4mmのボールが『ピタゴラスイッチ』よろしく、機械仕掛けの機構の中をぐるぐると回り続けるスマホケースがめちゃポップです。
スタート地点を出発して、S字の隘路を抜けて、ルーレット状の回転円盤に運ばれて、またスタート地点へ戻っていく……十数cmのスマホケースの上に構築された、巧みのからくり仕掛け。
ず〜〜〜っと見ていられます。
制作したのは、からくり作家の鈴木完吾さん(からくりすと)。
この新作スマホケースについて、作家として見てほしいという作品のポップなポイントなどについてうかがいました。
鈴木完吾さんが制作した過去の作品「持ち運びがしやすく、自分の名刺がわりになるような作品」
鈴木完吾さんは、2016年に大学の卒業制作で制作したからくり仕掛けの書き時計が話題を呼び、東京都美術館でも作品展示されたからくり職人です。
本人によるXの投稿が回りに回った(現在は19.7万リポスト)ので、覚えている方もいるかもしれません(外部リンク)。
大学卒業後も作品発表を続けており、KAI-YOUでも以前、大中小バラバラな歯車がものの見事に噛み合い、花を咲かせる作品について話を聞いています。
そんな鈴木完吾さんの新作が、このポップなスマホケースです。
「持ち運びがしやすく、自分の名刺がわりになるような作品」があればと考え制作したそうで、確かに初対面であれを見せられるだけでどんなクリエイターなのかわかります。
からくり仕掛けを構築する場をスマホケースにしたのは、「外出時に必ず持ち歩くものだったからです」。もはや生活必需品みたいなものなので、間違いありませんね。
大変だったのは“0.5mmの部品”のはんだ付け 見てほしいのはケースのある工夫
制作は、まずスマホにフィットするシンプルなケースを設計するところからスタート。
スマホケースと作品そのものであるマシンが着脱可能な構造をつくり、最後にマシンの中にあるギミックの設計という流れで行われたそうです。
細かい作業は鈴木完吾さんのYouTubeチャンネルの動画に詳しいのでチェックしてもらうとして──
一番大変だったのは諸々の設計ではなく、「電力を供給するアダプタにはんだ付けをする」ことだったとか。
いわく、チップ抵抗という0.5mm程度の極小部品を付けるため、キズミ(時計用ルーペ)を使いながら作業したそうで……0.5mmのはんだ付けなんて、少なくとも素人にはとても無理ですね。
そうした苦労も乗り越えて完成したスマホケースのポップなポイントは?
「内部のギミックも見てほしいのですが、何よりマシン全体がケースから着脱可能だったり、電力を供給して内部で様々なものを動かせるような拡張性が私は気に入っています」
スマホケースと作品自体を着脱ができるのはガジェット感があるので、また良いですよね。スマホからマシンを動かす電力を供給でき、作品一つですべて完結している点もスタイリッシュです。
ずっと見ていられるボールの動きだけでなく、作品としての完成度にまで目を向けてみると、また違ったものが見えてくるかもしれません。
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