2025年の「新語・流行語大賞」(『現代用語の基礎知識』選 T&D保険グループ新語・流行語大賞)における、30個のノミネート語が11月5日に発表されました。
本賞は、その年に発生した言葉の中でも、特に多くの人に広まり、話題となった新語・流行語を選出し、関わった人物・団体を表彰するもの。日本における一年のトレンドの一端を示す賞として、毎年一定の注目を集めています。
本記事では、ノミネート語の中から、エンタメ・カルチャー領域に関連する注目の言葉を紹介・解説します。
目次
エッホエッホ
「エッホエッホ」は、ネットミームのひとつ。2月23日前後からXを中心に拡散した、メンフクロウの赤ちゃんが走る画像が元ネタです。
元画像のかわいさだけでなく、「エッホエッホ」から続く「~って伝えなきゃ」という構文で、なにかしらのイベントやキャンペーンなどを発信する用途としても便利なミームです。
オールドメディア
「オールドメディア」は、インターネットメディアなどの新しいメディアに対する、主にテレビ/新聞といった伝統的メディアを(特に批判的な分脈で)指す言葉。
2025年もテレビなどのマスメディアは不祥事が相次ぎ、特にタレント・中居正広さんの性加害疑惑などに端を発するフジテレビの動向は極めて大きな話題となり、同時にメディアへの不信感を加速させる契機となりました。
教皇選挙
『教皇選挙』は、カトリック教会の最高司祭・ローマ教皇を選出する選挙「コンクラーヴェ」の和訳。および、これを題材にした同名映画です。
映画『教皇選挙』キービジュアル/© 2024 Conclave Distribution, LLC.
4月21日に第266代ローマ教皇・フランシスコ教皇が亡くなったことで、5月7日にコンクラーヴェが実施。
そのタイミングで、日本では3月に公開された映画『教皇選挙』が大きな話題となり、興収10億円を突破するヒットを記録しました。
ちなみに、『教皇選挙』は2025年開催のコンクラーヴェ参加者の中にも参考にした人がいたと話題に(外部リンク)。“本家”の参考資料にもなった話題作は、Amazon Prime Videoで見放題です。
国宝(観た)
「国宝(観た)」の元ネタは、6月に公開された映画『国宝』のことでしょう。
映画『国宝』キービジュアル/©吉田修一/朝日新聞出版 ©2025 映画「国宝」製作委員会
小説家・吉田修一さんによる、朝日新聞の連載小説を原作とした映画版は、公開から110日間で興行収入150億円を突破。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』以来22年ぶりとなる、興行収入100億円突破の実写邦画作品となり、大きな話題になりました。
実際、筆者の周囲にいる映画好きからも、たまに『国宝』の話題は出てきていました。「(観た)」までがノミネート語となっているのは、そうした話題性も鑑みて、なのかもしれません。
チャッピー
「チャッピー」を指すものはいろいろありますが、今回ノミネートされたものは、会話型AIボット「ChatGPT」を指します。
いまや人々の生活に浸透しつつある生成AIですが、便利なツールではなく、かけがえのない友人や恋人としてChatGPTを受容している人も増えつつあります。
それを示すできごとの一つが、最新モデル「GPT-5」のリリース時に生まれた、旧モデル「GPT-4o」の復活を求めるハッシュタグ「#keep4o」でしょう。
「チャッピー」という呼び名には、ChatGPTにある種の擬人化を施し、フレンドリーに接したい人たちの想いが込められていると言えます。まぁ古くはドラえもんがいる国ですからね。
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