55年間の日本SF史を網羅──『SFマガジン 創刊700号記念特大号』

55年間の日本SF史を網羅──『SFマガジン 創刊700号記念特大号』
55年間の日本SF史を網羅──『SFマガジン 創刊700号記念特大号』

『創刊700号記念特大号 SF MAGAZINE ARCHIVE』

5月24日に発売された文芸誌『SFマガジン』の記念特大号が、55年にもわたるSF史を網羅したその内容の濃さから大きな話題を呼んでいる。

同誌は国内外のサイエンス・フィクションを長年に渡って紹介しつづけてきた雑誌で、今回の記念特大号で、めでたく創刊700号を迎えた。

SF史をつくり続けてきた『SFマガジン』

『SFマガジン』は1959年12月に創刊。早川書房から刊行され、小説だけでなく漫画やイラスト作品等の掲載も積極的に行っている。

創刊以後、日本SF作家クラブの創設や国際SFシンポジウムの開催。さらには、1970年代に大きく巻き起こったSFブームや、文芸・アニメ・漫画といったポップカルチャーにいまなお強い影響を与え続けるサイバーパンクを紹介。また、90年代後期に巻き起こった「SF冬の時代」論争や、これまでのSFファン以外の読者にも強く訴求した作家・伊藤計劃さんのフックアップなど、『SFマガジン』が寄与した側面は語りきれない。

日本SF史の55年間をアーカイブ

今回話題になっている『創刊700号記念特大号 SF MAGAZINE ARCHIVE』の特集は、上述したような日本SF界の55年史を、過去の700冊から厳選したルポ、コラム、インタビューほか70本の記事で再構築されている。

さらには、初代編集長・福島正実さんによる第1回日本SFショー(1973年9月開催)での講演の模様が再録され、また、本紙の一時代を画した第2代編集長・森優さん、第6代編集長・今岡清さんのロングインタビューまで掲載。

当時の編集方針などについて語る貴重なテキストとなっている。

その他にも過去・現在、そして未来のSFシーンをつくっていくであろう作家、批評家らが集結。SFにこれまで興味がなかった人にとっても、これを期にその世界を知ることができる一冊となっている。
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