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POPなポイントを3行で

  • 同人ドラマCD企画『アイショタ』インタビュー
  • 監督・企画・脚本などのほぼすべてを1人で担当
  • 声優・丸山有香さんが語る少年声の魅力

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同人ドラマCD『アイショタ』インタビュー 儚き少年アイドルの物語

『アイショタ idol show time』

丸山有香さんと悠木碧さんという2人の声優を中心に、女性声優の演じる少年声をテーマにした少年アイドルの同人ドラマCD企画『アイショタ idol show time』。

5月5日の「こどもの日」に立ち上がった『アイショタ』は、10歳から15歳まで、声変わりする前という制限を設けられたユニット「étailes」(エトエル)に所属する少年たちの物語。

監督・企画・脚本などを丸山さんが、メインキャラ原案協力・サブシナリオを悠木さんが担当。

キャラクターデザインおよびイラストを漫画家のすめらぎ琥珀さん、楽曲提供には小岩井ことりさんやタカオユキさん、そしてメインキャストには田村睦心さん、斎賀みつきさん、小林由美子さん、白石涼子さん、森なな子さん、小岩井ことりさん、皆川純子さんと豪華なスタッフ・キャストが注目を集めています。 8月12日(月・祝)の「コミックマーケット96」4日目への参加(※)を前に、サークル・櫻縁家の主催でもある丸山さんに、自主制作として『アイショタ』が生まれた経緯や、女性声優による少年声に対するこだわりについて、話を聞きました。

※4日目南ア32ab「アイショタ」「櫻縁家」合同サークルにて頒布

『アイショタ』誕生のきっかけ

──『アイショタ』は、丸山さんの2018年11月のツイートがすべてのはじまりですが、ツイート後、どのようにプロジェクトが進んでいったのでしょうか? キャストやスタッフの方々が、どのように集まっていったのかうかがいたいです。

丸山 実際、つぶやきをした次の日には、脳内でストーリーの構成やキャラクター像について考え始めていました。同時に、つくるならドラマCDで、どのようなスタッフさんなどが必要なのか、どの程度の規模でつくるのか……なども想定し始めました。 丸山 今回、スタッフさんからキャストさんのアサイン・オファーやスケジュール管理などもすべて私1人がやっています。以前からお世話になっている方や、自分でリサーチして作品の方向性に合った制作を行っている方にDMを送ったりして集まっていただきました。

──最初は何から始められたのでしょうか?

丸山 最初に問い合わせたのはデザイン会社のBALCOLONY.さんですね。こちらもHPの「contact」からDMを送って発注させていただきました。

まずタイトルロゴをつくっていただきました。同人作品とはいえプロの声優さんに出演していただこうと想定したため、しっかりした企画書にタイトルロゴをドーン!と載せたかったんです。

これがあるだけで、企画としての説得力がずいぶん違うと思います。同人作品ではあるけれども、どれだけ本気でコンテンツとして育てたいと思っているのかなどが伝われば、事務所さんの出演許可もいただきやすいのではないかと考えました。

どんな内容なのか、どんな熱量でどれだけ真摯に作品をつくろうとしているのかが伝わることは、出演のオファーをさせていただく際にとても重要なポイントだと思います。

でも、このように丁寧に作品の方向性などを提示した上で進めていけたので、各クリエイターさんへ発注するときも世界観などを伝えやすくて助かりました。

こんなことするのはもちろん初めてなので、費用関連の相談なども各クリエイターさんにうかがいつつ、なるべく失礼の無いように進めさせていただきました。本当に、ご厚意で集まって支えていただいている部分がたくさんあります。

──結果的に、豪華なキャスト陣が集結しましたが、構想の段階でどの程度想定していたのでしょうか?

丸山 本当に……すごいですよね。正直私が一番驚いています。構想の段階では、こんなに豪華なキャストさんにご出演いただけるとは思っていませんでした。まさに夢のメンバーです。

こんなドリームチーム結成できるわけないと思いながら、でもやるなら理想を追い求めたいじゃないですか。だからダメ元で、最初はご本人に企画内容や「なぜご出演いただきたいのか」を送らせていただいて……! ありがたいことに実現しました!
──スタッフもすめらぎ琥珀さんをはじめ、スタッフも第一線で活躍される方々が集まりました。

丸山 スタッフ陣も、豪華になりましたね! 日向とミハイルのキャラデザ原案とサブシナリオを描いてもらった悠木碧ちゃんと、楽曲をつくってもらった小岩井ことりちゃんとタカオユキちゃんは、普段からよく遊んでいる友達なんですよ。

自分が自主制作で何かやるなら「この3人と一緒にやりたい!」と心底思っていました。引き受けてくれて感謝しています。

そのほかにも、過去に仕事でご一緒した方やお世話になっている方を中心に声をかけさせていただきました。理想の、信頼におけるスタッフ陣だったからこそ形になるまで頑張れたんだと思います。

制作側として改めて気づく声優のすごさ

──企画・脚本・キャラクター原案を担当されていますが、以前から演じる声優ではなく制作サイドへの関心・興味はあったのでしょうか?

