企業ブースを取材に訪れた4日目、バーチャルYouTuber(VTuber)関連のブースの前には長蛇の列ができていた。
青海展示棟の2ホールのBホールは、入り口の手前1列がすべてVTuber関連企業によるブースだった。
左手前からActiv8、Unlimited、いちから
各担当者が感じたコミケの手応え
今回のコミケについてうかがってみると、各ブースの担当者は口を揃えて「かなり盛況」と答えてくれた。キズナアイさんらが参加するバーチャルYouTuber支援プロジェクト「upd8」を運営するActiv8株式会社の担当者は「(前回と比べても)バーチャルYouTuberを愛してくれる人がしっかりブースに来てくれた」と振り返る。
Activ8運営の「upd8 & collaboration!」ブース
ホロライブサマー/画像は公式写真
「ホロライブ」ブース/画像は公式写真
いちから運営の「にじさんじ」ブース
実際、筆者の主観ながら、現地の盛り上がりも他の企業ブースと比べて遜色ないか、あるいはそれ以上のように見受けられた。
一般サークルの会場でもVTuber関連ブースの紙袋(ショッパー)をさげた参加者の姿を多く見かけた。
コンパニオンさんが手にした「Unlimited」ブースで無料配布されていたショッパーは、多くの参加者が持っていた
VTuber業界はまだまだ拡大路線
では今年に入ってからのVTuber業界について、「ブームが終わり幻滅期が訪れているのではないか」という見方について、各企業はどのように捉えているのか。ゲーム部プロジェクトなどを運営する株式会社Unlimitedは「コミケも初出展ながら多くのファンの方にきていただいた」と好感触。「これからについても衰退していくという印象は全くない」と話す。
Unlimitedブース
来週には中国でbilibiliワールドへの出展も控えており、現場は休みなく動いているようだ。
今後の展望については「ブームが始まって1・2年で一定の認知はして貰えていると思うので、初音ミクにおける千本桜のような一般に広く届くヒットコンテンツ・タレントが出てくるまで頑張り続ける」とした。
企業側としてはまだまだVTuber業界は拡大していくだろうと実感しているようだ。
ブームの幕開けから2年が経過。当初から追っているファンとしては、活動を続けてきたVTuberの引退などネガティブな話題もあり、真新しいニュースへのポジティブな印象や業界全体が拡大しているという実感を得られないという意見もあるだろう。
しかし引退する以上の勢いで様々なVTuberがデビューを飾り、それに伴いファンの裾野も様々なところに広がっていることだろう。ブースに並ぶ行列や紙袋を下げる一般参加者の姿が特に印象的だ。
半年前、冬コミで取り上げた記事と比較すると、今回の夏コミでのVTuber関連の出展は順当な形で拡大しているようにも感じられる。 ブームとしてではなく文化としてVTuberが根付いていくどうか。真新しさだけでなく各VTuberの運営がどのようなビジョンを持って行動していくかが鍵を握りそうだ。
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