ラテンアメリカ文学の巨匠 ガブリエル・ガルシア=マルケスさんの代表作『百年の孤独』文庫版(新潮文庫刊)に、筒井康隆さんによる書き下ろし解説が収録されることが決定した。
装幀と造本の詳細も解禁。装画はAppleやGucci、TOYOTAなどに作品を提供してきたイラストレーター・三宅瑠人さんが担当する。
なお、初回出荷分限定で、新潮文庫では通常こげ茶色のスピン(紐しおり)が、本作だけの特別仕様として煌びやかな金色になる。
6月26日(水)に新潮社から刊行。定価は1375円(税込)。
ガルシア=マルケスによる世界的ベストセラー『百年の孤独』
『百年の孤独』は、1967年にアルゼンチンのスダメリカナ社から刊行され、現在まで46言語に翻訳されて5000万部を売り上げている世界的ベストセラー。
Netflixが映像化の権利を獲得するなど、今なお大きな話題を呼んでいる。世界の名だたる作家たちが賛辞を惜しまず、その影響下にあることを公言している世界文学屈指の名著だ。
作者のガブリエル・ガルシア=マルケスさんは、1927年コロンビア生まれ。ボゴタ大学法学部中退。新聞記者として欧州各地を転々としたのち、1955年に処女作『落葉』でデビューした。
1967年に『百年の孤独』を刊行すると、一躍世界的な注目を集めると、『族長の秋』『予告された殺人の記録』『コレラの時代の愛』『迷宮の将軍』など、次々と歴史的傑作を発表し、1982年にはノーベル文学賞を受賞している。
筒井康隆にとっても特別な存在だったガルシア=マルケス
『百年の孤独』文庫版の巻末に収録される解説を寄稿した筒井康隆さんは、『虚人たち』『虚航船団』『残像に口紅を』『モナドの領域』といった傑作を発表してきた、日本を代表する作家の1人。
SF同人誌『NULL』を創刊し、江戸川乱歩さんに認められて小説家として活動を開始。中央公論社が発行していた伝説の文芸誌『海』の編集長・塙嘉彦さんとの出会いを経て、同誌の海外文学特集に触発されながら上記の作品を生み出してきた。
そんな筒井康隆さんにとって、ガブリエル・ガルシア=マルケスさんは特別な存在だったという。
『百年の孤独』文庫版には、「〈「ラテン・アメリカの土俗性が喜ばれるのは日本の後進性を示している」などと嘯いていた〉文壇の老大家に〈まず鳩尾(みぞおち)に十七回突きを入れ、六十九回両ビンタを食わしてやりたいね〉」など、舌鋒鋭い解説を寄せている。
本書にはそのほか、翻訳者の故・鼓直さんによる訳者あとがきも収録する。
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