丸山 以前から自主制作ユニットを組んで、朗読公演をやってみたり、実家の天丼家を借り切って天丼が食べられる1人朗読公演「天丼が夜(ないと)」を開いてみたり、割と積極的に取り組んでいますね。

制作に関心や興味があるというより、表現することや発信することが好きなんです。声優さんは同じようなタイプが多いと思います。実際同人活動されてる方も多いですし!

──ちなみに今回の企画を実際につくろうと考えはじめたのはいつ頃からでしょうか?

丸山 今回のドラマCDについては、きっかけのツイートをつぶやいた日に実際につくろうと思い立ちました。「1000いいねいったら本当にやろうかな」ってつぶやいたら本当に反応をもらったので。有言実行、善は急げ、の精神ですね。

そのあたりから、5月5日の「こどもの日」に最初の告知をしよう、それに合わせてどんなプロモーションをしていこう、どんなスケジュールで組もう……などを練っていきました。

毎週告知して、発表から頒布までの間に忘れられないようにしなくちゃ、といったことにも気をつかいました。なるべく計画的に進められるように努力してきましたが、告知用の画像をつくったり投稿するのも全部私がやっているので、告知直前まで画像をつくっていたりとタイムアタック感満載だったりもします。 ──お話にもあった通り、クレジットされている役職以外に、制作の進行管理、キャストやスタッフへのオファー、出資まで1人で担当されているのはなぜでしょうか?

丸山 なぜというか……同人活動って本来そういうものだと思うんですよ。みなさん自分でやりたいことを実費で好きなようにやっていますよね。

私も、伝えたいこと・表現したいことを自分のやりたいようにやろうと思ったので、この体制をとっています。企業さんでやろうと思うと、やっぱり社員さんの生活もかかってきますし、諸々のしがらみが発生したりしてしまうと思うんです。そもそも今回のような企画は通らないんだろうな、だから(これまでに)全然無いんだろうなと。これは個人の制作だからできる企画なんじゃないかなと思っています。

正直ここまで注目していただけるとも思っていなかったので、想定外の対応もすることにはなりましたが、1人ですべて監修できているからこそ、自分が本当につくりたいものをダイレクトにお届けできるんじゃないかなと。

大変なこともたくさんありますし、本業に支障がない範囲でオフの時間もほとんど『アイショタ』に費やしてきましたが、苦ではありませんでしたね。

──そういった役割も含めて、制作サイドを経験したことで改めて気づいたことなどはありますか?

丸山 個人的な見解ですが、アニメや吹き替えなど、声優の仕事っていろいろな方が携わってきた作品の最後に声を当てる──工程でいえば末端の部分になると思うんです。

日頃からお仕事のありがたみは感じていましたが……それに実感が伴うというか。多くの方の想いや努力やご苦労があって作品が出来上がるんだという事実を、身をもって感じることができています。
──声の収録では、普段の声優とは異なる立ち位置だったと思いますが、声優のすごさなど感じたことがありましたら教えてください。

丸山 普段は、音響監督さんが監督のリクエストを汲み取って、役者さんとの懸け橋になり、すべてのキャラクターの演技の方向性や言葉のニュアンスを調整されていると思うんですけど、今回は原作も脚本も監督も音響監督も私がやるという状態で、どう言葉で表現したらこちらの希望が伝わるんだろう…という不安がありました。

キャストのみなさんは本当に素晴らしくて、直すところなんてないんですけど、あまりにも素敵すぎて「もっとこういうのが聞いてみたい!」という欲が出てくるんですよね。それを一生懸命伝えると、皆様方向性を理解した上で200%のものをくださるんです。あまりにも素敵すぎて、スタッフブースが悶える奇声で溢れていました(笑)

個人でどこまで頑張れるか

──ユニットや所属事務所、そして養成機関と設定が丁寧につくりこまれています。メインキャラ原案協力・サブシナリオ担当の悠木碧さんとは、どのように世界観をつくり上げていったのでしょうか?

丸山 そのあたりは主に、ほとんど私が1人で勝手に考えました。悠木碧ちゃんには、étailes(エトエル)のキャラクターのだいたいの設定や性格などの構想を話して、「こんな設定のキャラクターどうかな?」と相談し、一緒にキャラクターを膨らませてもらいました。「こんなのどうかな?」「最高じゃん!」と雑談しながら。

そのあと日向とミハイルのキャラクターのデザイン原案を考えてもらいました。

脚本についても最初は一緒に1つの脚本を書こうと思っていたんです。でも、それよりは本編は私が考えているものをまとめて1人で書き、補う形でキャラの魅力が伝わるサブシナリオを悠木碧ちゃんにお願いする、という形になりました。この本編・サブシナリオの形態を提案してくれたのは悠木碧ちゃんです。さすがですよね!
『アイショタ』瀬戸ミハイル

悠木碧さんがキャラクター原案を担当した瀬戸ミハイル

──個人的に気になった点で恐縮ですが、アイドル養成機関「Stella*rium chouchou」(ステラリウム シュシュ)はオーディションがあるとはいえ、レッスン費や入学費は無料です。養成機関の運営費は事務所であるStella*rium(ステラリウム)が、所属アイドルたちのギャラでまかなっているという理解でよろしいでしょうか?

