ガラス工芸で生き物の美を表現──生物系ガラス作家 増永元の展覧会が開催

ガラス工芸で生き物の美を表現──生物系ガラス作家 増永元の展覧会が開催
ガラス工芸で生き物の美を表現──生物系ガラス作家 増永元の展覧会が開催

生物系ガラス作家・増永元さんの展覧会「ガラスの中の生き物たち-増永元作品展-」が、2月8日(土)から3月9日まで山口県の新光産業きらら浜自然観察公園で開催されます。

生き物をはじめとした美しい自然の数々を、透明感のあるガラスの中に再現した作品がSNSでたびたび反響を呼ぶ増永元さん。

「ガラスの中の生き物たち-増永元作品展-」での展示作品

山口県では初となる展覧会では、初日に増永元さん本人も在廊。

生物の生態研究者からガラス作家へ、独学で転身を遂げた増永元さんから、貴重な話が聞けるかもしれません。

生態研究者からアートの世界へ──異色のガラス作家 増永元

増永元さんは、沖縄県宜野湾市在住の生物系ガラス作家。主にバーナーワークという手法を用いて、ガラスによる小さなアート作品を制作しています。

実は、ガラス作家として活動する以前、ウミヘビの生態研究者だっという異色の経歴の持ち主。2003年には、琉球大学大学院理工学研究科にてウミヘビの個体群生物学の研究で博士号(理学)を取得しています。

「ガラスの中の生き物たち-増永元作品展-」での展示作品

2008年、もう一つの夢だったアートの道へ進む決心をして、現在のような作家活動をスタート。ガラス工芸の技法書を参考にして独学で腕を磨きました。

KAI-YOUでは2020年に増永元さんを取材。2億年以上前のペルム紀に生息していた両生類の絶滅種・ディプロカウルス(Diplocaulus magnicornus)をモチーフにしたガラス作品と共に、珍しい経歴などを紹介しているのでチェックしてみてください。

山口でも東京でも! 増永元の神秘的なガラス作品を鑑賞

新光産業きらら浜自然観察公園で2月8日から開催される「ガラスの中の生き物たち-増永元作品展-」では、クマノミやウミガメ、ウミウシなどの生き物をモチーフにしたガラス作品を展示。

ガラスに閉じ込められたどこか神秘的な作品を、間近で鑑賞できます。

「ガラスの中の生き物たち-増永元作品展-」での展示作品

「ガラスの中の生き物たち-増永元作品展-」ポスター/画像は新光産業きらら浜自然観察公園公式サイトより

ちなみに、増永元さんの作品は現在東京でも展示中。3月9日(日)まで、東京・目黒のホテル雅叙園東京で開催されている「ミニチュア×百段階段 ~文化財に広がるちいさな世界~」でも展示されています。

東京都の指定有形文化財である「百段階段」を舞台に、ジオラマでつくられた日本の風景や指先サイズの作品など、精巧な技術と遊び心にあふれたミニチュア作品が集結。

増永元さんのガラス作品も20点ほど展示されています。

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イベント情報

ガラスの中の生き物たち-増永元作品展-

会期
2025年2月8日(土)〜3月9日(日)
場所
新光産業きらら浜自然観察公園
山口県山口市阿知須10509-53
時間
9時〜17時(入館は16時30分まで)
入館料
200円(18歳以下無料)

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