世界最大級の同人誌即売会・コミケは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で中止・延期が続いていた。
その空白の期間に大躍進を遂げたエンタメ企業のひとつが、バーチャルYouTuber(VTuber)グループ・ホロライブおよびその事務所・ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社である。 前回のC97に続き、カバー株式会社は「ホロライブ」名義でブースを出展。待機列が屋外にまで伸びるほどの盛況ぶりを見せた。ブース担当者によれば、初日にアーリー入場した参加者のおよそ9割がホロライブ目当てだったようだという話も。
※今回、感染拡大防止策として、史上初となる有料チケット制を導入。「アーリー入場」はその名の通り会場に先行入場できるチケットで、一般入場2000円に対して5000円で販売された
背景を知らなければ大袈裟だと思われるかもしれないが、それほどに近年のホロライブ躍進は凄まじい。
英語圏を中心に活動するホロライブEnglishに所属するGawr Gura(がうる・ぐら)さんのチャンネル登録者数がVTuber史上初となる300万人を突破しVTuberとして世界1位に。
ほかにもホロライブ所属タレントによるVTuberのチャンネル登録者数ランキング上位独占や、星街すいせいさんによるオリコン&日本Billboardのダウンロードチャート1位獲得など、その勢いを象徴する話題には事欠かない。
今回のコミケをホロライブ運営はどう見ていたのか。ブース担当者に話をうかがった。
「コミケに関しては特別な思い入れがある」
──C99に出展してみていかがですか?ブース担当者(以下、担当) 普段、インターネットでファンと交流しているのですが、やっぱり生で会えるのが嬉しいですね。
2年ぶりのコミケということもあり、参加者の熱気が凄い。その期待に応えられていればと思います。
──早い段階で出展することは決めていたのでしょうか?
担当 そうですね。私たちにとってもコミケは大切なイベントのひとつです。
前回のC97では、翌月にホロライブ初の全体ライブ「hololive 1st fes. 『ノンストップ・ストーリー』」の開催が控えていました。
コミケの次にライブがある、その流れがホロライブを大きく成長させた要因のひとつでもあります。コミケに関しては特別な思い入れがありますね。
──前回と比べて、人数制限により参加者が少ない点についてはどうでしょうか?
担当 ありがたい話、アーリーで入場した参加者のおよそ9割がホロライブのブースを目指して来られたそうです。そういった意味だと、昔と変わらずの盛り上がりですね。
正直、2年のブランクもあり何人来るか(ブース出展側としては)読みづらくはありました。
「来年もホロライブをお楽しみいただきたい」
──出展するにあたり、販売するグッズのラインナップで意識した点はありますか?担当 年末ということで、「来年もホロライブをお楽しみいただきたい」とカレンダーを中心にラインナップを選んでいます。 ──コロナ以降、配信文化はかなり盛り上がりを見せましたが、運営としてはどう受け止めていますか?
担当 そうですね。巣篭もり需要もあり、同時接続者数やフォロワー数が増えたことは正直実感はありました。逆に、10月に緊急事態宣言が解除されてからは、若干少なくなっていますね。
──それも踏まえつつ、2022年に向けての意気込みはありますか?
担当 この1、2年、数多くのファンに応援していただいてる中、ホロライブEnglishなど世界に向けたタレントグループを設立したり、メタバースプロジェクト「ホロアース」を始動したりと、さらに面白い・楽しい体験をしていただくため考えられるだけの地力がついたのではないかと感じています。
今回のコミケのように、できればリアルなイベントでファンの皆様に還元していきたいですね。
止まらないホロライブ
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連載
2021年12月30日(木)・31日(金)の2日間にわたって東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される「コミックマーケット99(C99)」を特集。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中止・延期を経て、2019年12月の冬コミ「コミックマーケット97」以来2年ぶりにリアル開催される世界最大級の同人誌即売会。 参加者の入場に新型コロナワクチンの接種証明やPCR検査結果証明の確認を実施、東西エリアが自由に行き来できないなど、従来とは大きく異なる中で1日あたり約10000サークルが参加。 サークル、コスプレ、一般、さらには準備会と、コミケにおける全参加者の状況を特集する。
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