丸山 すごい、作品の内容に寄り添った質問で驚きです!(笑)

そういう解釈で大丈夫です。日本最大手の男性アイドル事務所という設定なので、これぐらいのことがあっても良いだろうと。この事務所は歌って踊るアイドルだけではなく、役者やマルチタレントなども多く所属しています。整った環境で次世代エースを育てる、理想の養成機関になってもらいました。

──期間限定ユニット「étailes」(エトエル)は年齢や声変わりで卒業を迫られます。その刹那的かつ限定的な魅力とはいったい何でしょうか?

丸山 儚さですかね。日本人って、桜とか花火とか、儚くて美しいものがそもそも大好きだと思うんですよ。少年期特有の声変わりの期間の声ってその一瞬しか出ないんで、とても儚いじゃないですか。

大人とか子供とか、男性とか女性とかいろいろな境界線がありありと見えてくる、わかりやすいきっかけの1つで。線引きされる前の猶予期間というか。過ぎてしまったら二度と戻ってこない儚さは魅力だと思います。

少年合唱団の神聖さや神秘にとてもリスペクトしています。女性にはハッキリとした声変わりってないのでうらやましいという気持ちもあるかもしれません。

──『アイショタ』は「女性声優さんの少年声」をテーマにされていますが、丸山さんが考える「女性声優さんの少年声」の最大の魅力は何でしょうか?

丸山 私の場合、小さい頃に見ていたアニメ番組のほとんどで、主人公の男の子は女性声優さんがやっていました。だから「かっこいい男の子=女性声優さんの声」が深層心理に焼き付いているのかもしれません。

声変わり前の少年のユニセックスなニュアンスや、女性だからわかる男の子のかこよさ、背伸びをして大人の男性になろうとしているけど届かない感じなどがうまく寄り添って、独特な魅力につながっているんじゃないかと思っています。もちろん例外な方々もたくさんいらっしゃいますが。 ──Web上でのコミカライズも始まり、そしてコミケデビューを迎える『アイショタ』ですが、今後の構想をどのように考えていらっしゃるでしょうか?

丸山 この作品の今後の構想は、続きが出せたら嬉しいな、というところですね。本当につくるのが結構大変なので(笑)。

己の生命を大事にしながら、応援してくださる方がいるならその想いに応えたいなと思っています。もっとやりたいことはたくさんあるので。

──最後に改めて、丸山さんが『アイショタ』を通じて伝えたいこと、伝わってほしいことを教えてください。

丸山 同人作品だということを強調させていただいているのは、個人でどこまで頑張れるものなのかアピールできたらいいな、とも思っているからです。

今はSNSなどで、万人が世界に発信することができる時代になってきています。個人が発信する作品がどこまでいけるのか、限界への挑戦です。自己満足といえばその通りですが、つくり手が満足できない作品を他者が満足してくれるはずがないと思っているので、まずは自分にとっての理想を全力で追いかけています。

そもそもこの企画は「女性声優が演じる少年声の魅力をテーマに作品をつくる」ことです。

この作品が一定層の支持を得たとき、少年声を得意とする女性声優さんの素晴らしい魅力などをお伝えする作品が、商業シーンにおいてもっと増えてくれるんじゃないか、増えてほしい!

少年役がやりたくてこの職業を目指した自分としては「そういう作品に携わりたい!」という願いを込めています。この作品がいろいろ展開していくことができたらとても光栄ですが、そのあたりの人気の誇示に貢献できたら幸いです。

声優の活躍いろいろ

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作品情報

アイショタ idol show time

【スタッフ】
監督・企画・脚本など 丸山有香
メインキャラ原案協力・サブシナリオ 悠木碧
メインキャラクターデザイン・イラスト すめらぎ琥珀
楽曲提供 小岩井ことり、タカオユキ
タイトルロゴデザイン BALCOLONY.
PV制作 菅原啓人
【キャスト】
桜良刹那 田村睦心
小泉日向 小林由美子
空華誠十郎 斎賀みつき
後藤頼音 白石涼子
瀬戸ミハイル 森ななこ
井田書幸一 小岩井ことり
風見ヒカル 皆川純子
柳凌 西墻由香
馬越斗亜 代永翼
佐々木愛次郎 内匠靖明
リアム 森嶋秀太
楠剣太 楠田亜衣奈
空華真奈見 藤川澄十郎
星宮翔太 長南翔太

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