SCP財団「SCP-173」画像削除へ 無断転載から誕生した創作文化の元祖

SCP財団「SCP-173」画像削除へ 無断転載から誕生した創作文化の元祖
SCP財団「SCP-173」画像削除へ 無断転載から誕生した創作文化の元祖

「無題 2004」/画像はSCAI THE BATHHOUSEでの過去の企画展「加藤泉 展『裸の人』」イベントページより

POPなポイントを3行で

  • SCP財団「SCP-173」画像削除の決議を開始
  • 加藤泉の彫刻から生まれたSCPの元祖
  • ライセンスや要請ではなく”倫理的な問題”
ネット発の架空組織・SCP FoundationSCP財団)が、「SCP-173」として使用されている画像の削除について、議論および投票を行っている(外部リンク)。

この画像は、アーティスト・加藤泉さんの彫刻「無題 2004」をKeisuke Yamamotoさんが撮影した写真。

過半数以上の賛成が集まった場合、2月13日(日)に削除される。

匿名掲示板発のSCP財団、その元祖「SCP-173」

SCP財団日本支部公式サイト/画像はスクリーンショット(CC BY-SA 3.0

SCP財団は、都市伝説や現代ファンタジーをテーマにしたアメリカの匿名掲示板・4chan発のインターネットカルチャー。

異常な存在・物品を「確保、収容、保護」する架空の組織を舞台とし、Wikiサイトで有志による共同創作が行われており、日本をはじめ支部という形で、様々な言語で運営されている。

そして「SCP-173」はその元祖とも呼べる存在。2007年4chanに「無題 2004」の写真が無断で投稿されたことをきっかけに、SCP財団という文化が誕生し、形づくられてきた。

作者の要請ではなく「倫理的な問題」で自主的に決議

現在、クリエティブ・コモンズにおける「表示 - 継承 3.0 非移植 (CC BY-SA 3.0)」のライセンスの下で運営されているSCP財団。

「SCP-173」の画像については、「無題 2004」やその画像を商業目的に使用しないことを条件に、2014年に加藤泉さんから許諾を受け掲載してきた。

今回の決議は、加藤泉さんが画像の削除を要請したものではなく、自主的に行っているもの。「Announcement Regarding The Removal of SCP-173's Image(SCP-173の画像削除に関するお知らせ)」と題した発表(外部リンク)の中で、SCP財団の投稿者・yossipossiさんは、今回の決議の目的について「倫理的な問題」と説明している。

「SCP-173」の画像使用によって、彫刻「無題 2004」という作品の意味と目的が、(ある種ネットミームとして)永久に汚されることになったことを指摘。

また、SCP財団という題材を営利目的で使おうとする第三者によって、「無題 2004」が悪用されてきたことも理由として挙げている。

発表の中で「この件に関して加藤泉さんに連絡したり、嫌がらせをしたりしないでください。彼は合理的な範囲でSCPに関与しないようにしており、私たちは彼の全般的な協力に信じられないほど感謝しています」と述べている。

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