連載 | #21 コミックマーケット95

キズナアイら所属upd8、コミケで感じた手応えと反省 VTuberが広がるために

キズナアイら所属upd8、コミケで感じた手応えと反省 VTuberが広がるために
キズナアイら所属upd8、コミケで感じた手応えと反省 VTuberが広がるために

「コミックマーケット95」のupd8ブース

POPなポイントを3行で

  • キズナアイら所属のupd8がコミケ出展で感じた手応え
  • 予想外への反響とVTuber発展に向けた次への意欲
  • 2019年のバーチャルYouTuber界
いまや6000人を超えるというバーチャルYouTuber(12月19日時点、ユーザーローカル調べ)。2017年末ごろから急速に数を増やし、2018年には多いときで月1000人ペースで新たなVTuberが誕生していました(外部リンク)。

VTuber界にとって激動の1年の終盤、2018年12月の「コミックマーケット95」(C95)の会場には、キズナアイさんらが所属するVTuber支援プロジェクト「upd8」(アップデート)や月ノ美兎さんらを擁するバーチャルライブ配信グループ「にじさんじ」など、企業・サークル含め多くのVTuberの姿がありました。

同年3月の「AnimeJapan2018」では、VTuberの登場は中外鉱業などの物販やステージイベントでのゲスト出演などごくわずかだったことを考えると(これも十分にすごいことですが)、大きな飛躍を遂げたことは言うまでもありません。 同人誌即売会として世界最大級であるコミケへの出展に、運営サイドはどのような手応えを感じていたのか。総勢50組以上のバーチャルタレントを抱えるupd8のブース担当者の話から振り返ります。

前例少ないVTuberの物販、予想外の反響

upd8はActiv8が運営するバーチャルタレント支援プログラムです。キズナアイさんをはじめ、YuNiさん、織田信姫さん、ヤミクモケリンさんら多くのVTuberが所属しています。

C95最終日の前日・前々日には、キズナアイさんが自身初の単独2daysライブ「Kizuna AI 1st Live “hello, world”」を東京・大阪で開催。大阪公演はニコニコ生放送でも同時中継され、ファン総勢約3万7000人が熱狂しました。
Kizuna AI 1st Live "hello, world"
【写真】「Kizuna AI 1st Live "hello, world"」の熱狂をもっと見る 当然コミケでの注目度は高く、upd8のブース周辺は常に多くの人だかりが。関連グッズも完売が相次ぎました。ブース担当者によれば「予想外の反響」「完売を出してしまったのは申し訳ない。グッズももっと多く用意するべきだった」と振り返ります。

夏コミ(C94)でもVTuber関連の出展はありましたが、「前例としてはまだまだ少なく、upd8としても夏に出展していなかったので、VTuberのグッズがどれだけ売れるのか予想できない部分があった」ようです。

VTuberを「まだまだ届けられていない層がいる」

コミケでの反響、さらにはこの1年の盛り上がりをみると、VTuberはすでに市民権を獲得したように思えます。若年層を中心に、アニメやゲームといったコンテンツと肩を並べるほどに。

それでもupd8担当者は「知名度という意味ではアニメやゲームなどに比べたら本当にまだまだ」とコメント。キズナアイさんを例に、「最近はテレビへの出演も増えているが、放送されるたびに、チャンネル登録者数や再生回数が増える。まだ届けられていない層がいるなと実感する」と語ります。 インターネットを通じて世界へ発信できるYouTubeというプラットフォームであっても「すべての人が観ているわけではない」のは事実。「普段はYouTubeを観ない人、より幅広い人にもリーチする必要がある」と、今度の課題を口にしました。

最後に、次回のコミックマーケット出展について尋ねると、意欲的なコメントが返ってきました。

「(次回も)出たいと思っている。upd8はVTuberを自分たちでプロデュースして育てるというだけではない。企業勢も個人勢もいる中で、彼・彼女たちができないことをサポートする、つまり場所や仕組みをつくることもupd8として必要なこと。そういう意味ではコミケなどのイベントへの出展も必要だと感じている」

2019年のVTuber界、取り残されないように

2019年1月からは、VTuberによるテレビアニメ『バーチャルさんはみている』が放送スタート。初回放送時にはTwitterの世界トレンド1位を獲得しました。

また、人気VTuberのひとり・輝夜月さんは、早くも2度目となるVRライブの開催が決定するなど、年始からVTuber界は話題にあふれています。 およそ1年前、2017年末の時点におけるVTuberを紹介した記事を振り返ると、いまやテレビ出演もこなすVTuberの変化のスピードに感慨深さを感じます。 こうした変化の早さに置いていかれないように、2019年、まさに一段階外の領域へと広がろうとするVTuberを注視していきたいと思います。

KAI-YOUのVTuberインタビュー

この記事どう思う?

この記事どう思う?

関連キーフレーズ

1件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:2521)

>アニメやゲームといったコンテンツと肩を並べるほどに
背伸びしてるだけで並んではいないと思う
2年後、3年後に活動を続けているVTuberが果たしてどれだけいるのか