VTuberキズナアイ復活　新名義「KizunaAI」としてアーティスト活動再開

VTuberのキズナアイさんが2月26日、2022年に発表した無期限の活動休止（スリープ）から3年ぶりに活動を再開した。

アーティスト「KizunaAI」という新名義のもと、シングル「かもね」をリリース。さらにMVも公開された。

活動再開にあたって、KizunaAIさんは「ただいま」と題した動画を投稿。

音楽を通してよりたくさんの世界中の“あなた”とつながることを目的に、アーティストとして改めて再出発すると発表している。

“元祖バーチャルYouTuber”とも呼べる存在 キズナアイ

KizunaAIさんは、現在に至るまで続くVTuberカルチャーの起点として、“元祖バーチャルYouTuber”とも呼べる存在。

ボイスモデルは声優・春日望さん、キャラクターデザインはイラストレーター・森倉円さんがつとめている。

「あなたとつながりたい」という想いを軸に2016年12月からYouTubeで動画投稿を開始。チャンネル登録者数は299万人（記事執筆時点）。

以降はアーティストとしての楽曲リリース、TV出演や地上波冠番組の放送、日本政府観光局が実施する訪日旅行促進キャンペーンのアンバサダー就任など、VTuber文化のアイコンとして多岐にわたる活動を展開した。

KizunaAI、活動休止から3年ぶりに目覚める「ただいま！」

KizunaAIさんは、2022年2月26日から「キズナアイがより成長していくことを目標としたアップデート」として無期限に活動休止。

その間も、関連プロジェクトとして音声合成ソフトのボイスライブラリ「#kzn」や、TVアニメ『絆のアリル』などが発表され、2024年からはYouTubeの動画や「cognition」と題したWebサイトなどで活動再開の兆しを見せていた。

キズナアイ、復活か？ 謎のカウントダウンを開始「もう起きるからね」

VTuber・Kizuna AI（キズナアイ）さんの活動開始記念日にあたる12月1日、YouTubeチャンネル「A.I.Channel」で、「Can you wake up?」と題した動画が投稿された。Can you wake up?キズナアイさん関連プロジェクトと目されるWebサイト「cognition」でも、謎のカウントダウ...

kai-you.net

2024年12月には、「Can you wake up?」と題した動画が投稿され、動画の終盤には、謎のカウントダウンが表示された。カウントダウンから逆算すると、2025年2月26日でゼロになるため、復活への機運が一層高まっていた。

活動再開が発表された2月26日22時の直前には、2024年6月から「s h e e e e p」というタイトルで継続されてきたYouTubeのライブ配信に変化が。

真っ白な画面に「待っててくれてありがとう！ただいま！」とKizunaAIさんの声が響き渡るとライブ配信が終了。その後、22時には楽曲「かもね」のMVがプレミア公開された。

なお、活動再開にあわせて公式サイトもリニューアルされている。

KizunaAIの新曲ポップソング「かもね」 MVには様々な姿で登場

今回リリースされた楽曲「かもね」は、作曲をシンガーソングライターのESME MORIさん、作詞をKizunaAIさん、ESME MORIさん、ミュージシャンのにしなさんが手がけた。

KizunaAIさんの新しい目覚めを伝えるポップソングに仕上がっている。

様々な姿のKizunaAIさんが登場する印象的なMVは、映像制作ユニットのqootainが制作。

映像には、モニターの中で眠るKizunaAIさんが登場。その後は切り絵や3Dプリント、ドローイング、フォトグラメトリなど様々なスタイルでKizunaAIさんが描かれ、これまでの彼女の歩みや再始動が表現されている。

KizunaAI、今後は音楽を中心に活動　年内にアルバムリリース

その後、23時には「ただいま」と題した動画が公開。KizunaAIさん本人から、活動休止の経緯や今後の活動について説明された。

動画によると、今後は音楽活動を中心に活動。3月には「かもね」に続く2曲目のリリースも予定しているという。

さらに、2025年内のアルバムリリースを目指し、10曲の発表を目標とすることや、「世界中のみんなの前でリアルライブやりたい」と抱負を語った。

音楽に関しては、休止前に展開していた日本のインターネットダンスミュージックを軸にしながら、インディー・バンドサウンドやJ-POPのエッセンスを融合。新しいJ-POPの形を世界へ提示していくという。

新名義の「KizunaAI」は、活動再開前の名義である「Kizuna AI」から半角スペースがなくなっている。スペースを取り除くことで、「つながりたい」というメッセージを強調しているのだろうか。

KizunaAIさんはXで、「たくさんのクリエイターさんのお力を借りながら、私ならではの音楽をみんなに届けられるように頑張ります！」と、積極的な音楽活動に向けて意気込んでいる。