電車の中吊りが電子ペーパーに! 担当「将来も視野に入れた実験」

電車の中吊りが電子ペーパーに! 担当「将来も視野に入れた実験」
電車の中吊りが電子ペーパーに! 担当「将来も視野に入れた実験」

電子ペーパー中吊り/写真はJR東日本提供

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POPなポイントを3行で

  • 未来を感じる電子ペーパーの中吊り
  • 「ちょっとだけ未来」な山手線をつくるプロジェクト
  • 担当者「もっと電子ペーパーが使われてもいい」
山手線の電車内に掲げられている、3月から暫定開業予定の新駅・高輪ゲートウェイ駅の中吊り広告。

一見普通の中吊り広告にも見えるが、電子ペーパーが採用されていて、ディスプレイとして表示が切り替わるようになっている。

Twitterでは「すげぇ!」「めっちゃ未来だ」と大きな話題に。話題の元になったツイートは、記事執筆時点で2万8000件もの「いいね」がつけられている。 中には、2011年に放送された幾原邦彦監督によるテレビアニメ『輪るピングドラム』のようだという声も。地下鉄が重要なモチーフとして登場する同作では、動く中吊り広告も描かれていたからだ。

この中吊りを手がけたJR東日本の担当者は今回の反響に驚きつつも「電子ペーパーの可能性を前々から感じていた」と導入の経緯を語ってくれた。

「ちょっとだけ未来」な山手線を

電子ペーパー中吊りを見ることができるのは、山手線内で運行されている「山手線Ver.2020 by東京感動線」(以下「東京感動線」)の車両内。

同車両は2月17日(月)までの期間限定で運行されているもので、「ちょっとだけ未来」をキーワードに電子ペーパー中吊りのほかにも著名人による車内ラジオや、つり革に貼られているステッカーのQRコードをスマートフォンで読み込むことで、山手線沿線のランドマークが画面上に浮かび上がるAR体験など、さまざまなコンテンツを楽しむことができる。

その一環として「#山手線を語ろう」という趣旨のもと展開されている中吊りは、現代の東京を形成した今までのワクワクするカルチャーニュースを山手線の歴史と共に振り返るものが複数展開されており、イラストレーター・白根ゆたんぽさんのシンプルながら可愛らしいイラストも目を引く。 ただし、電子ペーパーが使われているのは、高輪ゲートウェイ駅に関する中吊りだけ。Amazonの電子書籍リーダー・Kindleにも使われているE Ink社の電子ペーパー技術を採用した大日本印刷『DNP電子ペーパー』を使用している。

担当者「正直驚いている」

東京感動線の車両

この電子ペーパー中吊りを手がけたのはJR東日本 東京支社事業部 企画・地域共創課に所属している星野さん。東京感動線を含む「山手線プロジェクト」の一つとして企画したという。

企画に関しての反響はTwitterを見て知ったとした上で「正直驚いています」とその心境を告白。

星野さんは、もともと新しい技術などに興味関心があったそうだ。

2013年には新潟でモノクロの電子ペーパー中吊りが存在していたこと例に挙げつつ、電子ペーパー自体は必ずしも真新しい技術ではないとしつつも「もっと電子ペーパーが使われてもいいのではないか」と思うようになったという。 電子ペーパー中吊りを使うメリットについて星野さんは「東京感動線の"ちょっとだけ未来"というコンセプトに合致した」ことを前提に、「アイキャッチ的な効果もある」と話す。

当然、紙の場合は広告の差し替えが必要であるため、電子ペーパー中吊りは資源節約にも繋がるだろう。

また、さらには電池駆動なので、仮に一帯が停電しても電池が持つ限りはニュース配信などに活用できる可能性も。「使い方によっては災害時にも活躍するのではないかと思います」と星野さん。

コストに関しては「少々高め」だというが、「将来的なことも視野に実証実験という意味合いもある」と語った。

最後に「土日含め東京感動線終了までまだ期間があるので、ぜひ実際に乗ってみていただければ」と呼びかけた。

なお、東京感動線の車両は1編成のみの運行になっている。山手線内の運行状況はJR東日本アプリの「列車走行位置」から確認することができる(外部リンク)。

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