アニメや漫画、ゲームといったコンテンツを愛するファンが、それぞれ思い思いの形でその愛を二次創作として表現し、同志と交流を図る、真夏の一大イベントだ。
そして、日本のポップカルチャーを広める裾野の一つを担っているのがコスプレカルチャー。しかし、そこには、その文化に足を踏み入れている者しか知り得ない、独自のルールや文化といったものが形成されている。
今回、その内情を探るべく、今もコスプレカルチャーに身を置くお二人にお話をうかがった。
日本の中でも有数の人気コスプレイヤーとして、テレビ番組などでも活躍するまでになったえなこさん。
えなこさん
同時に、えなこさんは超大規模なカメラマンの囲み撮影を受ける存在としても知られ、だよねさんはその囲み撮影が“上手い”有数のカメラマンである。
だよねさん撮影
囲みの中と外、それぞれから見た景色は、果たして同じなのだろうか? お二人の赤裸々対談から、興味深い差異や共通点が見えてきた。
*本稿では、だよねさんの著書にならって、カメラマンを「カメコ」と表記する
企画:Diora
お菓子、名刺、カウント…めくるめくカメコの世界
──だよねさんの漫画『野良カメコのピラミッド』には「へなこさん」をはじめ、作中に実在のコスプレイヤー、カメコにインスパイアされたと思わしきキャラがいますよね。『野良カメコのピラミッド』より
※1:人気コスプレイヤーとなると、移動中から多くのカメラマンがついてくるため、結果的に大名行列が形成される。
──えなこさんご自身は『野良カメコのピラミッド』のことはご存知でしたか?
えなこ Twitterで見たことがあります! もしかして私!? と思いながら見てました(笑)。
誰も傷つけないように面白く描いてもらえるのであれば、もっと登場させてください!
──お菓子カメコ(※2)や名刺カメコ(※3)、囲み時のカウントダウン(※4)など、作中に描かれている独自のカメコやコスプレイヤーのルールや文化は、だよねさんの経験によるものでしょうか?
※2・3:コスプレイヤーの撮影後、お菓子や名刺を渡していくカメコのこと
『野良カメコのピラミッド』より
だよね 僕の経験が多いです。お菓子や名刺を渡す行為は、撮影列で前に並んでいる他のカメコさんがやっているのを見て、自分も真似するという形で増殖しているようにも思います。僕自身、真似してやってみたこともあります。
忘れてはいけない「カメコの鉄則」
──事実を元に、かなり面白おかしく描かれている印象ですが、実際にコスプレイヤーから見て、カメコのヒエラルキーは存在するのでしょうか?『野良カメコのピラミッド』より
──(作中に登場する)「RTを制するものは〜コスプレ界を制する」など、独自の文化やルールはどうですか?
『野良カメコのピラミッド』より
──作中には掲載されていなかったコスプレ広場撮影の文化やルールなどはありますでしょうか?
えなこ なんだろう……撮影する時は一声かける、コスプレしているキャラクターがやらないようなポーズはやらないとかでしょうか?
『野良カメコのピラミッド』より
だよね レイヤーさんの好意で写真を撮らせてもらっているという前提を忘れないことだと思います。あとは囲み写真のときはレイヤーさん以外はモザイクをかけるように心がけています。撮影に関しての鉄則は「逆光で撮る」ですね。
だよねさん撮影
だよね イベント撮影での技術はわりと早く習得できると思いますので、カメラを趣味にしたいなら早めに良いカメラとレンズを買ってしまったほうがコスパは良いと思います。
すぐに上位機種が欲しくなるので、中途半端なものを買うのなら思い切ってそこそこ良いものを選んだほうが幸せになれます。これはギターの買い方に似てますね。
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