ホロライブ「Blue Journey」とは何か? 青き理想を追求した1stシングル『水たまり』から解き明かす

初の23人フルメンバー歌唱の1stシングル『水たまり』

「Blue Journey」のスタンスを克明に示した1stアルバム『夜明けのうた』に続く、1stシングル『水たまり』は、初めて23人フルメンバーが歌唱に参加するメモリアルな一曲になっている。

各パートで個性的な歌声をユニゾンさせていき、全員の歌声が美しく折り重なっていく様は圧巻の一言。

誰もがそう思いながらも表には出せない思いの絶叫──プロジェクトのスタンスは貫きながらも、大人数での歌唱によってかつてないスケールの大きさも両立させる、1stシングルにふさわしい自信と挑戦に溢れたナンバーだ。

1stシングル『水たまり』初回限定盤および完全生産限定UNIVERSAL MUSIC STORE盤ジャケット

作詞・作曲・編曲は、乃木坂46など数多くの女性グループ楽曲を手がけてきたサウンドプロデューサー・Carlos.Kさんが担当。

静かな語りのように始まり、零れる雨粒のように儚く美しいピアノのイントロが、内から湧き上がる感情を素直に受け入れられない苦しみをまざまざと描く。

そして、胸を掻きむしるように鳴るアコースティックギターの激しい音色が、それでも前を向く強い意志をダイナミックに表現している。
「水たまり」MV

悔しくて嫌いになった
消えてしまいたいと思った だから
聴こえないように叫ぶ歌
水たまりに吐き捨てた 声 1stシングル表題曲「水たまり」

現在の「Blue Journey」のあり方をハッキリと示す最初の1フレーズ目に、この1stシングルを新たなアンセムとして確立せんとする意志を感じさせる。

きれいじゃない きれいじゃない でも
嫌いじゃない 嫌いじゃないでしょ
真っ直ぐに不器用でも良い
どうでも良いどうでも良いんだよ
君を襲う どんな雨も
水たまり 踏みつけて
笑われたって良いんだ
溢れたって良いんだから
恐れずに前を向いたら息をしてみて 1stシングル表題曲「水たまり」

「きれいじゃない」「嫌いじゃない」「どうでも良い」──心をざわつかせる言葉のリフレインが強く印象に残るが、そうして苦難に寄り添いながら、最後には“息をしてみて”と締める。

“頑張れ”でも“戦え”でも“立って”でもない、絶望から立ち上がる小さく大きな一歩目。その一呼吸目にあたたかく手を差し伸べるフレーズに、「Blue Journey」らしさは凝縮されているのではないだろうか。

「誰かの心に少しでも寄り添えるように」

「水たまり」は、1stライブの最後にサプライズとして披露され、初披露ながら最後には大シンガロングを巻き起こすなど、ライブチューンとしての強度の高さもすでに証明済み。

「水たまり」がサプライズ披露された1stライブのワンシーン

そんな楽曲を収録した1stシングルは、Instrumentalに加えてライブ音源をミックスした「Performance ver.」、ピアノアレンジを施した「Instrumental Piano Arrange ver.」と、「水たまり」の魅力を味わい尽くせる一枚になっており、収録内容にまでも挑戦の意志を隠さない様子はもはや頼もしい。

初回限定盤および完全生産限定UNIVERSAL MUSIC STORE盤の特典であるアートブックには、これまでを総括したプロデューサーインタビューや、各メンバーの衣装姿を詳細に確認できる設定図が同梱。「Blue Journey」の世界をさらに奥深く探求したいファンにとっては必見の内容だろう。

『水たまり』初回限定盤

初回限定盤の本編ディスク(左)とアートブック(右)

「生きるのは楽しい事ばかりじゃないって知っているから」
「誰にも話せない悩みにだって共感したいから」
「輝きだけじゃない、影と共に歩んでいく」
「Blue Journeyはこれからも旅を続けていきます」
「誰かの心に少しでも寄り添えるように」

1stライブでそう宣誓した通り、「Blue Journey」の旅は続いていく。夜明けを越えて新たな一歩を力強く踏み出す渾身の1stシングルは、他でもないあなたへと送られている。
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