たま〜に見かける変わった形をした建物、あれに妙に心惹かれる気持ち、ありますよね。
無造作に増築された凸凹の家や、ギラギラしたラブホテルとか。車で走っているとふいに視界に現れたり、普通の街並みの中で異様な存在感を放っていたりする建物。良いんですよね。
そんな個性的な建物の写真を、イタリア全土から集めた書籍『イタリアのブルータリズム建築 無骨ながらも美しいコンクリートデザイン』が、7月8日にグラフィック社から刊行されました。
個人の邸宅、教会、そして墓地まで──140点以上のコンクリート建造物を収録しています。
「ブルータリズム建築」とは? イタリアで独自の進化を遂げた建築様式
書籍のタイトルにも使用されているブルータリズムは、イタリアで独自の進化を遂げた建築様式です。
生の素材や構造要素を優先するミニマリズムの美学を持っており、広い意味では"コンクリート打放しの建物”となります。
「これらの建造物は、勇気と、ちょっとした狂気と、ユートピアを追い求める気持ちの産物なのだ」
著者の一人であるロベルト・コンテさんとステファノ・ペレゴさんは、絵画のような街並みと自然が美しく共存するイタリアの街並みとは違う、“後背地(ヒンターランド)”と呼ばれるエリアのそばで生まれ育った写真家。
廃墟と化していった巨大な工業用地の荒れ果てた建造物に魅了された著者たちが、その姿を写真に収めたのが本書となります。
「それぞれがポストカードに印刷されているのとは異なるイタリアの姿を表現している。鉄筋コンクリートによって具現化されたこれらの建造物は、勇気と、ちょっとした狂気と、ユートピアを追い求める気持ちの産物なのだ」と著者たちが語る、ブルータリズム建築の一端を知ることができる一冊です。
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント