ゲーム『パルワールド(Palworld)』への任天堂と株式会社ポケモンによる特許権侵害訴訟を巡り、株式会社ポケットペアが5月8日に声明を発表した。
今回発表した「係属中の訴訟に関するパルワールドの仕様変更と今後について」と題した声明の中で、ポケットペアは二社の主張する特許は侵害しておらず、また原告の特許はいずれも無効であると主張。
一方、特許を侵害していないことを明確にするため、ゲームの仕様変更を行ったという。
大ヒットを記録したポケットペア開発『パルワールド』
『パルワールド』は、ポケットペア社が開発/販売するモンスター育成オープンワールドサバイバルクラフトゲーム。
2024年1月にアーリーアクセスがスタートし、リリース1ヶ月で売上本数1500万本を突破。同年7月にはポケットペア、ソニー・ミュージックエンタテインメント、アニプレックスの3社が、『パルワールド』のライセンスビジネスを担う株式会社パルワールドエンタテインメントを設立した。
一方で、ゲーム内に登場する生物・パルの一部デザインが、「ポケットモンスター」シリーズのポケモンに類似しているという指摘が殺到。さらに「ボールを投げて捕獲する」といったコンセプトも類似しており、他のゲームとの類似性が賛否両論を呼んでいた。
任天堂とポケモン社がポケットペアへの特許権侵害訴訟を提起
発売当初から長らく議論となっていた中、2024年9月に任天堂とポケモン社が共同で、ポケットペアへの特許権侵害訴訟を提起。
ポケットペアに対し、『パルワールド』の配信差し止め、および損害賠償金計1000万円と遅延損害金の支払いを請求している。
なお、海外メディア・games frayが2025年4月、今回の係争に際し、ポケットペア側が二社の主張に対してどのような抗弁を行ったか、訴訟記録を元に報じていた(外部リンク)。
『パルワールド』開発・配信継続のため、仕様変更を決断
今回の声明の中でポケットペアは、訴訟の進行状況に左右されずに『パルワールド』の開発・配信を継続するため、予防的措置としていくつかの仕様変更を行ったと説明している。
予防的措置の内容は、パルの召喚とグライダー滑空に関するものである。
具体的には、2024年11月30日に公開したパッチv0.3.11では、「パルスフィアを投げてパルを召喚する」機能を削除し、代わりに「プレイヤーのそばに直接召喚する」仕様へと変更しました。多くの方からご指摘いただいたとおり、この変更は、今回の訴訟対応に伴うものです。また、パッチ v0.3.11の後も、同じく予防的な措置として、特許権侵害との指摘を受けている仕様に関していくつか変更を加えました。ポケットペア公式サイトより
さらに、パッチv0.5.5において、グライダーパルによる滑空を、パル自身ではなく、アイテムのグライダーを使用して行う方式に変更いたします。ただし、グライダーパルの性能は、アップデート後は、グライダーに追加効果という形で影響を及ぼしますので、実際のプレイ体験への影響は最小限となるように配慮しております。なお、プレイヤーが滑空を行うには、インベントリ内にグライダーを所持し、装備している必要があります。ポケットペア公式サイトより
いずれの仕様変更も、特許が侵害されていないことが明確に認められるまでは維持されるとのこと。
ポケットペアは上記措置について「『パルワールド』が特許を侵害していないことをより明確にしておく観点から、必要な措置であると判断した次第です」と表明している。

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