さて、2023年も残すところ3ヶ月、秋アニメがスタートする10月クールに突入しました。
『SPY×FAMILY』『葬送のフリーレン』『薬屋のひとりごと』『進撃の巨人』など、話題作に期待作が目白押し。
そんななか、連続2クール放送が決定している『アンデッドアンラック』も、個人的にかなり楽しみな一作です。
「次にくるマンガ大賞2020」コミックス部門1位を獲得した漫画がついにアニメ化。ということで、原作漫画『アンデッドアンラック』の魅力をできるだけネタバレなしでご紹介します。
目次
“不死”と“不運”が出会って始まる『アンデッドアンラック』の物語
戸塚慶文さんによる漫画『アンデッドアンラック』は2020年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されている作品です。主人公は、「不死(アンデッド)」の体を持つアンディと、自分に触れた者を不幸にしてしまう能力「不運(アンラック)」を持つ少女・出雲風子。
風子が自分の能力を呪って自殺を図った現場に、アンディが居合わせたことから、2人の数奇な物語の幕が上がります。
2023年10月にはTVアニメ化。MBS・TBS系のスーパーアニメイズム枠で毎週金曜25時23分から放送中です。
不死の体を使ったアンディのユニークな戦闘描写
『アンデッドアンラック』でまず目につくのが、アンディの持つ不死身の体を活かした戦闘描写。彼は不死なので、四肢を切断されても、首一つになっても再生する(服は再生しないのでよく真っ裸になってる)のですが、その再生能力を活かしたアクションのアイデアが光ります。
例えば、足を高速再生することで地面を蹴り上げ大きくジャンプするだとか、複数の部位から体を再生して一時的に分身するだとか、鞘に見立てた腕に刀を突き刺し再生時の速度を上乗せした高速の居合いを繰り出すとか。
不死という漫画ではありふれた能力の解釈がユニークなのです。
作者・戸塚慶文さんによる独特な能力バトルは毎回新鮮で、新たなキャラクターがどんな能力を持っているかワクワクしながら読むことができます。
ジャンルはバトルギャグコメディラブコメミステリーSF……
『アンデッドアンラック』の特徴は、新鮮な能力バトルであり、風子とアンディのガール・ミーツ・ボーイで、なおかつ世界の創造主たる神に挑む反逆の物語でもあり……と、ジャンルに縛られない独自性にあります。/#アンデラは少年少女バトルギャグコメディラブコメミステリーSFオカルトヒューマンドラマ漫画です
— アンデッドアンラック原作公式@毎週金曜アニメ放送☄️ (@undeadunluck_of) October 3, 2023
\#アンデラ がジャンルを超えすぎて
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原作公式Xが、「#アンデラは少年少女バトルギャグコメディラブコメミステリーSFオカルトヒューマンドラマ漫画です」というハッシュタグを使うほど、様々な語り方ができる。
ジャンプの少年漫画らしい王道さもありつつ、一つのジャンルにはハマらない自由かつ越境性の高い漫画。すなわち、王道であり異端です。
作者・戸塚慶文のハイテンポな展開と緻密な構成力
次々と新キャラクターや謎をストーリーに組み込んでいく、ハイテンポな展開も『アンデッドアンラック』の優れているポイント。個人的に、物語序盤に登場し、出番はそれほど多くなくとも鮮烈な印象を残したキャラクター・ジーナのエピソードは、よくぞ数話でまとめきったなと。もっと描けることはあったと思うのですが、その潔さに感心させられました。
ハイテンポであるにもかかわらず、先の先まで見通して物語が組み立てられているので、安定して面白い。
その真価が発揮されたのが、他者に存在を認識されない能力を持ったキャラクター・安野雲が中心に描かれた、コミックス5巻〜6巻にかけてのエピソードでした。
人知れず戦っていた安野を立てつつ、アンディの過去を描き、一種の修行編でもあった本編序盤のハイライトになっています。
1話から読み返したくなる6巻のラスト
安野雲メインのエピソード、ここ、ちょっと語らせてください。単行本で読むと6巻で綺麗に一連のエピソードが収まっていて、ラストページの演出がとにかくキマっているのですが、筆者は読み終えたあとに即1巻から読み返しました。
そして1ページ目を見て「おいおいおい! ここから“物語”はじまってんじゃんかよ〜!」ってなりました。すげえぜ。
1話の段階からここまでの構想が出来上がっていたのだな……と震えたものです。作者・戸塚慶文さんの構成力の高さに脱帽。
何よりこの高い構成力があるからこそ、『アンデッドアンラック』は常に面白さが安定しているのでしょう。
漫画には、連載が続くほど伏線が自然消滅したり、物語や設定の整合性が取れなくなったりすることが往々にしてあります。特に、毎週締め切りに追われるような激務の週刊連載作品にとって、それらは宿命かもしれません。
一読者としては内容が面白ければ、多少「?」と思うことがあってもあまり気になりません。とはいえ、それらが積み重なることで、作品の印象を大きく変えてしまうこともあります。
『アンデッドアンラック』には、そうした読み進める中での“小さなストレス“が生まれる隙がない。週刊連載で常に面白さを維持できるというのは、それだけで大きな武器になっています。
安野雲の活躍はぜひともアニメで観たい!
あのラストシーンがどのように描かれるのか、放送が最も楽しみなエピソードと言っても過言ではありません。
そして放送後、あなたは1話から見返すことになるでしょう。信じるか信じないかはあなた次第です。
とりあえず筆者は見返します。1話初っ端からのオリジナル描写の意味も気になりますし。
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— アンデッドアンラック原作公式@毎週金曜アニメ放送☄️ (@undeadunluck_of) October 9, 2023
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©︎戸塚慶文/集英社・アンデッドアンラック製作委員会
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