TikTokの米国事業、イーロン・マスクへ売却検討と報道 禁止法案への対応か

TikTokの米国事業、イーロン・マスクへ売却検討と報道 禁止法案への対応か
TikTokの米国事業、イーロン・マスクへ売却検討と報道 禁止法案への対応か

米TikTok事業の売却先の候補として名前が挙がったイーロン・マスクさん/画像は本人のXより

Bytedance(バイトダンス)社の運営するTikTokのアメリカ事業が、Xのオーナーである実業者のイーロン・マスクさんへ売却されるかもしれない。

1月14日、中国当局が米TikTok事業についてイーロン・マスクさんへの売却を検討していると、Bloombergなどが報じた(外部リンク)。

アメリカでは、TikTokの運営を事実上禁止する法案が1月19日(日)に発効。Bytedance社が同日までにTikTokの米国事業を他国へ売却しなければ、アメリカでのアプリ配信などが禁止となる。

法案を巡って法廷闘争が続く中、その動向に注目が集まる。

現実味を帯びるアメリカでのTikTok禁止

TikTokを巡っては、開発元の中国企業・Bytedance社を通じた中国政府への情報流出など、安全保障上のリスクを懸念して、各国で規制の動きが進んでいる。

アメリカでは、2024年4月にジョー・バイデン大統領がTikTok禁止法案へ署名すると、Bytedance社はこの法案が「表現の自由を侵している」として抗議。法廷闘争がはじまった。

しかし同年12月6日には、連邦控訴裁がこの法案を合憲だと判断。12月13日には、TikTok側が申し立てた緊急差し止めを却下している。

現在、裁判は最高裁までもつれ込んでいるものの、Bloombergの報道によると、2025年1月10に行われた口頭弁論では、判事らが「法案は合憲と判断する可能性が高い」と示唆したという。

その場合、TikTokがアメリカでサービスを継続するためには、米TikTok事業をアメリカと“敵対する外国”以外の企業に売却しなければならない。

米TikTok事業の売却先“候補”としてのイーロン・マスク

法案で定められた米TikTok事業の売却期限は1月19日。刻一刻と期限が迫る中、売却先の選択肢として名前が挙がったのが、Xのオーナーであるイーロン・マスクさんだ。

あくまで候補として名前が挙がっただけであり、具体的な買収に関する情報は報道されていない。

しかし奇しくも、売却期限の翌日はイーロン・マスクさんが支持しているドナルド・トランプさんのアメリカ合衆国大統領再就任の当日。

トランプ次期大統領は、新政権においてイーロン・マスクさんを政府効率化省のトップに据える意向を示している

そんなイーロン・マスクさんが、もしXに続いてTikTokを手にした場合、その影響力はさらに絶大なものになりそうだ。

セキュリティへの懸念から、世界各国で広まるTikTok規制

一方、2023年にはオーストラリアが、ユーザー情報の過剰な収集によるセキュリティへの影響を理由に、連邦政府機関の使用端末でのTikTokの使用を制限。

ニュージーランドやイギリス、フランスでも、公用端末での使用が禁止されている。

2024年5月には、フランス領ニューカレドニアで発生した暴動への対処として、フランス政府がTikTokの使用禁止を発令。

産経新聞の報道では使用禁止の理由として、暴力的な映像の拡散抑止やデモ参加者の連絡網の遮断、偽の情報を流布することへの懸念などが挙げられている(外部リンク)。

音楽の世界的ヒットの源泉として注目されるTikTok

TikTokは、中国系企業・Bytedance社が運営する短尺動画を中心としたSNS。

ヒップホップユニット・Creepy Nutsの楽曲「Bling-Bang-Bang-Born」をはじめ、近年は音楽の世界的ヒットを生み出すプラットフォームとして知られている。

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