ホロライブ「Blue Journey」とは何か? 青き理想を追求した1stシングル『水たまり』から解き明かす

「Blue Journey」が掲げる青き理想の追求

王道とは異なるスタイル、クールでダークな世界観を表現しながらも、「Blue Journey」がペシミスティックな生き方を志向するプロジェクトではないことはハッキリと述べておきたい。

「Blue Journey」が掲げる「不の人間模様」というテーマ、および過去の担当プロデューサーインタビューにもそれは示されている。

担当プロデューサーは2023年8月、『FLYING POSTMAN PRESS』のインタビューで「“不”は、不幸・不満・不安など、後ろの言葉を否定する接頭語です。後に続く言葉には“したい・なりたい・得たい”など人々が“こうありたい、こうあってほしい”と望んでいるものが多いです。それが否定された状態──望んでいることができなかった・なれなかった・失ってしまった時の感情に寄り添うために“不”としました」とコメント。
「あの日の僕らへ」
その上で、「ただ、不敗や不滅など不が否定する言葉自体がネガティブな場合は、“不の人間模様”は前向きなメッセージを持つこともできます」と語り、「Blue Journeyが最後にめざすところは人々の笑顔なので、前を向けるように、未来に向かって歩むようなメッセージ性を組み込めるように“不”を使うことにしました」と説明している。

誰もが持ちうる影、光が強く輝くほど深みを増す暗き感情に向き合うのは、その先に「笑顔の一助になること」という希望を目指しているから。

共存だけが理想じゃない
正解だけが手段じゃない
見えない敵に負けないで
見えない敵に負けないで 1stアルバム『夜明けのうた』収録曲「光の軌跡」

「光の軌跡」
清々しいまでに青き理想の追求のために、痛みや苦しみの伴う茨の道を突き進むことを厭わない姿勢は、「Blue Journey」の放つ一つひとつのメッセージに確かな熱と血を通わせている。

特別感と優しさを両立する「Blue Journey」

それぞれの個性を反映した個別衣装ではなく、全員で統一の衣装を身に着けていることは「Blue Journey」の大きな特徴のひとつだ。

“らしさ”を追求した楽曲群、群青と白を基調した統一衣装でも各メンバーのいつもと違ったスタイルを楽しむことができるが、特にライブでは“ここでしか見れない姿”をより強く感じることができた。

2023年9月に開催された1stライブ「夜明けのうた」

アルバムリリースの直後に行われた1stライブは、一切のMCを挟まず、楽曲と朗読のみという挑戦的な構成で実施。

楽曲にも通ずるリアルな感情を剥き出しにした朗読パートに、世界観を全身全霊で表現するライブパートの連続は特別なライブ体験をもたらし、見る者全てに「Blue Journey」が持つ覚悟の強さを感じさせた。 元々それぞれのメンバーを応援していたファンからすれば、「Blue Journey」での活動でしか見ることのできない推しの特別な姿を見て、新たな魅力に気づけるのは言わずもがな。

逆に「Blue Journey」をきっかけに、各メンバーの活動をたどるという楽しみ方もできるだろう。

強固な世界観を確立しながらも、誰一人置いていかない懐の深さをも「Blue Journey」は兼ね備えている。
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