「#bananacat」というハッシュタグによって、海外を中心にTikTokをはじめとするSNSで拡散。日本でも「バナナ猫」と呼ばれる、手足の生えたバナナに猫の顔を持つインパクト抜群の生き物です。
特徴的なのはそのビジュアルだけでなく、バナナキャットは子どものような鳴き声で大量の涙を流し、動画には「ハッピーハッピーハッピー」という音楽が流れます。
TikTokやYouTubeショートを中心に謎の流行の兆しを見せています。
目次
理不尽に見舞われるバナナキャット
「#bananacat」のハッシュタグをつけて投稿される動画には、多くの場合、複数の猫が登場します。その中でも代表的なのが、話題となっているバナナキャットと、「ハッピーハッピーハッピー」という音楽とともに飛び跳ねる別の猫。
様々なシチュエーションで彼らのショートムービーがつくり上げられ、悲しい思いや理不尽な目にあって涙を流すバナナキャットと、対照的にハッピーな猫が描かれます。
2匹のコントラストこそが、このミームのカギを握っているとも言えます。
癖になるハッピーなBGM
「#bananacat」の動画で用いられるこの楽曲は、こども向け音楽を配信するSuper Simpleによる英語教材の一つ「My Happy Song」です。こどもの歌唱用の楽曲なので、速すぎないちょうどいいテンポに加え、コール&レスポンス形式で、視聴者が曲にあわせて歌うレスポンス用の間も設けられています。
「My Happy Song」は、この絶妙な空白とコミカルな歌声とシンプルな曲調によって、癖になる「#bananacat」のBGMへと変化を遂げました。
飛び跳ねる猫は「Happy Happy Happy Cat」
インターネット上のミームやバイラル現象を有志たちが研究・記録するサイト「Know Your Meme」によると、この「My Happy Song」と猫を組み合わせたミームは、バナナ猫よりも少し前から「Happy Happy Happy Cat」として存在していたと言います。Happy Happy Happy Catは、猫がガラスドアの後ろでジャンプしているバイラルビデオを指す。2015年に初めて登場したこのクリップのバージョンは、TikTokやYouTubeに登場し、「ハッピーハッピーハッピー」という効果音とともに、様々な映像に使われ、しばしば他の猫とペアになっている。
2023年3月8日、TikTokのユーザー@happyhappiihappyが、様々な猫を使った最初の動画をアップロードした。この動画は1ヶ月で29500回以上再生された(Happy Happy Happy Cat | Know Your Memeより、翻訳は筆者)
【2024年2月14日 追記】 情報提供により、上記の動画は2015年にXに投稿された動画の転載だと判明しました。
その後、様々な映像で使われるように。行きつけのペットショップが今日で閉店…連れて帰りたい pic.twitter.com/NGF2U23fJM
— な○じま (@1Nssu) November 8, 2015
そして現在投稿されている「#bananacat」の動画の多くには、「#happycat」のハッシュタグが同時に用いられています。@happyhappiihappy Cat Mum and Cat Dad leaving their kittens outside for learning survival skill 🥺🥺🥺 #cat #foryou #kucinglucu #funny ♬ original sound - HappyHappyHappy
@happyhappiihappyさんは2023年3月8日に上記の動画を投稿しましたが、この時「#happycat」のハッシュタグはつけられておらず、ハッシュタグが初めてつけられたのは、2023年3月17日に投稿された3本目の動画からです。
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