世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット」。8月9日から12日にわたって開催された「コミックマーケット96」(C96)では、初の4日間・2拠点開催の影響もあり、史上最多となる73万人が来場した。
一般的に「コミケ」と聞くと、アニメやゲームなどの同人誌をイメージする人が多いかもしれない。実際はオリジナルのアクセサリーや人形など、3万を超えるサークルが様々なジャンルの作品を展示・頒布している。
サークル主は柏木嚴太さん87歳と千代子さん83歳の夫婦だ。コミケへのサークル参加は今回で21回目。1964年の東京オリンピックを経験している2人が、2020年の影響でイレギュラー開催となったC96に参加するのに縁を感じて、少しだけ話を聞かせてもらった。
それまで2人は自営業で、お米屋さんを営んでいたという。「立ち退かなきゃいけなくなって、それでついでに(お店を)辞めちゃおうかって。それから1年ほど家にいたんですけど、父がこういう人形をつくっていて、自分も手伝ってたので」と嚴太さんは語る。 姪である漫画家の真崎春望さんから「コミケに出してみたら」と言われたのをきっかけに、本格的に和紙で人形をつくり始めた。
実は2人のサークル参加の手続きも真崎春望さんが手伝ってくれているようで、嚴太さんは「私たちはつくってここ(コミケの会場)に来るだけ」と笑う(外部リンク)。
「米屋をやっていたから、人様とのお付き合いは多かったのでその点はよかったんですけど、やっぱり最初はきょろきょろと落ち着かなくて。姪が参加したときには見にきてたんですけど、自分たちが出るとなるとね」(嚴太さん) それでもいまやサークル参加10年以上、21回目となると、他の参加者からも知られる存在に。人形を目当てに訪れる参加者から声をかけられることも増えた。「お体大事にしてねとか、また来てねって言われるとうれしいですよね」という言葉通り、取材中に千代子さんが参加者と談笑する場面にも出くわした。
実際「夢二屋」には、開幕から途切れることなく人が訪れ、次々と人形を購入していく。これは余談だけど、実は前回も取材を試みていて、そのときは13時の段階で商品が完売していたので、あえなく次回ということになった。
「みなさん、いろいろつくられていて参加するたびに感心しています。私たちのようなサークルも受け止めてくれるし」と嚴太さんが話せば、千代子さんも「会場全体が1つの輪になっているみたい。その中に入れてもらえるのってありがたいですよね」とコミケの魅力を口にした。
人形1体あたりどのくらいの日数で完成するのか。はっきりした数字として答えるのは難しそうだったけど、「まず台座からつくり始めて、それを20個。そのあと人形も20個つくって、ぼんぼりも……」と聞くと、1日で1体つくるのすら簡単ではなさそうだ。
「この人細かいことがすごく好きで。人形それぞれに何か表情があるんですって。つくり始めたら話しかけちゃだめ。間違えちゃうから」と話す千代子さんは、「私は着物しか折れない」と言いつつも嚴太さんの人形づくりを楽しみながら手伝っている。 米屋から一転、和紙での人形づくりを本格化。人形をつくってコミケに参加する魅力を生き生きと語る2人を見ていると、多くの人がこのサークルに惹きつけられる理由もわかった気がする。
初参加から10年。「(コミケの)一員になれたことがうれしい」と語る創作人形サークル「夢二屋」の2人のように、コミケには普段なら出会わないような人・表現がまだまだ隠れている。 3万を超えるサークルから探すとなるとちょっと気が遠くなりそうだけど、次のC97ではいつも素通りしてしまうホール、もしくは普段は不参加の日程にも、足を伸ばしてみるといいかもしれない(新刊の購入に忙しくてそんな余裕はないという気持ちもわかるけど)。
一般的に「コミケ」と聞くと、アニメやゲームなどの同人誌をイメージする人が多いかもしれない。実際はオリジナルのアクセサリーや人形など、3万を超えるサークルが様々なジャンルの作品を展示・頒布している。
数年前にバラエティー番組のコミケ特集で紹介された創作人形サークル「夢二屋」も、自らの「好き」を軸に多様な表現が集まるコミケならではの参加者と言えるかもしれない。コミケ関連で話題にのぼっております多分コミケ最高齢、和紙の歴史人形屋「夢二屋」ですが、実は仕事場のボス、真崎春望の叔父様ご夫婦です。(以前は真崎のお母様も参加)冬コミの申し込みも本日完了致しましたのでお知らせいたしますね(о´∀`о)受かれば3日目です。#コミケ #夢二屋
— ツジイマコト (@makoto_tsujii) August 21, 2017
サークル主は柏木嚴太さん87歳と千代子さん83歳の夫婦だ。コミケへのサークル参加は今回で21回目。1964年の東京オリンピックを経験している2人が、2020年の影響でイレギュラー開催となったC96に参加するのに縁を感じて、少しだけ話を聞かせてもらった。
