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連載 | #35 ポップなまとめ記事をつくってみた

【2020年】日本のヒップホップ名曲まとめ 若手や女性、半グレからメジャーまで多士済々

chelmico「Easy Breezy」

Rachel(レイチェル)さんとMamiko(鈴木真海子)さんからなるラップユニット・chelmicoの楽曲。

自主制作アニメをテーマにしたアニメ『映像研には手を出すな!』のオープニングにも起用されており、ポップでエネルギッシュでありながらも肩の力の抜けたトラックに、自由な創作のスタイルが歌われています。

同曲が使われたオープニングが海外でミームになったり、chellmicoがこの曲でテレビ朝日の「ミュージックステーション」への出演を果たしたりと、ラップの枠に収まらない広まり方が印象的でした。

屋内でありながら様々に展開する想像力に溢れたMVも印象的であり、KAI-YOUでは監督を務めた田向潤さんへインタビューも行っています。

DJ CHARI & DJ TATSUKI - GOKU VIBES feat. Tohji, Elle Teresa, UNEDUCATED KID & Futuristic Swaver

上記の「TEENAGE VIBE」で「2020背負って立つ」と歌い、下半期に入ってから精力的なリリースを続けているTohjiさんが、ELLE TERESAさんや、韓国の気鋭のラッパー・UNEDUCATED KIDさん、Futuristic Swaverさんとリリースした1曲。

世界的にはBTSの躍進もすさまじいですが、彼らを輩出した韓国のHIP HOPシーンから気鋭と呼ばれる2人をフィーチャリングして曲をつくっており、活動のスケールの大きさがうかがえます。

トラップ系のビートにそれぞれのフロウもあって聞いていてにノりやすいですが、要所に抜きがあって強いフレーズの部分は自然と聞き入ってしまう構造になっていて、聞き心地もよく印象にも残りやすくなっています。

Tohjiさんがフックで見せたダンスはTikTokで「#gokuvibeschallenge」としてバズり、THE RANPAGEの後藤拓磨さんにも踊られていたりと着々と支持を広げていっています。

BAD HOP - High Land feat. Tiji Jojo, Vingo & YZERR

川崎のHIP HOPクルー・BAD HOPからTiji Jojoさん、YZERRさん、Vingoさんがリリースした1曲。

BAD HOPといえば「T-PablowさんとYZERRさんのクルー」という印象がどうしても強かったですが、2020年で完全にそのイメージを払拭しました。

「High Land」におけるTiji Jojoさんのテクニカルで独自なフロウのラップはBAD HOPの新境地を見せ、BAD HOPが一枚岩のグループではないことを確固たるものとして証明しました。

コロナ禍においてはまるでMVのようなセット・カメラワークなどこだわりぬいた演出でオンライン/無観客ライブを敢行。

その意欲的な取り組みでヒップホップシーンだけでなく音楽業界そのものに大きな影響をもたらしたという点でも2020年を代表するアーティストと言えるのではないでしょうか。
"BAD HOP WORLD" Release Online Live

唾奇 - Lycoris Sprengeri -紫狐の剃刀- feat. VIGORMAN & TOCCHI

2019年から2020年にかけて表立った活動がほぼなかった唾奇さんですが、8月に突如、変態紳士クラブのVIGORMANさん、盟友のTOCCHIさんを客演に迎えたこの曲のMVが公開。

併せてアルバム『道-TAO-』も配信リリースされ、行方をくらませていた唾奇さんのカムバックが話題になりました。

ビートは要所でピアノが効いていてシティ感がありますが、3人の落ち着いていながら、語るようにもメロディアスにもなるフロウによってシティというよりも「街」という言葉がしっくりくるお洒落な曲になっています。

曲名の「紫狐の剃刀」は彼岸花の一種。コロナ禍や自粛を経ての再開・再始動を予期させる花言葉がありますが、唾奇さんいわく『鬼滅の刃』に登場する「青い彼岸花」からとったそうで、アニメ好きらしい唾奇さんらしいエピソードになっています。

LEX - Sexy!

