レオタードブタとヤギ・ハイレグ -サイコショッカー!
VTuberのピーナッツくんが展開するショートアニメ「オシャレになりたい!ピーナッツくん」に登場するレオタードブタさんと、ラッパー/トラックメイカー/VTuber(?)のヤギ・ハイレグさんによるユニット「レオタードブタとヤギ・ハイレグ」の新EP「ODIN」からの一曲。ハイテンポな金属音が子気味良いトラックと、そのハイテンポなトラックを乗りこなすフローとそこに込められた病んだリリックが最高です。
病んだ中に見えるセルフボースティングとも違う、自己評価の低さからくるファクトとしての上昇の実感も面白くてヘビーローテーションしちゃいます。
GeG / I Gotta Go feat. kojikoji, WILYWNKA & Hiplin
変態紳士クラブのトラックメイカー・GeGさんが、クルーのWILYWNKAさんやシンガーソングライターのkojikojiさん、大阪の実力派シンガーHiplinさんをフィーチャリングした一曲。GeGさんのメロウな音に、エモさに定評のあるkojikojiさんやHiplinさんの歌がマッチして、3月ごろの別れと始まりの季節を思い浮かばせてくれます。
中でもWILYWNKAさんのバースは、普通のビートとは違うメロディーの上で、転調に合わせて展開していくリリックと独白するかのようなフロウがエモさを掻き立ててくれます。
TAKABO - SUIYORU
とにかく勢いに乗っていると言われている謎のラッパー・TAKABOさんの一曲。TAKABOさんというと映像では常にモザイクなどで目を隠している謎の人物ですが、「ASSHOKE」の衝撃のMVや「SUIYORU」での舐達麻の3人や、孫GONGさんなどの豪華な面子との共演などから、只者ではない感がヒシヒシと伝わってきます。
スローテンポで始まり、LAに対して「娘達の土産何が良いかわからん」と自分の日常をラップするのかと思いきや、2バース目で差別や偏見といったものへの考えを早口で畳みかけるのはMVのビジュアルもあって食らってしまいました。
そのバースの最後で、アメリカ人にはアジア人の区別なんかついていないだろということか中国語で「Wo Shi Huan Da Ma」と言っているのが、皮肉が聞いていて好きです。
Zoom - valknee, 田島ハルコ, なみちえ, ASOBOiSM, Marukido, あっこゴリラ
6人のフィメールラッパーが緊急事態宣言下の中、自宅からリモートで撮影して作られた曲。ビジネスでのお固い利用法が注目されていたアプリ「Zoom」に、一早く投じられた一石で印象的でした。
きっかけはValkneeさんの「ラッパーらしいバカ曲コラボしない?」という一言。
Hookの「Zoom in on my face」に掛けて、Zoomの仕様で歌っている人がズームされるのが洒落が効いていて面白いのですが、画としての枠が変わらないままノータイムで各自の位置が入れ替わっていくのが視覚的にも斬新でした。
crystal-z Sai no Kawara
6月10日に投稿される、瞬く間に大きな波紋を呼んだ一曲です。以下に書くことには曲の仕掛けに関して触れる部分があるため、ご注意ください。 lo-fi的な穏やかなビートに載せて、30代で医学の道を志し医大に通うための勉強を日々続ける男性の日常を歌っている曲かと思いきや、突如流れる医学部不正入試のニュース映像とスマホの録画映像。曲中にはHookの「順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り繰り返し 東京偉大なこの街」に隠された大学の名前や、MVの背景に移るお茶の水と順天堂大学など、様々なイースターエッグが隠されていると公言されています。
KAI-YOUでは、そんなcrystal-zさんへ曲に込めた想いや楽曲制作に関してのインタビューもしています。
韻マン - " Change My Life "【Dir. by @Sekaiseifukuyameta】
名前の通り韻にこだわったスタイルでバトルシーンで活躍する韻マンさんの楽曲。ポップで落ち着いた心地いいビートに踏みながらもビートに合わせたフロウで聴き心地がすごく良いです。
