猫ミームブームが懐かしい昨今、SNSに突如現れた謎の子猫──その名も「Say Thank you to Gary.(ゲイリーにありがとうと言って)」。
「ゲイリーが〇〇を持ってきたよ」「ゲイリーはあなたが~~であることを確かめたいんだ」「ゲイリーにありがとうと言って」という3つの定型文で構成された、海外発祥のシンプルなミームです。
今回はそんな猫ミーム界の期待の新星「ゲイリーにありがとうと言って」を解説していきます。
「ありがとうゲイリー」と返すだけの参加型ミーム
「ゲイリーにありがとうと言って」は、TikTokアカウント「biscuitsndgary」によって2024年7月に投稿された動画が初出と見られています(外部リンク)。
@biscuitsndgary Gary brings McDonald's #cat #kitty #animallover #cutecat #kitty #kittycat #cutie #mcdonalds #happymeal #gary #thankyou ♬ ペーパームーン - Minuano
このミームにおけるお約束は、コメント欄で「ありがとうゲイリー」と返すという簡単なもの。
ゲイリーの可愛らしさと健気さ、そしてコメントするだけで参加できる手軽さが人気となり、TikTokを中心にバイラルヒットとなりました。
一過性のバズを越え、暗号資産プロジェクトへ
最初のうちは一部の熱心なファンの間で静かに支持されていた「ゲイリーにありがとうと言って」ですが、やがて思わぬ方向へと広がっていきます。
アメリカの経済紙Forbes社のサイトによると、このミームは今や暗号資産プロジェクトとして展開されているとのこと(外部リンク)。
ド直球なゲイリーの公式サイト/画像は公式サイトのスクリーンショット
プロジェクトが掲げる最大の目的は、「ゲイリーにありがとうと言って」を“インターネット最大級の猫ミーム”へと成長させること。
つまり、このミームは意図的な仕掛けによって拡散されたものであり、今もなおその流れの中で広がり続けているのです。
可愛いけどなんか不穏? 日本での反応は
「ゲイリー」の日本版X(旧Twitter)アカウントが開設されたのは2025年3月。可愛い猫が献身的な行動を見せるというキャッチーさでじわじわと人気を集め、7月6日の「たまごサンド」の投稿をきっかけに一気に拡散しました。
現在は日本版Xのフォロワー数が11万人を超え、本家Xのフォロワー数3.2万人を大きく上回っています。
海外では純粋に癒し系のミームとして受け入れられていたゲイリーですが、日本では少し異なる文脈で解釈されているようです。
たとえば「ゲイリーにありがとうと言って」というやや不自然な命令口調や、過剰に献身的で突拍子のない行動に底知れぬ恐怖を感じるという声も。
ゲイリーが地球を覆う様子/画像は日本版公式Xから
ゲイリーが献身的なのはなぜなのか。「ありがとうと言って」と言っている人物は誰なのか……など、様々な考察がXで議論を呼んでいます。
ミームのシンプルさと直訳風の日本語が、どこかSCP財団(Secure Containment Procedures)を想起させるという声も少なくありません。
一見、優しい世界から生まれたかのように見える「ゲイリーにありがとうと言って」。あなたは、このミームをどう解釈しますか?

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