと、1日で1体つくるのすら簡単ではなさそうだ。
「この人細かいことがすごく好きで。人形それぞれに何か表情があるんですって。つくり始めたら話しかけちゃだめ。間違えちゃうから」と話す千代子さんは、「私は着物しか折れない」と言いつつも嚴太さんの人形づくりを楽しみながら手伝っている。
初参加から10年。「(コミケの)一員になれたことがうれしい」と語る創作人形サークル「夢二屋」の2人のように、コミケには普段なら出会わないような人・表現がまだまだ隠れている。
参加者が語るコミケの魅力
イベント情報
今後のコミックマーケット
- 日程
- コミックマーケット97:2019年12月28日(土)〜31日(日)
- コミックマーケット98:2020年5月2日(土)~5日(火)
- 会場
- 東京ビッグサイト
- 西展示棟・南展示棟(サークル)/青海展示棟(企業ブース)
関連リンク
3件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:3019)
こんな夫婦になれるんだったら私も結婚したい
匿名ハッコウくん(ID:3018)
立体ものならワンダーフェスティバルとかにも来てくれてるんでしょうか?
…自分、目がフシアナだから来てくれてても見つけられないかも; orz
匿名ハッコウくん(ID:3016)
二千円の雛壇に惚れた、次もこれ売ってたら買いたい