任天堂が9月19日、株式会社ポケモンと共同で株式会社ポケットペアに対する特許権の侵害訴訟を提起したことを発表した。
任天堂は、ポケットペアが開発/販売するゲーム『パルワールド(Palworld)』が複数の特許権を侵害していると主張。侵害行為の差止及び損害賠償を求めている。
また、訴訟提起を受け、ポケットペア社も声明を発表した。
爆発的ヒットと多くの議論を巻き起こした『パルワールド』
『パルワールド』は、株式会社ポケットペアが開発/販売するモンスター育成オープンワールドサバイバルクラフトゲーム。
対応プラットフォームはSteam、Xbox Game Pass、Xbox Series X|S、Xbox One。
1月19日にアーリーアクセス版がリリースされ、発売から1日で200万本、3日で500万本、4日で600万本、5日で700万本とインディーゲームとして未曽有ともいえる爆発的なヒットを記録。
この商業的成功を背景に、7月には『パルワールド』の国内外における各種ライセンス事業を推進する株式会社パルワールドエンタテインメント(※)が設立された。
※ 株式会社パルワールドエンタテインメント:株式会社ポケットペアと、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)およびグループ会社の株式会社アニプレックスのジョイントベンチャー企業。
一方で、リリース当初はゲーム中に登場する不思議な生き物・パルのデザインが「『ポケットモンスター』シリーズのポケモンと酷似している」などの物議を醸し、SNS上ではポケットペアに所属するアーティストへの誹謗中傷にも発展した。
任天堂は直前にも知的財産権の侵害訴訟で勝訴
株式会社ポケモンは、『パルワールド』が賛否両論を呼んでいた1月にも「他社ゲームに関するお問い合わせについて」と題した声明を発表。
2024年1月に発売された他社ゲームに関して「ポケモンのいかなる利用も許諾して」おらず「知的財産権の侵害行為に対しては、調査を行った上で、適切な対応を取っていく」と説明していた。
なお、任天堂は9月にも中国で配信されていたゲーム『口袋妖怪:复刻』に対する知的財産権の侵害訴訟について勝訴。損害賠償金として1.07億元(約23.4億円)の支払いを命じる判決がくだされたと報告している。
こちらについては、著作権の侵害行為及び不正競争防止法の違反行為が認定されたという。
今回のポケットペアに対しての訴訟は著作権ではなく、特許権の侵害行為について差し止めを求めるもの。
声明の中では、具体的にどの特許が侵害されているのかは明らかにされていない。
任天堂は「当社のブランドを含む知的財産の侵害行為に対しては、今後も継続して必要な措置を講じていく所存です」と表明している。
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