国内最大級のゲーム展示会「東京ゲームショウ2024」(TGS2024)が9月26日〜29日に開催。歴代2番目となる27万4739人が来場し、会場の幕張メッセは大いに賑わいました。
会場では、ストリーマー(配信者)の影響力やAAA級タイトルのブースも強い存在感を放っていましたが、さらに注目を集めたのがインディーゲームのエリアです。
サバイバルクラフトゲーム『パルワールド』のポケットペア社が、任天堂とポケモン社から特許権侵害で提訴された際、自社を「小規模なインディーゲーム開発会社」と表現したことでも注目を集めたインディーゲームというジャンル。
この“インディーゲーム”という言葉を、当事者であるゲーム開発者はどのように捉えているのか。
「TGS2024」の会場で皆さんに話を聞きました。
取材:小林優介 文:Yugaming
目次
Steamやパブリッシャーの努力で花開いたインディーゲーム文化と、その定義の曖昧さ
インディーゲーム(Indie Game)とは、インディペンデント・ゲームの略称。一般的にはその言葉通り、大規模資本や企業から独立した個人、または少人数によって開発されたゲームとして理解されています。
最近では、ゲームプラットフォーム・Steamの普及をはじめ、PLAYISMや集英社ゲームズ、講談社ゲームクリエイターズラボ、room6などのパブリッシャーが積極的にインディーゲームを紹介。
これにより、少人数で開発されたゲームがこれまで以上に露出の機会を得ることとなりました。
一方で先述の『パルワールド』以外にも、“大規模なゲーム会社の中にある小規模チームが手がけたゲーム”もインディーゲームとして捉えられているケースもあります。
実際、ポケットペア社が特許権侵害で提訴された件へのコメントを発表した際には、『パルワールド』をインディーゲームとして捉えるべきなのか? といった議論も起こりました。
文化として拡大し、参画者も増え続けているからこそ、『パルワールド』の件を抜きにしても、インディーゲームを定義することは難しくなっています。
「つくり手の意思を作品に反映できる」から選んだインディーゲームというスタイル
定義が揺らぐ今、クリエイターたちはインディーゲームをどのような文化/ジャンルだと捉えているのか。
まず話を聞いたのは、スマホ向け放置RPG『ローグウィズデッド』を開発するkoheiさんと玉ねぎ修字さん。
koheiさんはあくまで個人的な意見だと前置きしつつ「大手の人数でしかつくれないゲームはあります。でも大規模であるほど、つくり手全員の意思を作品に反映するのは難しいと思うんです。インディーゲームは少人数だからこそ全員の意思が反映できます」とコメント。
「売り上げなどにとらわれず、自由に自分たちの意志で考えるのは楽しいし、魅力ですね」と、開発者としてインディーゲームを選ぶ理由を説明してくれました。
玉ねぎ修字さんも「大手は分業体制がしっかりしていて各分野のプロフェッショナルがいる。一方、僕らは少人数なので、個々人がいろんな領域を受け持つ必要があります。僕もアートを担当しつつ、マーケティングもやらなきゃいけない。様々なことを幅広くやれる楽しさもあります」と話します。
2人は「開発していて楽しいというのが魅力だし、インディーゲームを選ぶ目的でもあります」と、小規模チームならではの開発の魅力を答えてくれました。
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