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「フルスピードで走るのが俺の人生だった」解説 YouTubeで人気なミームの危険な使い方

「フルスピードで走るのが俺の人生だった」解説 YouTubeで人気なミームの危険な使い方

『ワイルド・スピード SKY MISSION』ラストシーン/画像は「See You Again」MVから

YouTubeのコメント欄などで、「フルスピードで〇〇するのが俺の人生だった」というフレーズを頻繁に目にしないだろうか?

人気カーアクション映画シリーズ「ワイルド・スピード」に登場するセリフを元ネタとしたインターネット・ミームだ。

ここ数ヶ月、交通事故などを報じるニュース動画などにもコメントが散見されており、それに対して「不謹慎」など批判の声も上がっている。このインターネット・ミームは、一体どういった経緯で発生したのだろうか。

※本記事には、映画『ワイルド・スピード SKY MISSION』のネタバレが含まれます

元ネタは「ワイルド・スピード」屈指の名シーン

「フルスピードで〇〇するのが俺の人生だった」の元になったセリフは、2015年に公開された「ワイルド・スピード」第7作『ワイルド・スピード SKY MISSION』の日本語吹き替え版のラストシーンに登場。

激闘の末に平和を掴んだ主人公のドミニク・トレット(演:ヴィン・ディーゼル)が、もう一人の主人公のブライアン・オコナー(演:ポール・ウォーカー)との別れの際に発した、「フルスピードで走るのが俺の人生だった」というセリフだ。
Sky Mission: ワイルド・スピード - スカイミッション(日本語吹替版)
2001年に公開された第一作『ワイルド・スピード』から15年、主人公たちの別れを描く一連のシーンは、シリーズのターニングポイントのひとつとなった。

加えて、ポール・ウォーカーさんは本作の撮影期間中に交通事故で亡くなっている。「ワイルド・スピード」の制作陣やファンにとっては、ブライアン、ひいてはポール・ウォーカーさんへの追悼でもある。

ラッパーのウィズ・カリファ(Wiz Khalifa)さんさんとシンガーソングライターのチャーリー・プース(Charlie Puth)さんが手がけた楽曲「See You Again」も相まって、このラストはシリーズ屈指の名場面として知られている。
Wiz Khalifa - See You Again ft. Charlie Puth [Official Video] Furious 7 Soundtrack

再流行のキッカケはYouTuberの企画動画

「フルスピードで走るのが俺の人生だった」は、元から人気があるシーンだった。2015年の映画公開から年月が経った今、なぜ再流行したのだろうか?

そのキッカケとなったものの1つが、2021年10月にYouTuber・ナパーズが投稿した企画動画だ。
ワイルドスピードの名シーン、いきなりやっても分かる人なら絶対にノッてくれる説
この企画は、道行く人に『ワイルド・スピード SKY MISSION』のエンディングの再現コントを仕掛けるというもの。

シリーズとして複数回行われており、YouTubeやTikTokで公開された動画の中には、数十万回再生されているものもある。

事故を報じるニュース動画でのミーム使用が増加

そういったバズで認知度が再上昇したこともあってか、事故などを報じるニュース動画のコメント欄に「フルスピードで〇〇するのが俺の人生だった」と投稿するユーザーが増加。

時には、自動車とも関係ないような動画にさえも使用されている。
中国・重慶で旅客機が炎上 乗客が滑走路を避難か
このようなミームの使い方に対して、SNS上で「うっとうしい」「つまらない」など迷惑がる声が上がっている。

注意すべきミームの使い方

交通事故などを扱う動画に対して利用してしまえば、このミームにはどうしても人命を軽んじているという文脈が付与されてしまう。ポール・ウォーカーさんが交通事故で亡くなっているという背景を持つこのミームにおいては、特にそういった悪印象は目立ちやすい。

ミームは、知っている人同士では面白さを共有でき、内輪の連帯感を強めてくれるいいツールとして機能する。だからこそ、共通言語を持った人たちの間では、どんなミームをどう使うかが人となりを表す記号となってしまうこともある。

輪の外にいる人を軽んじた使い方をし、ミームに悪印象をもたれてしまうと、そのミームは「他人を尊重できない人」の象徴となってしまうだろう。

ましてや今回のようなケースでは、本来は「ワイルド・スピード」という共通言語を持っていたはずの作品ファンすらも敵に回し、残ったのは「不謹慎なネタではしゃぐ奴」というレッテルだけ、ということになる可能性も高い。

そうなると、結果的に自分たちで楽しいコミュニケーションのツールを1つ捨ててしまったことになる。内輪での物言いは過剰になってしまいやすいからこそ、ミームや内輪ネタの使い方には注意したい。

広大なミームの世界

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