同人音楽

どうじんおんがく

同人活動の中で制作された、自主制作の音楽を指す。その定義をめぐり様々な議論があるが、主に「コミックマーケット」や「M3」といった同人即売会で頒布される音楽やアーティストを指すことが一般的。

同人音楽

概要

同人音楽は、ゲームやアニメなど、既存の作品の楽曲をアレンジした「アレンジ楽曲」と、作詞・作曲ともにオリジナルの「オリジナル楽曲」の2種類に大きく分けられる。また、オリジナル楽曲の中には、既存の作品をモチーフとして作詞・作曲が行われる「イメージ作品」も含まれる。

1980年代後半、ローランドから発売されたミュージくん(1988年)をはじめ、ローランドMT-32やSC-55等により、プロでなくともコンピュータミュージックを制作できる土壌が拡大。

やがてそれらの愛好家たちは、オフラインあるいはニフティサーブ等のパソコン通信においてコミュニティを形成し、既存・自作曲のMIDIデータを仲間内でやり取りするという、同人音楽の原点ともいえる活動がはじまっていった。

同人誌即売会においてもフロッピーディスク等によるMIDIデータの頒布を行うサークルは存在したが、MIDIデータの本格的な再生には高価な専用音源が必要であり、更に再生環境によっては必ずしもデータ製作者の意図通りに再生されない可能性もあったことから、当時はほぼ聞き手=作り手の図式が成立していた。

近年の動向

インターネットの普及と急速な発展でにより、インターネット上では自作のMIDIファイルを公開する個人サイトが増殖。それらを普及させるための投稿・検索サイト(muzieなどのGGM)も発展していった。

音源の面でも、ヤマハ・ローランド等のメーカーが自社サイト上で配布したソフトウェア音源が手軽に一定水準のMIDI再生環境を入手できる手段として人気を集め、投稿・検索サイトの利用とあいまって、新たに「鑑賞専門」のユーザー層を成立させるに至った。

そういった動向が結実し、近年では、クリエイター集団・supercellや音楽ユニット・Linked HorizonSound Horizonの別名義)を主宰するRevoさんなどのように、同人音楽での活動を経てメジャーレーベルからデビューに至る流れも見られるようになった。

一方、アニメタイアップなどで一躍注目を浴びるfhána、メジャーシーンでも活躍するシンガーであるAnnabelさんとやなぎなぎさんのユニット・binariaなど、同人と商業の両方で作品を発表するアーティストたちも少なくない。

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