明るく元気なアイドル像を表現する「hololive IDOL PROJECT」──そんな王道が放つ輝きとは異なるメッセージを届ける新プロジェクトとして発足した「Blue Journey」は、そのテーマを色濃く映す1stアルバム『夜明けのうた』のリリース、アルバムタイトルを冠した1stライブ「夜明けのうた」の開催と、精力的に活動を展開してきた。
満を持しての1stシングルリリースという新たな局面を迎えるにあたり、改めて「Blue Journey」とはどんなプロジェクトなのか、その旅路の果てに何を為さんとするのか。
「水たまり」をはじめとする楽曲の歌詞やライブパフォーマンスから、彼女たちの目的地を紐解いていこう。
記事最後には、担当プロデューサーからメンバー23人それぞれへのコメントも掲載している。
文:オグマフミヤ 編集:恩田雄多
「Blue Journey」1stシングル『水たまり』の詳細をチェックする目次
ホロライブの新たな音楽プロジェクト「Blue Journey」
さくらみこさんや兎田ぺこらさん、宝鐘マリンさんといった強烈な個性を放つVTuberが多数所属するホロライブ。「Blue Journey」は、そんなホロライブの新たな取り組みとして、2023年4月から展開されている音楽プロジェクトだ。 目指すのは「輝きだけではなく、隠したくもあり声枯れるまで叫びたくなるような感情を、楽曲と世界観で表現していくことで、笑顔の一助になること」。
そのビジョンに共感したホロライブ所属タレント23人が参加している。
多くの人気タレントが参加する大型プロジェクトというだけでもセンセーショナル。「Blue Journey」参加タレント ※敬称略
アキ・ローゼンタール、白上フブキ、湊あくあ、癒月ちょこ、大空スバル、大神ミオ、さくらみこ、猫又おかゆ、戌神ころね、兎田ぺこら、不知火フレア、白銀ノエル、宝鐘マリン、天音かなた、角巻わため、常闇トワ、姫森ルーナ、雪花ラミィ、獅白ぼたん、尾丸ポルカ、鷹嶺ルイ、博衣こより、沙花叉クロヱ
加えて、王道である「hololive IDOL PROJECT」とは明確に異なるテーマを持ち、独自の路線を貫きながらも、お披露目たる1stライブで東京ガーデンシアターをソールドアウトさせた「Blue Journey」の魅力は、それだけではない。
王道とは一線を画すダークなエモーションの発露
「Blue Journeyは、これまでホロライブが大切にしてきた輝きや笑顔といった王道アイドル像を保ちつつ新しいコンセプトを示すために、ホロライブの裏垢的な存在として活動やアカウントを分け隔てました。表では隠したいけど本当は吐き出したくなるような感情を表現する、人間味あふれる歌詞を歌い上げることで、聴いている人の心に寄り添えるのではないかと考えています」これは、1stシングル『水たまり』の初回限定盤に付属するアートブックの中で、担当プロデューサーが語った言葉。
「Blue Journey」が表現するのは王道アイドルの放つパッショネイトなエネルギーではなく、誰もが内に秘めつつも軽々に解き放つことのできないダークなエモーションだ。
「ラブソングはいらない」「夏を許せない」「僕は独りだ」といった、これまでの楽曲タイトルを見ても、そのテーマが強い意志の元で一貫されていることは明白だ。
それぞれの歌詞にも苦しみや劣情が生々しく描かれており、人によっては痛いほど共感してしまうものもあるだろう。
駆け抜けて 駆け抜けて青春時代はそれがいい
メロディーすらない歌を6弦でかき鳴らせ
「大丈夫大丈夫」 そんな応援歌はいらない
誰かの理想を捨て望まれぬ夢を叫べ
憧れなんていらないさ 1stアルバム『夜明けのうた』収録曲「ラブソングはいらない」
心配性と嘘と嫉妬
まるで星座みたいに夜に散らばるよ
ひとりきりではもう
夏の魔法を素通りできないよ
ずっと子供でいようよ すべて知らんぷりしようよ
まだ急がないで ほら慌てないで 惑わされないで 1stアルバム『夜明けのうた』収録曲「夏を許せない」
後悔の連続ばかりで 失ってばかりだった
失敗も後悔も全部 やり直したいんだ
今更 初めて気付いた いつだって馬鹿は僕だ
だから僕は独りだ 1stアルバム『夜明けのうた』収録曲「僕は独りだ」
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