米屋をたたんだあとに人形づくりへ
すでに10年以上コミケに参加している2人。和紙で細かな部分まで丁寧につくられた人形は「ちょうどコミケに出るときにつくり始めたんです」と千代子さんが教えてくれた。それまで2人は自営業で、お米屋さんを営んでいたという。「立ち退かなきゃいけなくなって、それでついでに(お店を)辞めちゃおうかって。それから1年ほど家にいたんですけど、父がこういう人形をつくっていて、自分も手伝ってたので」と嚴太さんは語る。 姪である漫画家の真崎春望さんから「コミケに出してみたら」と言われたのをきっかけに、本格的に和紙で人形をつくり始めた。
実は2人のサークル参加の手続きも真崎春望さんが手伝ってくれているようで、嚴太さんは「私たちはつくってここ(コミケの会場)に来るだけ」と笑う(外部リンク)。
「コミケという輪の一員になれるのはありがたい」
つくって参加するだけとは言っても、初参加したときには戸惑うこともあったはず。実際「周りを見ても漫画やイラストが多くて、そんな中にぽつんと私たちがいるっていうのは不思議な感じ(笑)」(千代子さん)だった。「米屋をやっていたから、人様とのお付き合いは多かったのでその点はよかったんですけど、やっぱり最初はきょろきょろと落ち着かなくて。姪が参加したときには見にきてたんですけど、自分たちが出るとなるとね」(嚴太さん) それでもいまやサークル参加10年以上、21回目となると、他の参加者からも知られる存在に。人形を目当てに訪れる参加者から声をかけられることも増えた。「お体大事にしてねとか、また来てねって言われるとうれしいですよね」という言葉通り、取材中に千代子さんが参加者と談笑する場面にも出くわした。
実際「夢二屋」には、開幕から途切れることなく人が訪れ、次々と人形を購入していく。これは余談だけど、実は前回も取材を試みていて、そのときは13時の段階で商品が完売していたので、あえなく次回ということになった。
「みなさん、いろいろつくられていて参加するたびに感心しています。私たちのようなサークルも受け止めてくれるし」と嚴太さんが話せば、千代子さんも「会場全体が1つの輪になっているみたい。その中に入れてもらえるのってありがたいですよね」とコミケの魅力を口にした。
1日1体つくるのも難しい創作人形
2020年で88歳の米寿を迎える嚴太さん。聞けば、今は朝起きたら毎日のように人形をつくっていて、ひとたびつくり始めれば決して「疲れた」とは言わないのだとか。人形1体あたりどのくらいの日数で完成するのか。はっきりした数字として答えるのは難しそうだったけど、「まず台座からつくり始めて、それを20個。そのあと人形も20個つくって、ぼんぼりも……」と聞くと、1日で1体つくるのすら簡単ではなさそうだ。
「この人細かいことがすごく好きで。人形それぞれに何か表情があるんですって。つくり始めたら話しかけちゃだめ。間違えちゃうから」と話す千代子さんは、「私は着物しか折れない」と言いつつも嚴太さんの人形づくりを楽しみながら手伝っている。 米屋から一転、和紙での人形づくりを本格化。人形をつくってコミケに参加する魅力を生き生きと語る2人を見ていると、多くの人がこのサークルに惹きつけられる理由もわかった気がする。
初参加から10年。「(コミケの)一員になれたことがうれしい」と語る創作人形サークル「夢二屋」の2人のように、コミケには普段なら出会わないような人・表現がまだまだ隠れている。 3万を超えるサークルから探すとなるとちょっと気が遠くなりそうだけど、次のC97ではいつも素通りしてしまうホール、もしくは普段は不参加の日程にも、足を伸ばしてみるといいかもしれない(新刊の購入に忙しくてそんな余裕はないという気持ちもわかるけど)。
参加者が語るコミケの魅力
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イベント情報
今後のコミックマーケット
- 日程
- コミックマーケット97:2019年12月28日(土)〜31日(日)
- コミックマーケット98:2020年5月2日(土)~5日(火)
- 会場
- 東京ビッグサイト
- 西展示棟・南展示棟(サークル)/青海展示棟(企業ブース)
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3件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:3019)
こんな夫婦になれるんだったら私も結婚したい
匿名ハッコウくん(ID:3018)
立体ものならワンダーフェスティバルとかにも来てくれてるんでしょうか?
…自分、目がフシアナだから来てくれてても見つけられないかも; orz
匿名ハッコウくん(ID:3016)
二千円の雛壇に惚れた、次もこれ売ってたら買いたい