YouTubeでも600万回以上再生されていますが、TikTokでも大流行し動画のBGMに使われています。
曲名で検索すると1万5千以上の動画がヒット。
ただ聞かれるだけでなく、新しい形の需要のされ方をしており、TikTokのユーザー層から見ても若い世代の支持が強いことがうかがえます。
BUDS MONTAGE / 舐達麻(prod.GREEN ASSASSIN DOLLAR)
2019年のシーンでトップクラスの活躍をした舐達麻の新曲。舐達麻ではもはや定番となっているGREEN ASSASSIN DOLLARさんの落ち着いたオシャレなビートに彼らのリアルな生活を載せた一曲。
そのthugな生活を歌ったリリックは、ともすればアウトローへの感情を掻き立てられそうですが、ビートと彼らのフロウが相まってまっすぐに心に突き刺さってきます。
DELTA9KIDさんはじめメンバーが愛用するブランド・WACKO MARIAとのコラボアイテムが発売するなど2020年も変わらず活躍の場を拡大し続けている注目のクルーです。
Rei(c)hi / UCHIRA -Music Video-
2016年の「第9回 BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」でちゃんみなさんと歴史に残る激戦を繰り広げたRei(c)hiさんの楽曲。※Rei(c)hiさんの(c)はマルシー表記MVでは夜の渋谷を舞台に仲間たちとの遊びを表現。
アップテンポのビートに載せて20歳を迎えたRei(c)hiさんが「次はウチらの番」と世代交代を歌っています。
リリックは全体を通してボースティングが強くパンチがあり、これからの自身のスタイルを宣言しているようにも見えます。
漢 a.k.a. GAMI / Start Over Again
5月に大麻取締法違反で逮捕された漢 a.k.a. GAMIさんが、留置所でリリックを書き、留置所でライブした曲を保釈されたその日にレコーディングした楽曲です。リリックも留置所の中での生活などを歌っており、登場する人名も本当に留置所で出会った人たちだそうです。
留置所の中にはDJをやっていた人もおり、アドバイスをもらって留置所内でライブを決行。その時にできたラップがこの曲になっているとのこと。
KAI-YOUは漢 a.k.a. GAMIさんの出所後にインタビューを実施。留置所での生活やドラッグへの考えなどを聞きました。 さらに後編では、前編のインタビューから数日後、漢 a.k.a. GAMIさんが再逮捕されたことを受け、改めてインタビューを実施。全ての裁判を終えての偽らざる想いを聞いています。
S-kaine - 明 feat. SILENT KILLA JOINT Prod by OGRE WAVE
「第16回高校生ラップ選手権」で強豪を打ち破り名を知らしめたS-kaineさんと、HIKAKINさんらと同じ第一世代YouTuber・かずきむぎちゃとしても活動するSILENT KILLA JOINTさん(以下SKJさん)の楽曲。「ハイスクールダンジョン」のモンスターも務めた高校生世代の代表の1人でもあるS-kaineさんと、関西圏のユースから絶大なリスペクトを集めるラッパー・SKJさんが若者へのメッセージを歌っている。
特にHookは、若い世代をリードするS-kaineさんとその世代からリスペクトされるSKJさんの立ち位置の違いと想いがよくあらわれています。
KAI-YOUでは、SKJさんにフッドである淡路島のヒップホップ事情やYouTuber・ラッパーという2つの活動を通しての考え、2年半の服役の経験を経て気づいたシーンの変化などを聞いています。
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連載
日夜生み出される現象や事象を“ポップなまとめ記事”として紹介する人気連載。 いま注目を集めるジャンル、気になったときにチェックしたいトレンド──。 KAI-YOUでは「POP」を軸に、さまざまな対象をまとめて紹介していきます。
1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:3349)
重盛さと美さんに触れてないのは、何か意図があったんでしょうか?