2019年に若干17歳の新星ラッパーとして注目を浴びたLEXさんの楽曲。

天性のメロウな声とピアノが特徴的な透き通ったトラックがchillでポップな雰囲気を醸し出しています。

8月にはMIYACHIさん、OZworldさん、JP THE WAVYさんなどを客演に迎えたアルバム『LiFE』をリリース。

10代でありながら精力的な活動を続けており、若者を中心に支持を拡大しています。

ピーナッツくん - グミ超うめぇ

2020年の日本語ラップを語る上で、オシャレになりたい!ピーナッツくんの1stアルバム『False Memory Syndrome』は絶対に外せない作品です。

普段はVTuberやゆるキャラとしてバラエティ色の強い活動を行うピーナッツくんが、ファンからはすでに噂されていた天才的な楽曲制作センスとラップスキルの高さを遺憾なく発揮。

MVを見れば分かる通り、グミ=「LSD」という近年その認識が広まっているというストリート的なマナーも押さえつつ、ポップでクールなヒップホップソングにまとめ上げています。

そして「最後の晩餐も グミ食べたの誰かで揉めてるキリスト」という珠玉のパンチライン。シンプルなワードのリフレインで好きなものやアティチュードを表明するというトラップの文脈に乗せながら、一瞬でグミを神話化してしまいました。

チャンチョ & ぽんぽこ - 幽体離脱

ピーナッツくんの相棒兼別人格とも捉えることができるチャンチョさんと、同じくピーナッツくんの相棒であり妹的な存在でもある甲賀流忍者!ぽんぽこさんの楽曲。

アルバム『False Memory Syndrome』の中でも特にコンセプチュアルな楽曲の一つとなっており、キャラクター/VTuber/一人の表現者である自らの存在の不確かさや覚束なさ、分裂をきたしている自己の複数性を「幽体離脱」に喩えながら業界への言及をも含めた「リアル」なリリックへと昇華。それを兄妹(ということにします)で歌い上げるという、極めてアクロバティックかつ計算し尽くされたヒップホップソングとなっています。

仮想的であり商業的な存在でもあるVTuberが、どのようにしてリアルが求められるヒップホップを表現するのか──プロデューサーの兄ぽこさんのたしかな手腕とシリアスな思想が存分に詰め込まれた強度の高い傑作です。ほんと泣きました。

PUNPEE - Wonder Wall feat. 5lack

東京・板橋区を拠点に活動するラッパー・PUNPEEさんが7月にしたEP『The Sofakingdom』から、実の弟である5lackさんと制作した一曲。

ピアノの音が心地良いメロディアスなトラックや2人の洗練されたラップスキルはもちろんですが、実の兄弟2人がお互いについての思いを、時にストレートに、時に照れくささのようなものを感じさせながら歌うリリックがとにかく最高です。

「Wonder Wall」といえばイギリスのロックバンド・Oasisの名曲ですが、一筋縄じゃいかない兄弟関係を表現するにおいて、またとないタイトルだといえます。

2人の関係性や楽曲の節々に仕込まれているサンプリングを知るとより味わい深くなる作品です。

JAGGLA - ATTOTEKI feat. MC TYSON , Eric.B.jr

2020年の特徴として、KOHHさんを端緒にしたトラップブームが広がり切った反動からか、スムースでchillなビートが流行を見せました。

しかし、竜巻一家のリーダー格であるJAGGRAさんの新曲はゴリゴリの重いトラップミュージック。

MVではド派手なセクシーギャルたちと刺青だらけのイカついラッパーたちが多数出演。ヒップホップのなんたるかをふと再確認させられるマッチョイズムに満ちた楽曲になっています。

コロナでいろいろと元気がなくなっている昨今ですが「圧倒的」と力強く宣言するJAGGRAさんとその仲間たちに元気をもらえます。

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん

重盛さと美さんに触れてないのは、何か意図があったんでしょうか?

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