「Wild Wordless World」はパフォーマンスとトークで構成される公演。
身体表現を行うダンサーと身体を持たないAIの会話を通して、「機械と人間のあいだ」を探索する。
チケットは6月21日からイープラスにて販売開始。6月23日(金)から7月2日(日)までの期間、同サービス上で随時配信される。
「機械と人間のあいだ」を探索する「Wild Wordless World」
Photo by HAL KUZUYA
パフォーマンスは自由に動くドローンやロボットとの群舞、複数の対話型AI・ChatGPT(GPT-3)とのディスカッション、VR世界での舞踊などを予定。
トークゲストには、メディアアーティストの落合陽一さん、能楽師の安田登さん、ファッションデザイナーの川崎和也さん、脳科学者の茂木健一郎さんが参加。
4公演の各テーマは、「神」「死」「時」「幸」が予定されている。
落合陽一さん。メディアアーティスト。メディアアートを計算機自然のヴァナキュラー的民藝と捉え、「物化する計算機自然と対峙し、質量と映像の間にある憧憬や情念を反芻する」をステートメントに、研究や芸術活動の枠を自由に越境し、探求と表現を継続している。Photo by HAL KUZUYA
安田登さん。能楽師(ワキ方下掛宝生流)。東京を中心に能の公演に出演。また、神話『イナンナの冥界下り』での欧州公演や、金沢21世紀美術館での『天守物語(泉鏡花)』の上演、島根の神楽を取り入れた『芸能開闢古事記』など、能・音楽・朗読を融合させた舞台を数多く創作、出演する。Photo by HAL KUZUYA
川崎和也さん 。Synflux株式会社 代表取締役 CEO。スペキュラティヴ・ファッションデザイナー。加速度的に進化する人工知能の生成力を持続可能なファッションを実現するために応用しつつ、デザインが持つ未来志向の創造性=思索(スペキュレーション)を探求する作品制作/社会実装に従事している。Photo by Yuri Manabe
茂木健一郎さん理学博士。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして「意識」を研究。文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。Photo by Yuri Manabe
チケットは2000円(別途手数料)。配信/視聴可能期間は以下の通り。
第1回 2023年6月23日(金)〜2023年6月29日(木)
第2回 2023年6月24日(土)〜2023年6月30日(金)
第3回 2023年6月25日(日)〜2023年7月1日(土)
第4回 2023年6月26日(月)〜2023年7月2日(日)
東京五輪振付ダンサーと東京大学教授の組み合わせ
山田うんさんは独自のダンススタイルを貫き、ダンスカンパニー「Co.山田うん」を率いるダンサー。「十三夜」「いきのね」などの作品を発表し、芸術選奨文部科学大臣新人賞や江口隆哉賞などを受賞。東京オリンピック閉会式ではDirector of Choreographerを務め、近年は演劇の演出や脚本、作詞なども手がけている。
一方、池上高志さんは人工生命を研究する理学博士(物理学)であり、東京大学広域システム科学系の教授。『動きが生命をつくる』や『人間と機械のあいだ』、『つくって動かすALife』を著書に持つ。
また、アート活動として渋谷慶一郎さんとの「ScaryBeauty」、研究者集団・Alternative Machine Inc.との「傀儡神楽」や「Mind Time Machine II」などを展開している。
山田うん、池上高志のコメント
【山田うんさんコメント】
鳥や虫のようにこの世界に共存するロボットがいるとしたら、
私たちの振る舞いはどう変わるのだろう。
人間の願望を直接的にサポートするロボットではなく、人型のロボットでもなく、
目の前の、または思考の景色を転換する仕掛けとして、
新しい生命体があったらどんないきものだろう。
それは私たち人間を気持ちよく拡張するものだろうか。
ごちゃごちゃした生命の雑多を受け入れる容れ物、
時間を生成する装置があるとしたら、
それは、人工生命、機械との(機械を作る人との)協働ではないだろうか。
そのプロセスで私たちの生命にどんな息吹が表れるだろう。
【池上高志さんコメント】
いま、世界はLLM(Large Language Model)の出現によって、言葉に満ち溢れている。
世界は、ことば、から始まった!?
人間にとって、身体は2次的なものだろうか?
これは、意識とロボット研究における最大の難問である。
言葉が先か、身体が先か。それをダンスという身体表現を通して問い直す。
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イベント情報
山田うん×池上高志プロジェクト『Wild Worldless World』
- 出演
- 山田うん、池上高志
- 川合ロン、黒田勇、田中朝子、角田莉沙、須﨑汐理、西山友貴、仁田晶凱、望月寛斗、山崎眞結
- (第1回)落合陽一
- (第2回)安田登
- (第3回)川崎和也
- (第4回)茂木健一郎
- 主催
- 一般社団法人 Co.山田うん
- 株式会社オルタナティヴ・マシン
- 株式会社ミュー
- 協力
- 公益財団法人セゾン文化財団
- 助成
- 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京【芸術文化魅力創出助成】
【本作で使われているテクノロジー】
Scene1 ドローンの群れ
ドローンに設定されてることは、① 同方向に進む ②互いに惹きつけ合う ③近づきすぎると遠ざかる。ダンサーの持つドローンも仲間だと思い群れを作ろうとする。途中から登場のドローンは、③だけのランダム作動。
Scene2. GPT3 との会話
あらかじめ、物理学者として設定された2つのGPTが、山田うん、池上高志と、回ごとのテーマで会話をする。
大きなロボット〈November〉は、Scene4の〈Johnbot〉の大型版。
Scene3. VR
VR空間の中でダンサーが踊る。この仮想風景はアーティスト荒川修作の構想した「天命反転の橋」と、その中を自律的に飛び交かう無数の「トリ」で構成。ドローンと同じく、「トリ」は予測できない運動をし群れをつくる。
Scene4. 〈Johnbot〉
地上を動く5センチのロボットは4つ足で左右に光センサーの目を持つ。右側のセンサーが光を受けると左側の足が振動し、左ならば右の足が振動する。その結果、光に近づく性質を持つ。この巨大バージョン〈November〉はGPTの会話に登場。
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